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教室、昼食後の混沌(エッセイ)

壁井ユカコさんの『2.43 清陰高校男子バレーボール部』の中で、食堂の匂いの描写があった。

運動部の各集団が発する汗と土のにおいやら、一部の工業系の部が持ち込んでくるオイル臭やらが飯のにおいと混ざりあって謎の化学反応を起こし、なんだかもう形容しがたいにおいが発生している

2.43 清陰高校男子バレー部 代表決定選編①より

そんな食堂の匂いの描写を読んで思い出したのは、高校生の時のお昼ごはんの後の匂い。

高校では、食堂はなく、パンの自販機が1つあるだけだった為、基本はお弁当持参。けれど、給食の様に同じ昼食を食べる訳ではない為、昼食を食べた後の教室の匂いは、お世辞にも良い匂いとは言えない匂いが漂っていた。

もはや…カオス……(笑)

あれは本当に、何の匂いが主成分だったのだろう。昼食後の授業に来た先生も、窓を開けて換気をしたほどだ。

けれど、何処の教室も昼食後には大体その匂いになっていて、あ〜何処でも一緒なんだな〜何て思っていた。

このnoteを描きながら、私は高校を卒業した今でも、当時嗅いでいた昼食後の教室の匂いを思い出せる。

文字にして何かに例える事は出来ないが、今でも思い出せるという事は、私の中では中々のインパクトであり、ある種の思い出の記憶の一片になっているのだと思う。

あの匂いに出会う事は、この先ないに等しいと思うが、あの混沌たる匂いの先にこうしてnoteに書き消化する日が来るなんて…当時の私には思いつく事のなかった今が、ここにあった様だ。

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