第17首:サービスの 確認電話で 問い合わせ 音声ガイドに 話す虚しさ
携帯電話料金が高い…から始まったひと騒動
みなさんにお尋ねしたいことがあります。
携帯電話の料金ってどのくらいですか?
菅さんが総理大臣だったときに携帯電話料金の引き下げをしたようですが、ウチの携帯電話料金は高い…と思っているのは、ここのところの値上げブームで「クッソ!これも値上げかぁ…」の嘆きに私が憑りつかれているからでしょうか…?(ちなみに家族3名で3万5千円は軽くオーバーします)
いちど料金の見直しをしようということで最寄りのショップに足を運び契約内容を改めてみたのです…が、結果、特に大きな値下げは実現できず(涙。
逆に、wifi設置を勧められてしまう始末。
「相殺すれば、実質無料…」
携帯電話屋さんに行くと頻出する『相殺』と『実質』そして『月賦』という熟語を聞くと私はどうもモヤッとします。
「いったん●●円をお支払いいただきますが~、ここに〇〇円の値引きが発生いたしますので実質ご負担金額は××円で済むんです」とか言うが「この値引きサービスは3年間です」とか…おいっ、じゃ4年目は大幅負担増ではないんかい?!みたいな。
なんか、騙されているみたいで…。
悶々としながらも、担当のお姉さんの勢いに負け、「設置してみてご満足いただけなければ8日以内でしたら解約できます」という言葉に乗せられて、wifi設置を試みました。
が、愛猫たちのために置いているカメラ付き自動給餌器がどうしても繋がらない。給餌器のメーカーに何度も問い合わせて設定を確認しても解決できず、結局、新しいwifiが原因だということで、こんどは通信会社のほうに問い合わせることにしたんです…。
ハードルを たくさん置いて 待たされて 断念を待つ? 自動音声
サイトに表示されている問い合わせ番号に電話をかけたのですが、
ここ最近の大手企業さんはみーーーんな「自動音声」で答えてくれるんですよね。
お問い合わせの内容に該当する番号を押してください、とな。
しかも、今の時代はこちらが話す内容を自動で理解してくれるわけですよ。
「電話番号をお話しください」
「お名前をお話しください」
「生年月日を・・・お話しください」
無感情の、こちらへの労りなど微塵も感じさせてくれないクールな女性の平坦な声が、私に淡々と質問を投げてきます。もし私がサラリーマンだったらムカつく上司への返答はこのトーンを真似したらいいかも?!と思うけど、わたしはすでにフリー(自由)の身。しかも、上司への返しを考える年齢でもない、気持ちばかりはアラサーな自分に途中「フフッ」と笑ってしまいました。が、そんな声が受話器にキャッチされてしまうと、
「大変申し訳ありません。もう一度、お話しください」と冷徹な女性から言われてしまいますので気をつけねば…。
自分の声を先方が理解すると思うと、テレビ電話じゃないのに、なんだか背筋をピンと伸ばして、滑舌を気にしながら丁寧に答えちゃいましたよ。そこに、いちいち確認の返事、「よろしければ『はい』とお答えください」とさらに念を押されるわけです。
この女性と仲良くなったわけでもないのになかなかの長電話。
何度かやり取りするうちに、受話器の周りから『虚しさ』の感情があふれ出てきて、背中がどんどん丸くなっていくのを感じます。
“わたし・・・なにやってるんだろ・・・。機械に向かって真面目に話しちゃってさ・・・”
AIに服従させられている気分に…
ここで気づきました。我々はすっかり「機械に服従」させられているのです。カスタマーセンターにカスタマーとして電話しているつもりでしたが、いつのまにかカスタマーがひれ伏して懇願しているわけです「お願いです…担当者に…。どうか、担当者につないでください…」と。
何とも言えない虚しさと悔しさをかみしめつつ、途中で脱落せずに、自動音声の問いに最大限の気を使いながら答えていくと、やっとゲームでいうところの「クリア」サイン、
「担当者にお繋ぎします。しばらくお待ちください」
にたどり着きました。
私は心の中で叫びます。「頑張ったね、、、ジブンッ!」
試練の道は長い。最終関門の「待てっ!」
・・・と、ところが、ここからさらに試練が!
担当者につなぐ間に流れてくる音楽、そこに挟まれた「お電話が大変込み合っております。もう少しこのままお待ちください」コール。
まるで、飼い主様が飼い犬に「待て!」と手を突き付けられたような状況です。
とにかく待ちます、待たされます。
ここにたどり着くまでの努力を忘れて、短気な人であればここで断念する人が多いのではないでしょうか。
私は頑張りましたよ、、、これまでの時間と努力は無駄にできない。
“穏やかに、ゆったり待とう…”と自分に言い聞かせて、いつのまにか覚えた受話器から流れるメロディに一緒に鼻歌で歌ったりしながら、私は、
『人生は 何事も 楽しもうとする気持ちで だいたいのことは 喜劇になる』
という気づきを得ました。…ザ・悟りの境地。
ありがとう!この電話で悟りを得たので、もう受話器は切っていい?という気持ちになっちゃうのですが、ダメダメ!とにかく「待て!」です。
ようやくつながった担当者から言い渡されたのは…
長時間待たされすぎて、恋しさすら募ってきた担当者様。
彼らは彼らでいろんなカスタマー対応で疲れている様子がなんとなく受話器から伝わってきたのは自動音声ではないという証拠。こういうことですよ、人間同士の対話ってのは!
ここから、やっと実質的な「問い合わせ」ができました。
結果は…新設置wifiは使えない。でした。(ギャボン…涙)
その理由はここで詳しく書く気力は残っていないので省略させてもらいますが、新しい技術が更新されればされるほど、ややこしくなることも増えるってことは十分理解できました。
…ということで、いまは問い合わせひとつだけでもものすごーく時間と手間がかかり、やっとたどり着いて話せた人間にちょっとホッとしてしまうという状況が、デジタル化の利点なのか私には全く分からなかったという経験をお伝えしました。
話をつける相手は人間であって欲しいな…と思う私は、古い人間なのでしょうか…。