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仕事が辛すぎた時期、私を助けてくれた歌

私がまだ会社員の営業として働いていた頃。

とにかく辛くて逃げ出したい時期があった。

仕事のことを考えるだけで眠れなくなり
日曜の夕方はポロポロ泣けてきて
悪夢にうなされて深夜に何度も目が覚める。

心が限界のところまで来ていた。

私がこうなった理由は明確だ。

ミスが許されない大型案件を1人で担当することになったこと。
超短納期であること。
それなのに上司が全く協力してくれないこと。

そして何より1番の理由は
「クライアントが超パワハラ気質」ということだった。

私はメーカー勤めだったので、物作りがメインのお仕事だ。

納めるまでに何度かサンプル品を提出するのだが、そのサンプルがお気に召さなかったようで、そこからかなり高圧的な態度を取られるようになった。

クライアントが望む質で作るのは難しいことと、
なんとかこれで飲んでほしいことを何度も丁寧に電話で伝えた(実際はこんなに直接的な表現はしてない)

その度に電話越しでブチギレられる。

しかも毎回長電話なので
数十分近く一方的にブチギレられまくるのだ。

これが続くと私の心も持たないかもしれないと思い、上司には早めにSOSを伝えていた。

代わりに対応してもらえないかと何度も相談してみたのだが「事態が悪化したら代わる」と言われてしまい、1人でなんとかやり切るしかないことを悟った。

言い方は悪いが、害悪なクライアントと頼りない上司に挟まれ私の心はかなり疲弊しきっていた。

毎日夜遅くまで会社で仕事をして、家に着くのは0時頃。

テレビをつけると夜のニュース番組が放送されている時間帯だ。

私はいつも日テレにチャンネルを合わせているので、毎晩news zeroが流れる。

遅すぎる晩御飯を食べながら、news zeroを観るのがお決まりのコースになっていた。

いつも見始めるのは番組の終盤なので、食べ始めて数分後にはエンディングが始まってしまうのだが、その当時エンディングで使用されていた曲がちょうど耳に留まった。

Official髭男 dismの「日常」という曲だった。


エンディングの数秒間で使用されていた歌詞は

「ノルマ以下か以上か日常は今日も計られる」

「スーツでもスウェットでもそれは同じみたいだ」

この部分だったと思う。

きっとサラリーマンに向けて歌った曲なのだろうと理解した。

この歌を夜のニュース番組で使用するということは、私のように毎日ボロボロになりながら何かと戦って、深夜帯に帰ってくるサラリーマンへの励ましソングなのか…?

そんなことに気づいて、一気にこの曲に興味が湧いた。

そこからYouTubeで「日常」を探して
何度も何度も繰り返し聴いた。

前半は、サラリーマンなら誰しも経験したことがあるような「しんどい時期」を過ごしているときの心情が描写されている。

後半にかけて、そんな不器用な自分も受け入れて今日も頑張って生きていこうよ。というオチに持っていく構成の曲だ。

よく見る構成ではあるけれど、
前半は私の日常を歌詞にしたのかと思うくらい共感できる内容だったからこそ、きっと自分もこの歌の後半のように、そんな自分を受け入れて前を向ける日が来るんだ。と思えるようになった。

いつか迎えるその日は、どんな晴々した気持ちになれるんだろうかと楽しみになった。

だからその日を迎えるまでは、
絶対に逃げない。やり切る。と心に誓った。

クライアントは変わらずパワハラだったが
絶対逃げずにやり切る!と約束した自分がいたから、前より打たれ強くなっていた。

朝も夜も、めげそうな時は何度もこの曲を聴いて
自分を奮い立たせた。

そんな日常を過ごしていたら、
あっという間に納品日を迎えることになった。

納品後のクライアントからの連絡はドキドキしていたけど、
「想像以上のクオリティに仕上がったと思います」と言ってもらえたのだ。

この連絡を貰った日は安堵で涙が止まらなかったことを覚えている。

そして、この日まで逃げずにやりきった自分を誇りに思った。

私が乗り越えられたのは間違いなく
「日常」という曲に出会えたからだ。

私はこの先どんな辛い事があっても
頑張って乗り越える自分がいると思っている。

決していい気持ちではなかったけれど、
この経験を与えてくれたクライアントには少しばかり感謝したい。

もし今、昔の私と同じように仕事に悩んでいて
明日が見えないような人がいるなら
是非「日常」を聴いてみてほしい。

明日も少しだけ、
あともう少しだけ頑張ってみるか。

そう思わせてくれるはずだから。

今夜もお読みいただきありがとうございました。

皆さんがいい夢を見れますように。
good night🪄

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