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手塚治虫先生の名作『どろろ』への愛を語りたい

*ネタバレするのが好きではないので、できるだけ詳細を省いて書いています。

「マンガの神様」といえば、手塚治虫先生!

ブラックジャック、鉄腕アトム、ジャングル大帝レオ、火の鳥などなど

数々の名作の中でも、私が一番好きなのが『どろろ』。

(C)手塚プロダクション

発表から50年以上も経っているのに、映画、アニメ、ゲームにもなっているこの作品。今回は、この作品への愛を語りたいと思います!

ストーリー・設定がすごい

(C)手塚プロダクション

ストーリーとしては、次のような感じ。

戦国時代、醍醐景光が、「天下を取る」という野望のため、生まれて来るわが子の体を、48匹の魔物に与える契約を交わす。

その後、生まれた子供は、体の48ヵ所の部分がない状態で誕生。「化け物」と呼ばれ、川に捨てられる。

時は流れ、成長した子供は、百鬼丸と名付けられ、自分の体を取り戻しに、妖怪討伐の旅に出る。

旅の途中で、どろろという名の泥棒と出会い、ひょんなことから一緒に旅をするようになる。

という話。

初めてこの話をみたとき、「ぜひ読んでみたい!」「続きが知りたい!」と強烈に思ったことは、今でも覚えています。

体を48等分に分ける、とか発想が斬新。しかも、相手が人に天下を取らせられるぐらい力のある魔物。「きっと強いんだろうな」「どんな凶悪なやつなのか?」「どうやって立ち向かっていくのか?」などなどワクワクしっぱなしでした。

また、一つ一つの妖怪退治エピソードも面白いです。好きなエピソードは、万代(ばんだい)の回。日本昔話をみているようなドキドキ感、おどろおどろしさが特に光っていて、黒幕がわかっていても何回も読んでしまいます。

元々重い話なので、よく人間の負の部分をみせられて、気分が沈むことも多々あり。でも、百鬼丸やどろろが、どれだけ大変な状況でも、立ち向かっていく姿は「へこたれちゃいけない」と何度も勇気づけられました。

設定について、もう一つのお気に入りが、主人公・百鬼丸です。戦国時代なのに、「そこに武器あるの!?」っていうところに武器を持っています。

今までたくさんのアニメや漫画をみましたが、そんな風に戦う主人公は、一回もみたことがありません。一風変わっているのに、かっこいい。そんな魅力たっぷりの主人公です。

アニメがすごい

(C)手塚プロダクション

2019年版もありますが、一番最初の1969年版が好きです。

まず、製作陣がすごい。

監督:杉井ギサブローさん。(『タッチ』『銀河鉄道の夜』『はじめの一歩』『まんが日本昔ばなし』などを製作。)

音楽:冨田勲さん。(ラジオ番組、NHK大河ドラマ、ドキュメンタリー、時代劇、テレビドラマ、映画音楽など多数の分野に音楽を提供。)

脚本:鈴木良武さん。(『機動武闘伝Gガンダム』『まんが日本昔話』『ヤッターマン』『ドラえもん』『ど根性ガエル』などを担当。)

どろろの声:藤田淑子さん。(『シティーハンター』『銀河鉄道999』『ドラゴンボール』『ワンピース』などに出演。)

みなさま大御所中の大御所。それだけ製作に気合いが入っています。

放送時間の30分で完結させるために、結構な部分が省略されているものの、おどろおどろしくて、重厚な世界観や雰囲気、百鬼丸のかっこよさ、どろろのキュートさは、再現度高し。どろろに関しては、動きがあって声がある分、漫画より愛着が湧いてくるかも。

手塚先生が描いた『どろろ』の世界が動きをもって迫ってきます。胸にくるものがあって、もう大感激しました。

本編もそうですが、オープニング曲にもぜひ注目してほしいです。どろろの声兼歌手として、藤田淑子さんが担当されています。「本業歌手ですか?」っていうぐらいめちゃめちゃ上手くて、神業です。

ゲームがすごい

©原作;手塚プロダクション ©SEGA,2004 CharacterDesign:©RED

いわば、どろろの現代風バージョン。かっこよさの点では一番好きかも。

まずストーリー。上手くまとまっています。実はこの作品は、単行本・雑誌連載・アニメで結末が変わっているのですが、その3つをきれいにミックス。

それぞれの要素もちゃんと入れているのに、面白くさせつつ、かつちゃんと完結しているのは、「お見事!」と思うほど。

次にデザイン。もう日本美術の世界。とても美しいです。魔物はもちろん、ステージや武器まで、日本美術そのもの!浮世絵や、絵巻、彫刻から抜け出たみたい!

日本美術を残しつつ、現代の人がかっこいいと思えるようなアレンジもしっかりされているので、一つの芸術作品をみている気すら起こります。

特に、万代(ばんだい)が一押し。扇で顔を隠して、また顔を表したシーンは最高でした!!リアル過ぎて、怖い泣。でもかっこいい!!

ゲームに関しては、画面をみているだけでも楽しいです。

場所やシーンの再現度も高く、製作者の方々の原作へのリスペクトがひしひしと伝わってくきます。

最後に

まとめとして

原作の漫画→話が深い
アニメ→漫画が動いている感じ。どろろが可愛い。
ゲーム→話のまとまりが一番いい。デザインかっこいい。

です。

ファンの中では有名な話ですが、重くて怖い感じが、当初受け入れられず最初はそこまで人気出なかったとか。人気が出ないので、手塚先生もやる気をなくして、中途半端になった部分も多いです。

勿体無い!

今みたらかなりマイルドな方。これ以上に重い作品なんて、今はたくさん出ているのに・・・。時代が早すぎたかもしれません。それとも、手塚先生の先見の明が凄すぎたのかも?

どろろ面白いのでぜひみてみてください!


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