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(家族には読まれたくない)WEBディレクターの僕が、家族プロジェクトをつくる理由

こんにちは。
WEBディレクターの中村です。

僕はプロジェクトが好きです。

仕事だけでなく、ここ数年おじいちゃんおばあちゃんを巻き込んだ家族プロジェクトをいくつか企画していたりします。

なぜそんなことをしているのか。

大袈裟かもしれませんしちょっと恥ずかしいですが、プロジェクトをつくる力は日々を豊かにする力の1つだと思っています。

銭湯に入っている時に、ふとそんなことを思ったのでお風呂上がりにスマホのメモで書き始めてみました。

おそらく遠回りしながらつらつら書いてみるので、気長に読んでもらえると嬉しいです。

だるま食堂が閉店します

お盆に実家福岡に帰省をしたさい、母方の祖父母がずっと営んできた食堂を閉めると聞きました。

食堂の名前は「だるま食堂」です。(理由は知りませんが、じいちゃんがだるまみたいな顔をしているからだと思ってます)

幼いころからずっと行ってた食堂。

基本的に家食の家庭だったので、外食といえばだるま食堂に行ってました。

焼き飯、皿うどん、カツカレー、天ぷら定食、コロッケ。

味はもちろん最高だし、小上がりに上がって他のお客さんとお話をしたり、サッカーの試合が終わった後にみんなでワイワイご飯を食べたり。

心が落ち着くというかなんというか、そこで過ごす時間が大好きでした。

原風景は何か?と聞かれると、間違いなく「だるま食堂」で過ごした景色は思い出します。

・・・

そんな食堂が2024年の8月で閉店。

とても悲しいですが、後悔はありません。

なぜなら昨年、じいばあと一緒に「1日店長をやってみる」プロジェクトをすることができたからです。

実家、福岡県北九州市にある「だるま食堂」。2024年8月に閉店予定との事です。

1日店長企画、「だるま食堂2」

2023年大阪で、1日店長企画を実施しました。

「自分が将来もしオフィスをつくるんだったら、こんな場所にしたいなあ」という妄想を、1日だけ体現してみるという企画です。

その中で、1階の食堂部分の体現として、「だるま食堂」の店長をやってみました。

じいばあとは、当日に向けてコロッケの作り方を教えてもらったり、メニュー表を一緒に考えたりイベント当日に向けた企画の過程でたくさんお話しをしました。

いつも話す当たり障りない会話はもちろん、料理へのこだわりやヒット商品である冷麺が生まれた時の話などこれまで聞いたことがなかった話もたくさん聞けました。

イベント当日は、長く過ごした関西の友人をたくさん呼んだので、普段福岡に住んでいるじいちゃんばあちゃんにたくさん紹介することができました。

友人たちにも自分の思い出の味を知ってもらうことができて大大大満足です。コロッケも食べれたし。

だるま食堂2のプロジェクトをすることを通じて、じいちゃんやばあちゃんに僕がだるま食堂が大好きだと伝わったと思うし、将来食堂をなんらかの形で繋いでいきたい思いも伝えられたんじゃないかなと思います。

お盆休みに実家に帰って、1日店長する時の内装やレシピを一緒に考えている様子


1日店長、当日。大阪あべのにある二階建てのレンタルスペースを借りて実施しました。
友達もたくさんきてくれて嬉しかったな〜
大好きなコロッケ。ケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースで食べるのが最高。コーンも入ってます
じいと2ショット
いやはや、楽しかった
母方家族で集合写真!いい時間だった

プロジェクトの価値は、過ごしたい時間をつくれること

会社で尊敬している先輩から聞いて、ずっと頭に残っている言葉があります。

それは、仕事は「好きな人や会いたい人たちと繋がるための良い口実になる」ということです。

いきなりお話ししましょうと言うのは難しいですが、仕事という目的はご一緒する「理由」になるし、一緒に何かをつくることを通じてより知ることができる。

その話を聞いたときに、ほんとにそうだなと思いました。

仕事やプロジェクトは目的達成のための手段。

それはそうなんですが、価値は達成だけにあるのではない気がします。

到着地をどこかにポンっと置いてみることで、自ずと向かうための道筋や乗り越えていかないと行けないものが出てくる。

そして、関わる人達と実際に目的地に向かうことで会話をしたり、強力したりする。

と考えると、目標を考えることは 過ごしたい時間を過ごすための環境をつくると言えるかもしれません。

社会人になると家族と真剣な話をするのも恥ずかしいし、ともすれば伝わらない場合もあると思います。

そんな時は、一緒に歩ける目標を少し遠くに置いてみることで、自然と過ごしたい時間を過ごすことができるかもしれない。

少なくとも僕は、だるま食堂2をする中でじいばあとたくさん喋れたし、これまで知らなかったことも知ることができました。

プロジェクトを始める前に書いた、いつかつくってみたい事務所のラフスケッチ。1階がだるま食堂で2階事務所。これを家族に見せてこういうの1日体験してみたいって話から一緒に色々つくっていった。

