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睡眠のメカニズム!眠りを良くするヒント

睡眠のメカニズム

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体温・メラトニン・副腎皮質ホルモンのそれぞれの働きで眠りを誘発したり、覚醒を促したりしています。

1.体温

私たちの体は、自然に体温を調整しています。活動している日中は、脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃して、脳を覚ましています。(熱放出と言います)

赤ちゃんが寝る前に手足が暖かいのは、熱放出をしているためです。足は、熱を調整する役割もあります。(そのため寝るときは靴下は履かない方が良いと言われています。体温を下げるのを阻害して入眠の妨げになります。)

もし、入眠がスムーズでないと感じたら、頭を冷やすことが有効です。アイスノンを利用することで、脳の温度を下げて睡眠を促すこともできるとされています。

体が冷えて眠れなくなるのでは?と思う方もいるかもしれません。先行研究では、頭を冷やすだけでは抹消の体温や直腸温には影響を与えなかったと報告されています。頭だけを冷やすことで、急激な体温の低下は起きず、睡眠の邪魔はしないようです。

生理前の女性が眠気が強いのも、体温に原因があります。生理前の女性は体温が高くなるため、夜間の脳の温度の低下が十分でないと言われています。十分な体温の低下がないと、睡眠の質も低下しやすく、日中の眠気が強くなってしまいます。生理前の女性も頭を冷やしてみると質の良い睡眠が取れると思います。ぜひお試し下さい。

2.メラトニン

メラトニンは、体内時計ホルモンとも呼ばれています。間脳の松果体で分泌されています。メラトニンが分泌されると、入眠が促されます。

メラトニンは明るい光の下では分泌が停止します。メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことです。

3.副腎皮質ホルモン

朝方になると分泌が始まります。副腎皮質ホルモンは覚醒作用があります。

夜中、目が覚めてしまった時(中途覚醒)に時計を見てしまうと、覚醒に向けてこのホルモンの分泌を促進してしまうことがあるようです。

そのため、夜間目が覚めてしまった時は時計を見ないことが推奨されています。

まとめ〜良い睡眠のためにできること〜

1.体温の変化を利用して寝付く
・日中の体温が上がるように午後に運動するよう意識する。
・寝る1時間前までに湯船につかるか足湯をする。
・寝る時にアイスノンや冷えピタを利用する。
・靴下は履かない。

2.メラトニンの働きをじゃましないようにする
・部屋は暗くして休む。
・カーテンは閉める。

3.副腎皮質の働きを知る
・夜中目が覚めた時に時計を見ない。
・寝室には見えるところに時計を置かない。



睡眠の量の不足・質の低下で起こること

・脳への影響:集中力の低下、注意の維持困難。記憶・学習能力の低下
・心の健康への影響:感情制御機能の低下。創造性・意欲の低下。
・身体の健康への影響:免疫力の低下。循環器系機能の低下。身体回復機能の低下。運動能力の低下。生活習慣病の増加。
・行動への影響:朝食欠食。遅刻・欠席の増加。居眠り、事故・ケガ


<参考資料>
・眠りのメカニズム.e−ヘルスネット.厚生労働省.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html
・睡眠時の頭部冷却が黄体期における日中の眠気に及ぼす影響.濱西誠司.ヒューマンケア研究学会誌.9巻2号.2018年3月.p19−23.
・精神医学マイテキスト.武田雅俊監修.株式会社金芳堂発行.2014年4月改定第2版第1刷.

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