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頑張り屋のあなたに送る「がんばらない」仕事のすゝめ

私の周りには頑張り屋が多い。

私にはとても真似できないような才能を持っていて、博識なのに謙虚で、さらに努力を積み重ねている。その人柄ゆえ信頼も厚い。


私も彼らが大好きだ。


プライベートにおける頑張りはいい。その人の好きなことだし、やっている最中とてもキラキラしている。魅力にあふれている瞬間だし、誰かが口出しをすることではない。


ただ、仕事への頑張りとなると、むむ…と思う時がある。生来の気質ゆえに、働きすぎていることがよくあるのだ。

その仕事が好きならいいのだが、それにしてもキャパオーバーじゃない?働きすぎじゃない?と思う。


以前アルバイトをしていた会社にも、そんな頑張り屋さんはいた。仕事が相当好きなのか、単純にてんやわんやしているだけなのか、理由はわからないけど、定時を過ぎてもずっと仕事をしている。だいたいいつもいる。同じ立場のはずなのに。


私は、定時になったら帰りたい派だ。そのためにアルバイト契約をしている、と言ってもいい。

私にとって残業とは悪であり、基本的には己のふがいなさが招くものと認識している。商売とは相手がいるものなので、必ずしもそうだとは言わないけれど。
それに、自分の考えが世間一般の価値観でないことは理解している。

人員はまったく足りていなかったので、私も残業することはあったけれど、それにしても、いつもいるとはどういうことなんだろうと思っていた。

私などよりはるかに優秀な人たちだ。決して怠けているわけではないし、ちゃんと結果も出している。


でも、彼らは人間だ。仕事のための機械ではない。

自分のプライベートがあるはずなのに。

それでいいんだろうか、と私はずっともやもやしていた。



このnoteは、愛すべき「頑張り屋」の元同僚たちへの私の気持ちを書いたものだ。

もし彼らがこれを読んだらすごく怒るかもしれないけど、私の知るところではない。それに怒ったとしても、私があなたたちを大好きな気持ちは変わらないので、どうかご容赦いただきたい。

正直に書いていく。



がんばらない仕事のすゝめ


私は、仕事なんてそんなに頑張らなくてもいいんじゃないのかと思う。先に断っておくが、サボっていいという話ではない。

仕事をする以上は一定の水準を求められるし、自分の仕事はきちんと取り組まなければならない。けれど、自分の領域でない部分まで無理に手を伸ばす必要はないと思う。


会社に雇われている、つまり「労働時間の対価としてお金を得る契約」を結んでいる以上、本来は定められている時間で決められた業務をすれば充分なのだ。


もちろん、余力があれば他の人の手助けをしてもいいし、会社や仲間のためになるようなアイデアを実践してもいい。それは素敵なことだ。けれど、サービス残業をしてまで取り組むのは、違うのではないか。

あなたがそれを心からやりたいのであれば、仲間のためになる素晴らしいことだし、ぜひやっていただいて構わない。頼もしさすらある。

けれど、他に自分のやるべき仕事で手いっぱいなのに、さらに誰かを助けようとしては、共倒れになってしまうかもしれない。


あなたは仕事がすごくできてしまうし頭も切れるし真面目な頑張り屋さんなので、人より多くの仕事が回ってくるし、それを全部こなそうとしてしまう。

でも、あなたは仕事ができるだけで、他の人と変わらない普通の人間だ。


働いたら当然疲れるし、不安な夜もある。

たとえ周りがそう思っていなかったとしても、あなたは普通の人間なのだ。

スーパーロボットでも何でもない。


心身をケアしたり、遊んだりする時間が必要だ。

オーバーワークで倒れてしまうようなことは、あってはならない。

仕事や社員はいくらでも代替可能だが、あなた自身は替えがきかないのだ。



今、あなたが抱え込んでいるタスクをよく見つめてほしい。

その中でどれが重要なのか、どれをやるべきなのか、今一度検討してほしいのだ。あなたでないとできないことと、あなたでなくてもできる、もしくは本来別の人がやるべきタスクがあるはずだ。

検討し終えたら、重要な仕事以外は一度手放してみてほしい。「それは私の仕事ではない」と言ってみてほしいのだ。


もしかしたら現場は一時混乱するかもしれないが、本来やるべき人がやっていなかった、もしくはそれを行うのに適切な人員が確保されていなかっただけだ。


あなたの能力や時間を「搾取」されてはならないと、私は思う。
あなたの持つ高いスキルを不当に買い叩かれるようなことは、避けなければならない。


あなたは今まで「やれること」をがんばって増やしてきたと思うけれど、これからは「やらないこと」を増やしていってほしい。

優秀なあなたが忙しさのために潰れていくのを喜ぶ人はいない。



あなたにしかできない仕事をする


話は変わるが、仕事のできるプレーヤーが必ずしも優秀な指導者になるとは限らない。なぜなら「誰かに教えるよりも自分でやった方が早い」からだ。

当然のことだが、育成には相当な時間がかかるので、優秀で経験もある人がやった方が早くミスも起きないのは、ある意味当然である。

しかし、後続を育てなければ、あなたは小さいが大量の雑事に追われ続けることになり、「あなたにしかできないもっと重要な仕事」に着手することが一生できなくなる。


もしかしたら今、あなたは自分の仕事が忙しすぎて、なかなか教える時間が取れないのかもしれない。


でも、忙しいから、自分でやった方が早いから、という理由で後続の指導を後回しにしていてはやがて自分の首を絞めることになるし、最終的に会社にとっても大きな損失である。


頭のいいあなたなら、そのことがきっと理解できるはずだ。
もちろん、理解した上で今はそれどころではないと思っているかもしれないが、「やらないこと」を選定すれば時間は生まれる。

繰り返しになるが、「やらないこと」を増やしていってほしい。



最後に


最後に、これからはもっと自分の時間も大切にしてほしい。あなたは仕事をするためだけに生まれたわけではないのだから。

もともととても良い顔をして働くあなたのことだ。それができれば、あなたの仕事は、人生は、さらに楽しくなると思う。



どうか。



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