◇昔から人と比べがちな私を一瞬で救ってくれたのは、お兄さんがくれた言葉だった。＃219

私は幼い頃から人と比べがちだ。

昔と今を比べれば
今はだいぶマシだが

でも、完全に人と比べなくなったとは言えない。


いつも誰かと比べて
勝手に落ち込んだり凹んだりしている。


そんなの無駄だし無意味で
ただの自分の努力不足で嫉妬でしかないのも

１人１人まったく違う人生を送ってきているから
比べようがないことも頭では分かっている。

頭ではもう十分すぎるほど分かっている。


分かっているけど、分かっているはずなのに

やっぱり人と比べてしまうクセは根強く
そう簡単に自分の中からはいなくなってくれない。


美容院で担当のお兄さんと話していた。

「私、いま24なんですけど同い年が結果出していたり
年下の子がすごい結果出したりしてると
自分何やってるんだろって思う時あるんですよね。」

と自分の弱さがポロリとこぼれた。


そんな私にお兄さんはこう言ってくれた。


『たしかに比べちゃうと思うけど、得意・不得意ってあると思うんだよね。

たとえば同じ10年を
歩んできたとしても見ている景色って全然違うんだよ。

すぐにスタイリストになる人だっているし
何年もかけてスタイリストになる人もいる。


10年同じことを続けていても
その人にしか見ていない景色って絶対あるし

そこにかける想いも技術も何もかも違うから
気にすることはなくて

なによりも大事なのは続けることなんだよ。』


この言葉を聞いた時に
私は心がジーンと熱くなった。

いままで聞いてきた
「人と比べても意味ないんだよ。」という言葉の中で

一番私の胸に刺さり、励まされた瞬間だった。


おそらくこの言葉は
お兄さんの実際の経験から生まれた言葉だったからこそ
私の心に強く響いたのだと思う。


たしかに周りにはすごい人がいっぱいいるし

自分と同じ年齢でまったく同じことをしていて
自分より簡単に結果出す人だっている。

だけど、私は私しか歩んでいない道があって
見たことがない景色があるから

それを誰かに教えたり提供できるのは
世界で私しかいない。

つまり私以外の誰かが

私の人生で見てきた景色や
培ってきたもの、してきた経験を伝えることも
教えることも出来ないのだ。


逆を言えば

相手の人生で見てきた景色や
培ってきたもの、してきた経験を伝えられるのも
教えられるのも出来るのは
その本人にしか出来ないのだ。


お兄さんがくれた言葉は
お兄さんが見てきた景色から生まれた言葉。

だから、私がその言葉をそのまま言っても
何の想いも熱量も乗らないから
きっと誰の心も動かすことが出来ない。

それはお兄さんが経験して見てきた景色を
言葉にしたから私の心を動いた。


人それぞれ歩んできた道もいままでの経験も
今日この日まで学んできたことも何もかも違うから

人と比べることなんて
やっぱり出来ないのだと

私は改めてお兄さんの言葉で気付かされた。


また、人間なのだから
誰しもが得意・不得意がある。

そして、人には器用・不器用があって
器用になんでも出来る人もいれば

不器用だから出来るようになるまで
時間がめちゃくちゃかかる人だっている。


器用な人はスイスイ結果が出るかもしれない。
不器用な人はなかなか結果が出ないかもしれない。

やっぱりそこで人と比べて
落ち込んだり凹んだりしてしまうかもしれないが

器用な人にしかわからないこともあるし
不器用な人にしかわからないこともある。

不器用だからと落ち込むことは決してなくて
同じように不器用で悩んでいる人の助けになることが出来るし
気持ちを分かってあげることも出来るから


その人にはその人にしか伝えられないことが
やっぱりあるのだ。


だからこそ続けることが何よりも大事で
続けた先に絶対に自分にしか見たことがない景色や
抱いてきた想いがあるわけで

それを伝えることも教えることも出来るのは
世界で自分１人しかいないのだから。


私はどちらかというと
めちゃくちゃ不器用な人間だから

すぐに結果が出ることが少ない。

だからきっとこれからも
人と比べてしまうことはあるかもしれない。

いや、きっと比べてしまう気がする。

でも、これからは比べてしまうたび

お兄さんが言っていた言葉を思い出して
比べても意味ないや！と前を向ける気がする。


私は私にしか出来ないことだけを極めるために
どんなことも続けることを大切にしていこうと決めた。

たとえ不器用だと思われても
それが不得意なことだとしても。



だから、人と比べがちのあなたも
自分にしか出来ないことを磨いていこう。


あなたはあなたにしか出来ないことを。
私は私にしか出来ないことを。


それをいつかシェア出来るその日を楽しみに。