『さみしい夜にはペンを持て』
本屋さんの店頭に数冊置かれていてタイトルと青い表紙に目が止まった。
孤独とかメンタルヘルス系の本だろうとスルーしかけたが、
黄色い帯にある言葉がとても気になった。
”思っていることをうまく言えない。そんなあなたへ”
私だ。思っていることがうまく整理して書き出せない。まさに刺さった。
日記もNoteも続かない。
書きたいなって思うのにいざ書き始めると書けなくなる。
すらすら書いている人の記事を読んで羨ましさが募る。
羨ましいという感情があるということは、自分も書きたいってことだ。
頭の中で思いがぐるぐる渦巻き、濁流のようになっていた。
出したい・・・。
整理ができない。ただ書く、ってことができない。手が止まる。
苦しい。モヤモヤする。
この本は書くことについて丁寧にわかりやすく読者を導いてくれる。
時間をかけて自分の感情を見たり、自問自答して深めたりができていなかった。
それを面倒だと思っていた。
おしゃべりのようにことばを出していただけだ。だからスッキリはする。
これはこれで意味はあるが、書くことを習慣にするには浅すぎるようだ。
日記は単なる出来事の記録になっていたり、感情を出すだけの場になり
振り返って読む気もしなかった。
観察し、出来事をスローモンションで振り返り、言語化する。
”今の自分”の思いではなく、”あの時の自分”に問いかけ、考えを深め、
ことばにして答えを出す。
自己と対話して自己理解を深める。ありのままの自分を愛することにつながる。
この本の設定は海の中。いじめられっ子の中学生になったタコジローを通して
ヤドカリのおじさんが書く習慣の意義を教えてくれる。
読み終えて、胸にぎゅっと詰まっていたものが少し溶けた気がする。
あとはタコジローのように”やってみる”を実践して慣れていくしかない。
やってみよう、と思わせてくれた本だった。良書である。
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