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水晶のトップクォリティとは?

今日は月に一度のルース販売の日なんですが、今回の中国仕入れの水晶たちを販売する前に書きたいと思ったのがクォリティの話。トップククォリティの水晶は中国にあります。

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といってもこういう言い方をしたら語弊があるかもしれない。水晶にも色々あるので、原石を好む人にとってはまったく別の話なのですが、私が販売しているようなインクォーツ系はここ中国に素晴らしいものが沢山あります。

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ツーソンショーと比べて
天然石のマーケットとして世界的に有名なのはアメリカのツーソンミネラルショー。原石や化石など、いわゆる鉱物としての石はこちらの方が圧倒的に多いです(上の写真 ) 。クォーツ系のカット石もモダンなデザインが沢山あり 個人的には断然その方が好みです (下の写真)。でも中国にあるようなハイレベルな内包系の水晶を、ツーソンでは見ることができません。同じ産地の石だったとしても、見せ方が違うと言いましょうか。

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よく聞く”トップクォリティ” と言う言葉
これは私は極力使わないようにしている言葉です。それは売り文句だったり個人の主観である場合が多くて基準が曖昧だから。研磨からされている業者さんは品質を熟知している事が多いです。でも仕入れ販売やデザイナーの場合は、本当のトップクォリティを見たことがなくて ”それ” を語れるわけもないですよね。個人の物差しで測ってもグローバルに通用するものではありません。

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中国にあるトップクォリティ
磨きの水晶に関しては間違いなく中国にトップクォリティがあります。もちろん他の場所にはないという訳ではありません。私が行ったことのない場所もまだまだ沢山あるので偉そうには言えないけれど、ただ私のこれまでの経験上、一番多く集積しているのは確かです。上の写真、一瞬タイガーアイに見えてしまうくらいのぎっしりのキャッルアイルチルです。葡萄の彫り物は掌よりも大きい。水晶を愛する文化があって、それを求める消費者がいて、お金もあるから良い原石も中国に流れ込んでいる。そして今中国は、国をあげて ”水晶は中国が世界一” にしようとしているんです。

世界最大の水晶玉
お世話になっている石屋さんが、とある写真を見せてくれました。それはおそらく世界最大の水晶玉。34cm、55kg、完璧に透明 !!!!!!!! (←ここが重要、透明でないものなら巨大なものはいくらでもあります ) その原石は人が隠れられるほどのサイズで、切り出しの工程まで全部見せてくれました。売値は7億円で今は中国のお金持ちが持っているそう。国内で採れた原石だそうでなんですが、中国の土地で採れた石は、国宝級ならば見つかれば確実に没収されてします。なので水面下で売買され、こういった理由で世界最大とは公表されていないんだそう。

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本物を沢山見ること
ファッションを学び始めてからずっと心がけていることは "本物を沢山見ること" です。銀座や表参道でハイファッションのお店に入るのは敷居が高いと感じる人が多いようですが、私は高校生の時から、買えなくても学びの為に通っていました。”誰もがわかるブランド品” のバッグ売り場はほぼ素通りして上の服売り場を見に行っていました。バイヤーの仕事を始めても同じです。良いものを見て目を肥やすことが一番の勉強です。石としても、ジュエリーとしてもトップレベルを見ることはとても大切。

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それぞれの国のジュエリー
例えばジュエリーに関していうなら、日本人は欧米人に比べて体が小さいので、身につけるジュエリーも小さくなります。もともとマイナスの美学や、”侘び寂び” の文化がある国ですからデザインも控えめ。そうすると日本国内で売られるジュエリーは、使われる石もおのずと小さかったり、デザインも繊細になってくるのは当然です。それに比べて欧米は石のサイズも大きくなりデザインも華やか。マハラジャがいるインドや、王族のいるアラブ諸国でのジュエリーなら煌びやかなデザインは辺り前です。

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宝石だけに焦点を当てたら
どちらが良いという話ではありません、それぞれに良さがあります。made in JAPAN プロダクトの造りの繊細さやクォリティは世界が認めるもの。
私自身も日本人らしい感覚を大切にしています。でも、使われる宝石のレベルだけを考えた時には、大きさと使用数を含めて海外のハイジュエリーの方が圧倒的にハイレベル、価格も違います。自分の扱う商品の範囲でなくても、それを知らないとトップクォリティが解っているとはいえません。翡翠や水晶ならば中国を見なければいけない。日本の宝飾展やジュエリーの催事、店舗だけでは視野が狭すぎるのです。

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私のスタンスをお伝えしたいから
なぜこういう事を書いたのかというと、MOEMI SUGIMURA のジュエリー、と SELSHA の石に興味を持っていただける方には、私がどういうスタンスで石選びをしているのかをきちんとお伝えしたいから。私の扱う石は個性が強く一般的な価値基準にはめ込めないものが多いのです。いつもその個性と品質のバランスを見て選んでいます。ジュエリーでも石のユニークさは最近ますますフォーカスされてきているように感じますし、私も常にファッション性、アート性を重要視しています。

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その為にローカルなマーケットへ行ったり、時には低品質なロットから石探しをする事も。でも品質が解っていない人が個性だけを追求しても説得力がないですよね。今は業者だけでなく個人で石の販売をされている方が多い。間違った説明や.....!? と思う事は正直あります。でも私も個人経営、お客様からしたら同じに映るかもしれない。だから興味を持ってくださる皆さんには、こうして自分の言葉で、自分の事をお伝えしたいと思っているんです。

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展示会にてご覧いただけます!
ジュエリー用に仕入れているものはまだ殆ど公開していませんが、新作に使う他、一部は10/17~10/21に行う吉祥寺での個展にて、セミオーダーしていただくことができますので是非遊びにいらしてください!

DATE 2018/10/17 (水)~10/21 (日) 
OPEN 11:00 - 20:00 (最終日 17:30 close)
PLACE 吉祥寺 gallery CLOSET


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