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【エッセイ】平成!小学校残酷物語~平成5年ナポリタンの給食~

平成5年。小学校に入学した私。

好き嫌いが多かったので、給食には苦しめられました。

献立表で嫌いなメニューがあると、その日が来るのが本当に憂鬱でした。

大人になってほとんどの好き嫌いは克服されましたが、唯一未だに嫌いなものが「ケチャップ」です。

正直、文字を打つのも、見るのも嫌なんです…。

当時はそれに加えて、生野菜全般が苦手。トマトはもちろんキュウリが大嫌いでした。

小学校に入学してそこまで日が経っていないある日。

その日の給食の献立は
「ナポリタンスパゲッティ」
「グリーンサラダ」
「ピーチゼリー」

昼食はオンリーゼリー確定です。ウイダーインゼリー的に摂取するほかありません。

ケチャップ料理の代表格であるナポリタンに、キュウリの入ったグリーンサラダ…。

地獄です。

本当に学校に行きたくなかったのを今も覚えています。

でも、まあ、食べれないのはしょうがない、もう腹くくってゼリーだけ食べて給食の時間を過ごすしかない、とそんな風に思ってました。
この時点で嫌だったことは、嫌いな献立で単純にお昼が食べられない、嫌いな食べ物の匂いに包まれる、みんなが食べ終わるまでゼリーだけ食べて時間をつぶすしかない、そういうことでした。

給食の時間になりました。
私は予定通り、メインとサラダを華麗にスルーし、ピーチゼリーをいただきます。
周りの友達になんやかんや言われましたが、食べられないものは食べられません。
果汁多めのピーチゼリーを堪能したら、あとはひたすらごちそうさまの時間を待つだけです。

そして待ちに待った「ごちそうさまでした」の唱和。
これで私は地獄から解放される、そう思った瞬間…

「ゼリーだけ食べて終わりなんて、そんなの許されないわよ!!!!」

担任の怒号が教室に響きます。
小学生になって初めて先生に怒られた瞬間でした。

クラス全員の視線を浴び、叱責されたことでまず涙が出てきました。

「食べ終わるまで昼休みはなしです!」

みんなが片付けをする中、ひとりぽつんとナポリタンを食べさせられます。

甘ったるいケチャップの味に涙の塩気が加わり最悪のハーモニーが口内に広がります。

吐きそうになりながら少しずつ口に運びますがゴールが見えません。

昼休みも終わり掃除の時間になると、ようやく担任から「もう片付けなさい」との声が。

再びクラス全員の視線を浴びつつ泣きながら給食室へ片付けに行きました。

嫌いな食べ物を無理やり食べさせられる苦痛、
食べられなければ叱責される苦痛、
クラス全員の視線を感じ続ける苦痛、

給食は恐ろしいものだ、小学校には嫌なこともあるのだ、
入学して早々に知ることになるのでした。

平成という時代、市内の外れで民度が低い学区、といったこともあり
理不尽で残酷な思いを数えきれないほど経験していくのでした。

その幕開けがナポリタンの給食なのでした。

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