プロジェクト is メッセージ

メディア論という本に、「メディアisメッセージ」という言葉があります。

これは、メディアそのものがメッセージになるぜ!ということです。

例えば、おなじ「ありがとう」という言葉でも、

・LINEで送るのか
・電話で伝えるのか
・はたまた手紙に書いて渡すのか

で、受け取る印象は変わると思います。

僕はプロジェクトも同じだと思います。それを行うこと自体が誰かに届くメッセージになる

話は変わりますが、今年の夏に会社でワーケーションを企画しました。

これは、社員さんに「好きなことをやっていいんだよ」を経営側からのメッセージとして伝えるのが狙いとして企画したものです。

もしこれを言葉にして伝えるとどうでしょうか?

「好きなことして良いよ」なんて、おそらく薄っぺらくなるし、僕みたいなナナメなやつは「ん?何か裏の意図があるのか?」と感じてしまうこともあるかも知れません。

それを「ワーケーション」というまる1日の企画をつくり、それを頑張って形にすることで、姿勢として伝えることができたのではないかと思います。

ふと「邦画ってなんで気持ちを言葉にしない場面が多いの?態度で示すだけだとわかりずらいじゃん」と留学生の友達が言っていたことを思い出したのですが、

それはもしかしたら僕たちが「言っていること」より「行なっていること」を信頼しているところがあるのかもしれません。

行動をすること

それは表現であり、伝わる条件の1つであり、プロジェクトはそれらの良い受け皿になります。

プロジェクトについて考えることは、おそらく「何を伝えたいか」メッセージを考えることだし、その伝わり方を考えることだと思います。

プロジェクト is メッセージ。

だるま食堂2は、夏から企画し始め開催する秋までたっぷり時間を使って進めました。

その間、じいばあに「食堂好きだったよ」を伝えることができたと思うし、「これからも続けていきたい」気持ちを示せたのではないかと思います。

心からやって良かった。

仕事の時間も、人生の時間

ここまでプライベートを事例に書いてきましたが、仕事のプロジェクトも同じです。

どのようなプロジェクトにするかで、関われる人、話す内容、関わる人の気持ち、過ごす時間を変えることができると考えています。

僕は受託の仕事をしているのですが、もちろんお客さんのゴールの達成が目標。それは間違いありません。

でも、手段であるプロジェクト自体をたとえば一緒にものづくりしたいクリエイターさんと取り組めるような目標を考えてみたり、同期と成長する機会にするために、難易度をあえてちょっと上げてチャレンジ要素を作ったり。

それが結果的にモチベーションにつながって、達成にも関わってくると思っています。

プロジェクトをつくる能力は、過ごしたい時間をつくれる能力です。

人生100年時代。多くの時間を費やす働く時間も、自分自身でつくれるのはとても価値のあることだと思います。

WEBディレクターという仕事

ここに着地したくて書き始めたわけではないのですが、ちょうど会社でWEBディレクターを募集しています。

ディレクターは「プロジェクトをつくって、しっかり完結させる」のが仕事。

ここまで何度も書いた気がしますが、プロジェクトをつくる力は、自分が好きな人や社会とつながって、伝えたいことを伝えることができる素敵な能力だと思います。

その力はいろんな場面や職種で磨くことができると思いますが、WEBディレクターの仕事もその1つだと思います。

少なくとも僕自身は今の環境でその力を磨けているのではないかと感じています。

一緒の会社でなくても良いですが、WEBディレクターの仕事はとてもオススメです。

終わりに: 家族に読まれたくない理由

タイトルに(家族には読まれたくない)と書いた理由を書き忘れました。

イチバンの理由は恥ずかしいからです。

あとは、ネタバレというか、そのために企画していると思われるとちょっと会話する時に意識しちゃうかなと思ったこともあります。そんなことを考えずにお話しする時間を楽しみたいなみたいな。

あと、シンプルに恥ずかしいし、恥ずいです。

今も、父方の実家のこんにゃく屋さんが来年100周年をむかえるので、記念として絵本を作るプロジェクトを企画しています。こんにゃく屋の父やばあちゃんからこれまでの100年間の話を聞いたり、年表作るの楽しいだろうなーとか、そんなことを考えてます。

特に、父さん、ばあちゃんはこの記事を読まないでください!頼む!終わり!

大好きな中村こんにゃくのかご
小さい頃に椅子にしたり、サッカーの道具入れたり、女性でも運べるサイズにつくってあったり、便利すぎて家中どこにでもある大好きなこんにゃくかごと、かごをテーマにした絵本づくりのアイデアメモ。

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