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⑧理想と目標が高いダイエットになってません?

ダイエットは目標がきっちり立てられていないと、途中で断念する可能性が高くなってきます。

目標というのは、
「1年後に体重を10㎏減らす」というように、期間と数字をもって、具体的なゴールを設定する事です。

そうすれば、
・初期
・中期
・後期と
逆算でプランが組み立てられるようになり、フェーズ毎に必要な事が何か?が解ってきます。

ダイエットは計画(戦略)です。

こうやって、出来る限り長期的な戦略を立てて、ダイエットに取り組む事がいちばん良い方法である事は言うまでもないのですが…
多くの人が「2ヶ月で10kgの減量」なんて、カラダに負担を強いる目標を設定しがちです。

ですが正直な話、
断食した場合、単純計算で1日約1.2㎏は体重が減りますので、断食を約9日間行えば、10kgの減量は簡単にクリアする事が出来ます。

うん。シンプルですね。(笑)
私は絶対にお勧めしませんけどね。

断食を9日間続けた場合、どんな事が待っているか?

あなたは約9日間、食事を一切摂らない生活を実行します。
どんな変化が見られるのか?一緒にシミュレーションをしてみましょう。

1日目:
けっこう早い段階で空腹状態が襲ってきます。
『お腹が空いて力が出ないよ…』なんて冗談を言いながらでも、1日目はクリアできるでしょう。

2日目:
体重計に乗ってみると、1kg前後体重が減っている事がわかって、少しだけハッピーになります。
空腹状態も波がありますので「あれ?なんだかイケるかも?」なんて思うかもしれませんね。
さて、今日も1日お仕事をがんばりましょう!

夜、帰宅後、空腹の状態がMAXになり、食べたい!食べたい!という願望が頭をよぎる事でしょう。
でも、食べちゃダメ!という「脳内シーソーゲーム状態」で、ストレスを抱えながら、あなたは何とか就寝する事になります。

3日目:
朝、体重を計ってみると、3kg前後の減量に達成したあなたは、少しだけ達成感を感じるかもしれません。
ですが、鏡を見て覇気のない自分にも気付く事でしょう。
仕事に行くのが億劫…出来れば1日家に居たい。
そんな気持ちを奮い立たせ出勤。
仕事中は、全く集中力が続きません。
あれ?でも不思議とお腹が減ってない…そう思ったら急に食べたくなってくる。
ランチタイムに、皆が笑顔で食事を取っている姿をみると…
あれ?なんでだろう?すごいイライラしてくる。
夕方…
なんかカラダが思うように動かない。
なんか頭痛がしてきた。

4日目:
身体を動かすことが辛くなり、朝から元気が出ません。
なんか、肌のハリがない。目元のクマがすごい…
もう、色々とやる気が無くなっています。
判断力や思考力の低下から、仕事をすればミスが増え、車の運転をすれば事故の可能性が高くなり…
周囲の人達が、あなたに対してイライラしてきます。
「もう食べなよ!」なんて言われるかもしれませんね。
ですが、あなたはがんばっている自分への否定を素直に受け入れられる判断力もなく、意固地になって食べません。

夜、体重を計ってみると、断食開始時から5kg減っていた。
でも、なんでだろう全然嬉しくない…

5日目:
ベッドから起きれない。
カラダが思うように動かない。
さて、これ以上は危険です。
そろそろ止めましょう。

自分でも、これ以上は危ないと思ったあなたは、おかゆなどの回復食を食べ、少しずつ元の食生活に戻していきます。
すると1ヶ月後…10kg体重が増えていた。

高すぎる目標で無理をすると、カラダは簡単に壊れる

断食をすると体内のデトックスが出来る?
断食をすると感覚が研ぎ澄まされる?
断食をするとむくみがとれる?

などなど、様々なメリットが謳われていますが、断食には大きなデメリットも存在します。
筋肉・内臓の破壊やその他組織の形成または再生が行えない状態になる。
ホルモンバランスの乱れ。生理不順。
一時的に減量に成功しても高確率でリバウンドする。

あなたはその身体をこれから何年使い続けますか?

5年?10年?…いやそれ以上使い続けますよね。
「少し身体に無理させただけじゃない?」
「ちょっと食べないだけでしょ?」と思うかもしれません。

ですが、あなたが想像している以上に「食べない」という事は、身体にとって酷い仕打ちだということを忘れないでください。
一時の身体に対しての仕打ちが、何年も何十年もその後の身体の行く末を決めます。

カラダ改善は一過性のものでは解決出来ないのです。

ダイエットは習慣の賜物です。

高すぎる理想や目標は、一夜漬けの勉強のようなモノ。

学生時代、一夜漬けで覚えた歴史上の人物の名前を今でも憶えていますか?
テストのために一時的に勉強した事をほとんど憶えていませんよね。

それとは逆に、あなたが興味を持ち、楽しんで知り得た事はいつまでも記憶の中に残っているはずです。
コツコツと積み上げて、楽しみながら、手にした結果だけがあなたの身体の財産になるんです。

ダイエットにおいては、長期的な戦略を立てる事を本当にお勧めします。徐々に徐々に、自分のカラダを慣れさせながら、食生活の改善や適度な運動を取り入れていきましょう。

ですが、勘違いして欲しくないのは、
私は、断食をただ否定したい訳ではありません。
人には人の特徴がありますから、断食があなたにとってピッタリの方法である可能性だって否定は出来ませんので。
※ただし、断食をする際は、専門家の指導の下、正しいやり方で取り組んでください。

断食以外のどんなダイエット方法であっても、
それによって「体内で何が起こるか?」を知ろうとしてください。
その結果、体重が減るという現象と共に、何を犠牲にしているのか?を知ってください。

それを理解した上で『実行する・実行しない』を、あなた自身の責任で判断するようにしてください。
最終最後はあなたの選択と決断ですからね。

いきなり高い目標を設定し、それに合わせて体重をコントロールするのは、アスリートのやる事ですね。
アスリートの方々だって、それがいきなり出来るようになった訳じゃないですよ。
若い時から鍛錬を重ねつつ、それが自分の当たり前になっている感覚があるから出来る事です。

目標は半年から1年のスパンで設定し、一定期間で効果測定を行い、見直しをかけ、内容を更新していくことをおすすめします。

高すぎる目標は目標とは言いません。
「無茶」ですよ。


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