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nai3_5raku
148. タイセツナナニカ
あなたを好きになりまして、本当の恋というものを知りました。
あなたに恋しまして、本当の愛というものを知りました。
あなたを愛したことで、心底の喪失感や苦しみを知りました。
自身の弱さと対峙して、乗り越えて、強くなって、私にとっての「タイセツナナニカ」をこの手に掴み取りました。たまに火傷しそうになるその「タイセツナナニカ」を懐に入れて、深夜布団の中に頭から潜り込んで夜が深まっていくのを待っていると、その「タイセツナナニカ」から涙がポロリと溢れて、その涙を両手でかき集めたら大きな塊になって空高く昇って、大粒の雨となりました。雨が止んだら、大きな虹がかかりました。あなたと私を繋ぐ七色の虹の向こうには、新緑に輝く山が二座そびえ立ち、「タイセツナナニカ」を見つめてくれています。
タイセツナナニカ。
あの時の大きいまあるいボタン。手に握りしめて、今夜も眠ります。
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