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『スター・ウォーズ』に限界アリ? 世紀の買収劇と#MeTooにも激動 | mofi 207号 ニュース

『ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に湧くファンたちの一方で、ビジネス面がフランチャイズの限界を示す? メディアのパワーバランスもまた、M&Aと#MeTooで大きく変容。変化に富む今週のハリウッド・ニュースをオイシイとこ取り。

【興収:5月第4週】『スター・ウォーズ』スピンオフ 初週首位も予測大幅に下回る出だし

記念日週末の三日間で$83.3M、振替休日の月曜を含むと$101Mという数字は、最低でも$120Mは出すと見られていた『ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の国内興行に黄色信号を灯している。問題は北米外の興行だ。酷評された『ジャスティス・リーグ』も、国際興行で盛り返していた。『ソロ』は、「スター・ウォーズ」が海外で受け入れられていない現状を浮き彫りにしている。(O)


【ビジネス】ネットフリックス 時価総額でディズニーを抜く エンタメ企業でトップに立つ

会員数1億2,500万人を記録したネットフリックスは一株あたり$349.90を記録し、時価総額でディズニーを僅差で抜く$152.6Bとなった。DVDの宅配サービスから始まった創業21年目のエンターテイメント企業が業界1位へと到達したことの意味はとてつもなく大きい。業態に大きな差があるとはいえ、今後20年ほどの産業構造を占う事件とも言える。(O)


【ビジネス】コムキャストによるフォックス買収参入の準備進む 同社広報が明かす

ネットフリックスの時価総額が$152.6Bだとすると、さてフォックスは? ディズニーが買収することに合意したフォックスの部分的な値札は、$52.4B。なおこの金額に、FOX NEWSやFOX SPORTSなどは含まれていない。コムキャストはフォックスに対し、より高額な金額を提示する用意がまとまりつつあるとしているが、詳細は明かしていない。ちなみに、ディズニーとの約束を反故にした場合、フォックスは$1.52Bの違約金を支払わなければならない。(O)


【#MeToo】ワインスタインついに逮捕も当日中に仮釈放 保釈金は約1億円

初公判時の様子を描いた法廷画家の絵がネット上で急に注目されるなど、騒動の余波は大きい。自身の身の上について「すべてのカタがついたら」この一件についての「ドキュメンタリーを製作しよう」という話を業界の誰かに話しているらしい。まさにロバート・アルトマン監督作『ザ・プレイヤー』状態だ。(O)


【#MeToo】モーガン・フリーマンにセクハラ疑惑 女性8人の告発に反論

8人の女性がモーガン・フリーマンに「居心地の悪い思いをさせられた」と告発。フリーマンは一度目の声明で謝罪したのち、二度目の公式声明で「不愉快な思いをしたすべての方に謝罪する」とした上で「私は女性に性的虐待をはたらいた覚えはない」と名言。「#MeToo」は本当に難しい。 (O)


【#MeToo】ジョージ・タケイ糾弾男性 TV番組で証言を訂正「精神的苦痛は抱かなかった」

30年前にジョージ・タケイにセクハラされたと名乗り出た男性が、TVでのインタビューで証言を和らげた。曰く「コーヒーを交えた打ち合わせに行ったと言ったが、あれは嘘」「彼とのやりとりで精神的な苦痛はなく、心に傷は受けなかった」「それでも不快な思いをしたことは変わらない。謝罪を求める」。こういう話が出てくるから、#MeTooも#TimesUpも勢いを失わないよう慎重に進める必要がある。(O)


【ビジネス】続くムービーパスの株価急落 一方でライバルは新サービス開始

とことんベンチャー的な経営で業界を迷走させているムービーパス。キャッシュの蓄えが「たったの数億円しかない」と報じられた結果、親会社Helios & Mathesonの株価は$0.54まで急落。一方、ライバル企業のSinemiaは、携帯アプリのみで映画予約ができる「カードレス」サービスを開始。どっちでもいいので、このサービス、しっかり存続してほしい。(O)

著者小原康平 / 初出:2018/05/28  第207号
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