見出し画像

ドイツ店員さんとのバトル

メガネ屋さんで、1ヶ月使い捨てコンタクトを定期購入しています。支払いは1ヶ月分が銀行口座から毎月自動引き落としですが、コンタクトは3ヶ月分がまとめて洗浄剤と共に3ヶ月毎に郵送で自宅へ送られてきます。便利な制度で重宝しています。

最近、コンタクトの度数が合わなくなって、お店で視力検査をして貰いました。
残念ながら視力は悪化しており新しい度数のコンタクトに変更となったのですが、私、日本への長期帰国やらコンタクトとメガネの併用&いい加減気質で交換の遅れ…などでズレてズレてという状態で、もう数年間も定期購入している事もあり、以前の度数のコンタクトが3ヶ月分の2回分(計6ヶ月分)、未開封のままで手元にあったのです。
「箱のままで未開封の物があるのですが…。」と相談すると、「未開封なら新しい度数のものと交換出来ますので、持ってきて下さい。」と言って頂きました。

そこで6ヶ月分のコンタクトを手に、メガネ屋さんを再度訪ねたのですが、ここでバトルが勃発。

店員さんが私のコンタクトを受け取ったのですが、「交換用の、新しい度数のものが届いたら連絡します。」と言うだけなのです。
6ヶ月分で価格にするとそれなりにするものですし、「受け取り証明を出してもらえますか?」と聞きましたところ、「そんなものはないです。」と言うのです。「じゃあ、受け取りの際に再度交換できるように持ってきますので、一旦持ち帰ります。」と言うと、「いや、もうこれらは直ぐに返品作業をしますので。」と、返してもくれません。

「え“ ?!」っと思って、「でも引き渡し済みの証明がないと、最悪の場合私がそれを失うので。心配なんですけど。」と伝えると、「でも受け取り証とかないので。」と動きません。
でも私も動きません。
返してもくれないし、受け取り証明もなしかあ…、どうしたものか…と立ったままです。
私が帰る気配を見せないので、店員さんは、側にあった白いメモに「返品受付済み。何月何日」とだけ殴り書きして、「これでいい?これ以外用意できるものはないの。」と私にポイッとそのメモを渡したのです。

辛うじて日付けは入りましたが、商品の何を何個受け取ったのかも書かれていません。
店員さんの署名も、店のスタンプもありません。

こんなの、誰でも、私でも書けますけど(心の声)…と固まりました。次に来店した時に、同じ人が店に居て対応してくださるのかもわからないのに。
メモでもいいけれど、これは無いわ。
どうしようと思って、戸惑いましたが、「ちょっと内容が…。商品名をメモってもいいですか?」とボールペンをお借りして目の前で私が商品と個数をメモに書き足しましたが、これじゃない感が半端ない白いメモがピラッと私の手元にあるだけ…。
…。
「まだ何か?」という店員さんの無言の圧。
立ち尽くす私。
しばしの沈黙後、「これは駄目だ!」と思って、私は ぱっ! と店員さんの前の、台の上に置いてあった私のコンタクトを掴み取り、「やっぱり持って帰ります。新しいものと交換でお渡ししますから!」と言いました。
すると、瞬時に店員さんは私の手に摘まれていたメモ用紙を ぱっ! と奪い取って「じゃあこれはいらないね。」と私の目の前でグシャッと握り潰したのです。

いらねーわっ!!!
そんな意味のない走り書き!!!

お互いに「なにこれ、なんなの?!」という張り詰めた空気の中、負けてはいけないと、平静を装って「ところで、これとは別に、定期便で自宅へ届く予定の新しいコンタクトがまだ届いていませんが、どうなっていますか?」と聞きたかった事を、立ち去りたい気持ちをグッと踏ん張って尋ねると、店員さんも明らかにイラついてはいるけれど「調べます。」とパソコンを操作して「発送予定を過ぎているけれど、何故かまだ発送されていないようです。洗浄液が納品の遅れで無いのかも。問い合わせしておきますから。」と言ってはくれたので、「お願いします。では、新しいコンタクトとの交換にまた来ます。ありがとう。」と伝えて、無事に(?)立ち去る事が出来ました。

え?私が悪かったの?
1ヶ月3000円ほどなので6ヶ月分で18000円ほどの価値があるものを、お店に信用だけで渡せと?
ドイツに来た頃の私なら、「受け取り証明なし?」とハテナマークを出しながらも「あ、そうですか。お願いします。」で不安に思いつつも帰っていたと思います。
でもね、ドイツで暮らして、何度向こうのミスであっても謝ってもらえない経験をした事か。
責任がはっきりしている場合は大抵大丈夫なんですよ、でも、ドイツ人は「自分の仕事」はキッチリタイプですけれど、「自分で受けていないトラブル」は無関心タイプなのです。
ここでコンタクトが行方不明にでもなれば、問い合わせても、たらい回しにされるか、両手を上げて「どうしようもないよね。」というリアクションで終えられてしまう恐れが。(※あくまでも私の抱いた恐れです。後、親切なドイツ人さんも多いことを書いておきます。)

このコンタクト対応の店員さんも、悪い人ではなく今までも快く対応してくれていた方でした。多分、お店にコンタクト交換の受け取り証明を出す仕組みがなくて、『「ないものはない」という仕事をこなしているだけなのに…。』という状態だったのだと思います。受け取り証は無くても大丈夫なのに、仕事の正確さを疑われているようで不快に思ったのかも知れません。
私も別に店員さんと揉めたい訳ではなく…でも何かあった時に物を失うのは私の方!ということで、不安に思いつつ渡して帰ることはしたくありませんでした。
私も普通のお客さんでいたい、店員さんも仕事は仕事…という感じで、お互いにピリピリとした空気の中、店員さんもイライラを抑えつつ(いや、思いっきり態度と声と顔に出ていますけれども。) 問い合わせには応じる態度、私も至って平静を装って、このバトルを終えることになったのでした。

バトルは先月のことです。「ああ、交換にまた来店しなくちゃいけないの嫌だなあ。」と思っていましたが、店員さんはきっちりお仕事をして下さったようで、遅れていた定期便も自宅へ無事に届き、交換も「お渡しの用意ができました。」とメッセージをくださり、先日無事に交換する事が出来ました。( 因みに、交換しに行った時はバトル相手の店員さんは接客中で、他の店員さんが丁寧に対応してくださいました。)

ホッとしたけれど、なんとなくね、次にまた度数が合わなくなった時にも相談しにくいし、わざわざ気まずい思いをしてまでこのお店でなくてもいいかなと思いまして、別のお店で同じような定期便がないか調べてみようと思います。

どう対応するのが良かったのだろうと、その時は精一杯でしたけれど、なんだか居心地の悪い出来事でした。

2022年12月4日


ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。