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ネオ桃太郎
昔の話ではなく、現在進行形の某所。イケおじと美魔女は第一子を授かった。
実に健康的な男の子で、名を桃太郎と言い、共働きの両親や児童館の大人たちに見守られながらすくすくと育った。
ある日、桃太郎はイケおじと美魔女に
「おれ鬼退治系YouTuberになりたい」
と伝えた。イケおじが
「鬼という表記は、コンプライアンス的に問題であるから『怖いもの掃除』とか『怒りっぽい人』とか、なんかイイ感じにぼかして」
と言うので桃太郎は深く頷き、公の場で表現する難しさを感じた。
早速桃太郎は美魔女の手作りタピオカを持って鬼ケ島へ向かう。
道中、悪徳ブリーダーによって繁殖目的に飼育されていた犬と出会ったり、肌の色なんか関係ないと抗議する猿、日本に存在しうる最後のキジと出会った。
桃太郎は共に働かないかと彼らに呼びかけ、住宅手当、ヘルスケアサポート、タピオカの支給など福利厚生の充実を説いたところ、雇用契約書にサインをしてくれた。
鬼ケ島へ向かいながら手ごろな居酒屋へ入り、桃太郎は3名の従業員と酒を交わした。
皆一様に、計り知れないほど苦しみ、偉い人と呼ばれる存在の頭の固さに怒り、悲しんでいた。
行動することで、自分と同じ苦しみを感じている人を助けたいと強く願っていることを知り、桃太郎は大粒の涙を流した。
明朝、鬼ケ島へ到着した一向は、その外壁をみてがく然とした。
鬼ケ島とは労働組合の別称であり、無下に解雇、減給、パワハラなどをされた人々を救う、多くの人々に必要とされているな存在であった。
一部のメディアが労働組合のことを悪く書き、その情報が様々な媒体で枝分かれして発信され、世間に定着していたのである。
桃太郎一向は、発信するメディアの責任や、与えられている情報の真意に対する疑りが足りない事を知った。
そして、自分が世界のことを、まだまだ何も知らないと恥じ、表参道のゴールドジムで肉体と精神を鍛え上げた。
後日桃太郎は、金銀財宝を持ってイケおじと美魔女の元へ帰った。
この金銀財宝とはつまり、未来に生きる人々が幸せになるための行動や学びのことである。
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