見出し画像

チャンスは2度与えられない | mofiニュース

『クレイジー・リッチ!』がアジア系アメリカ人たちにとって一発大逆転の大ヒットを飛ばしている中、ビジネス・政治面では危険な結末がちらほら。セクハラ加害者の再起もあるか?(mofi 220号 2018/09/03)

【興収:9月第1週】レイバーデイ連休は『クレイジー・リッチ!』が三週連続1位

『クレイジー・リッチ!』の観客動員比率は文字通りクレイジーで、3週目ですら昨週との対比で10%減という信じられない数字(大概の作品は60%減が常識)。連休中に$30Mは叩き出すものと見られている。今年、3週間連続首位をキープしたのは『ジュマンジ』リブート作と、『ブラック・パンサー』『アベンジャーズ』のマーベル勢に次いで4本目。2位には同じくワーナーの巨大サメを描くパニック・アクション『The Meg』が先週から追随。次いで新作のスパイ・アクション『Operation Finale』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が続く。ライオンズゲートの新作『Kin』は$3Mと爆死中。(O)


【中国】ハリウッド x 中国資本の提携案件をおさらい 見通しをVarietyがチェック

ユニバーサル、STX、ライオンズゲート、レジェンダリー、Studio 8、そして発足一年でつぶれかけているGlobal Road。中国資本とタッグを組んでいるハリウッド・スタジオやプロダクションたちの契約関係には有効期限が迫っているものが多く、そして確たる結果も示していないものも。本国での巨大なマーケットが待ち受ける中国企業の場合、ハリウッドから引き上げても差し支えないことがポイント。ハリウッド側が使い捨てにされる可能性も十分にある。(O)


【契約】J・デップと弁護士団との法廷対立に一時決着 デップに軍配上がる

ジョニー・デップには、ボディーガードへの報酬未払いや暴行案件などの訴訟沙汰がまだまだ残っているが…。「印税収入契約を口頭で取り交わした」と主張する、デップかかりつけの弁護士団との関係については今回、デップ側が勝利。これは、ハリウッドにおけるタレントとエージェントやマネージャーや弁護士などとの契約関係のあり方を根幹から揺るがす判決でもある。口約束が書面での契約と同等の効力を有するとされてきたショー・ビジネスの慣習を変える可能性がある。(O)


【政治】米中間選挙に備えて、ハリウッドがしていること

リベラル層が大勢を占めるハリウッドの富裕層が、11月6日の中間選挙に向けて民主党支持のために動き出している。米政治系コメディ番組の司会者ビル・マーが民主党へ100万ドルの献金を発表したほか、ジェーン・フォンダやトム・ハンクス、リン・マニュエル・ミランダらも「get-out-the-vote」キャンペーンと銘打って、都心のリベラル層への投票を呼びかけている。共和党側からの反発も激しいが、効果のほどは。(O)


【デジタル】YouTubeのアルゴリズムは動画クリエイターを疲弊させているのか?

ユーチューバーが高頻度で動画を製作・配信するというサイクルは、自身のブランドを売り込むプレッシャーにより過労と燃え尽き症候群を招くという。数百万単位のフォロワーを抱え、収入源を確保しようと躍起になる動画クリエイターたち。といっても、YouTubeそのものがプロパーな動画コンテンツへの製作へと舵を切り始めている中、ユーチューバーたちの未来も問われる。「質より量のコンテンツ」の今後は複雑だ。(O)


【追悼】故アレサ・フランクリンの葬儀しめやかに 著名人らが追悼歌唱

すい臓がんで亡くなった歌手、アレサ・フランクリンの葬儀にはファンが押し寄せ、会場ではジェニファー・ハドソンやアリアナ・グランデ、フェイス・ヒルらが追悼ソングを披露。グランデの喪服が喪服らしからぬことへの批判や、彼女への不適切な接触をしたとして牧師が謝罪したりと、おかしな雑音もちらほら。(O)


【#metoo】ルーイ・C・Kがスタンダップに再来 セカンドチャンスは与えられるのか

セクハラで糾弾され、事実関係を全面的に認めたルーイが、9ヶ月ぶりにスタンタップに復帰したとのニュースが話題をさらっている。NYでの馴染みのクラブハウスで、予告なしに登壇した彼の行動には、賛否両論。しかし問題の一件にはひと言も触れず、何事もなく新ネタを披露したというあたり、微妙な印象が残る。会場は拍手喝采だったとのことだが…セクハラの加害者に再起のチャンスは与えられるのか。(O)

著者小原康平 / 初出:2018/09/03 第220号
有料メールマガジン「Ministry of Film - ゼロからのスタジオシステム」より

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?