戦後左翼のポイント・オブ・ノーリターン
◉室井佑先生が、きついツイート(ポスト)をされていました。これを書いてる時点で233万閲覧を越え、6862イイネを越えています。まぁ、イイネ率は0.29%ですから、賛否はありますが。福島第一原発の処理済み水の海洋放出で、左派の活動家が高校レベルの物理学や生物学がわかっていなことを晒し、宮台真司東京都立大教授が珍妙なことを言い。もう、リベラルのメッキが剥がれまくりです。評価下落が下げ止めない。
そこで、戦後の日本とポイント・オブ・ノーリターンについて、ちょっと考えてみたくなりました。
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ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、千葉県銚子市名洗町で撮影した屏風ヶ浦だそうです。荒々しくも荘厳な風景ですね。
■Point of No Return年表■
『Point of No Return』とは、もう後戻りできない場所や時間のこと。日本の左派──マスコミ・アカデミズム界隈・進歩的文化人・学生は、ソビエト連邦・中華人民共和国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を平和勢力と思い込み、政府批判を繰り返してきたわけですが。でも歴史的には、「あれ? コイツらおかしくね?」と気づくチャンスは、何度もあったと思うんですよね。1945年の敗戦以降、その気づきになったであろう事件を、以下の年表にまとめてみました。
随時、追加していきますので、追加して欲しい事件・事変・出来事は、コメント欄へ。
■ターニングポイント3回■
さて。大きなターニングポイントは、1970年前後の安保闘争の敗北と、あさま山荘事件から山岳ベース事件などの、一連の連合赤軍の事件でしょうね。ここでも、当初は連合赤軍に同情的な人は多かったんですが、あさま山荘で死者が出ると、風向きが代わり。山岳ベース事件、別名総括リンチ殺人事件で、16人もの人間が殺されたことが発覚し、一気に学生運動が退潮したと、早稲田大学で学生運動の当事者であった呉智英夫子とか、繰り返し語っておられますね。学生運動の挫折から、保守派に転向したり、あるいは沈黙することで距離を置いた者など出ます。でもここで、引き返せなかったのが、現在のダメな左翼の源流。
もうひとつのターニングポイントが、ゴルバチョフ書記長の登場とペレストロイカとグラスノスチ。これが呼び水となって、1989年のベルリンの壁崩壊へと繋がるのですが。同年、中国では天安門事件が起こり、人民解放軍はしょせん中国共産党の軍隊であって、人民の軍隊ではなかったことが、明らかに。そして1991年、ソビエト連邦は名実ともに消滅します。この流れで、進歩的文化人の代表的な人物であった小田実とベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)がソ連の諜報機関KGBから、資金提供を受けていたことが、バレます。また、1988年のソウル五輪妨害のため、大韓航空機爆破事件が起きたであろうことを、薄々気づいたわけです。
ここでもなお、自分たちの思想や寄って立つ共産主義国の正体に気づかず、己の愚かさを認められなかったわけですが。小泉訪朝と拉致発覚、辻元清美秘書給与詐欺事件と、左翼の思想はゼロ年代初頭にはボロボロだったのですが。情報の流通経路を押さえていたマスコミの力はなかなか衰えず、また自民党の迷走という敵失もあって、2009年には民主党政権の誕生という逆流が起きます。まぁ、今となっては悪夢の民主党政権によって、革新政権幻想はかなりの部分、吹っ飛びました。ここらへんは、呉智英夫子が80年代末から、ぜひ社会党には政権を取って革新幻想を打ち崩して欲しい、と言ってたことが実現したわけです。
■福田恆存の先見性と不幸■
こうやって見ると、福田恆存の時代の突出ぶりが、すごいですね。今より情報がない時代に、55年体制以前の1954年によくぞ、左派の批判をやれたなと、感動さえします。批判された当時の左派が反論に窮し、福田恆存はロックフェラー財団から金をもらってあんなことを書いた……なんて陰謀論に走ったのは、彼らの今と変わらない変わらない脊髄反射を見るようで、興味深いです。岸信介はCIAから金をもらっている、なんて形でその後も繰り返されますが。本当に金をもらっていたのは、小田実とベ平連なのに。一種の投影ってやつですかね?
しかし、この福田恆存は時代に早すぎたせいで、左派はもちろん右派からも嫌われてしまいます。保守派のボスザルだった猪木正道に睨まれ、右派言論界からも干されてしまうわけです。切れ者過ぎた悲劇と言いますか。逆に、60年安保70年安保で挫折した学生の中から、この人はただの悪質な右翼ではなく、とんでもない思想家ではないか……と再評価する人間が出てきます。福田恆存や葦津珍彦といった保守派論客は、早くから一貫した言説を世に問うてきたんですけどね。マスコミは力押しで、それを無視してきたのですが。そのツケが、今吹き出してる感じです。
でも、そうやって逃げてきた結果、昨年にロシア連邦軍のウクライナ侵攻、安倍晋三元総理の暗殺という、100年に1回レベルの大事件が、重なってしまい、左派界隈は急性アノミー状態に。加えて、イーロン・マスクによるTwitter買収と改革断行、そしてWBPC問題を追求する暇空茜氏の登場。大三元四暗刻字一色が、天和で出てしまったような状態。もちろん、この間にはスマートフォンの爆発的な普及とSNSの発達という、時代の変化もありました。年度も何度も、引き返すチャンスはあったのに。それを拒否してきた左派が、仏の顔も三度までをスルーした左派が、四度目の大きなうねりの中、断末魔状態なのが今なのかもしれません。
ロシア連邦軍の敗北かプーチン政権崩壊、台湾有事、北朝鮮の崩壊。これらが達成されるたびに、左派はどんどん追い詰められていくでしょう。自分が元気な内に、起きるかどうかはわかりませんが。見てみたいですね。でも、オウム真理教の信者と同じで、ゼロにはならないでしょう。そしてまた、新しい形で千年王国思想を焼き直した思想に、ハマる人が出るでしょう。それが人類の限界ですから。
どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ
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