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簡単には治らない

無理だった。
やっぱりまだ傷は癒えていない。
ある人から受けた、心の傷。
それはそう簡単には治らないのだ、と思い知らされた。

午後、次の予定まで時間があったから、ふらっと寄った、大学図書館。
そこに聞こえてきたのはある人の声。
その人の声を聴いた瞬間、私に戦慄が走った。

それまで調べものと題して、何の気なしに動かしていたパソコンのマウスにかけていた手は震え始め、恐怖感に苛まれた。思い出したのはトラウマのこと。気付けば「ここから逃げなきゃ」しか考えられなくなっていた私。本能が先走って、それまで調べ物をしていた画面なんてものともせず、その場を離れた。動揺のあまり、手にした荷物を落とすかと思ったくらい。しかも少し遠くにいるその人から「美咲さん?」と声を掛けられたような気がした。多分気の所為。

そう思い込むようにして、私はその場から逃げた。

「逃げてしまった」、その事実で頭が罪悪感でいっぱいになって、「ああ私は本当に何をやっているんだろう」と、少しの間自責した。
でも、本当に私だけが悪いのかな。

その人…その先生が当時、私にあの言葉をかけてくださったのは少なくとも「私の為を思って」だったんだと思う。それは私自身理解しているし、それが事実なんだけれども。

でも私の心が、それを受け止めきれなかった。
気付けばフラッシュバックが起こるようになって。
あの日を境に、その出来事が私にとって、今もトラウマとなっている。

だからと言ったら、言い訳になるかもしれないけれど。
私は、自分を守るために「敢えて」逃げた。
そう思うようにする。

あの状況。
あの言葉。
それは本当にふとした時に、鮮明に思い出される。

「声を聴くだけで」震え慄くなんて、大袈裟だって思うかもしれない。
でも私にとってそれは本当に怖くて、うまく呼吸ができなくて苦しかった。

私って、こんなに弱かったっけ。脆かったっけ。
フラッシュバックが起こる度、トラウマが蘇る度。
私はそう思わずにはいられない。

でもそんな時に、この歌詞を見ては立ち直る。

自分は弱いって
認めながら人は生きて行く
ぼろぼろになって
祈り始める
笑顔になれますように…

STU48 笑顔のチャンス

STU48の歌詞は、心に響くものが多い。
何というか、スッと入ってくる。
琴線に触れる。

大丈夫。
何とかなるよ。

と思わせてくれる。



読んでくださってありがとうございます。

また飲みたいなあ、タリーズのハニーミルクラテ。これ飲みながら書くと、執筆が捗るんです…!