映画:フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編
現在上映中の、アートドキュメンタリー『フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編』を見に行った。
この説明文を見て、展覧会に行った気分になれるか、と期待したが、そんな感じではなく、作品が大写しになった後、詳細説明が入る、というパターンが延々と続く、よくあるアートドキュメンタリーの作りだった。
大きな画面で見られるのは迫力があるし、細部もよく見えるし、英語のリスニングにも良かったが、やはりこういう内容はビデオで巻き戻したりしながらゆっくり見たいな、という気がした。
いくつか勉強になった点や気になった点など、すぐに忘れてしまうから、ちょっとメモしておこうと思う。
・フェルメールの妻の実家は裕福、パトロン夫婦もいたので、生活には困らなかったが、晩年(といっても、40代前半でなくなっている)は困窮。理由はオランダが戦争によって経済が停滞、絵が売れなくなってしまったからである。
・「小路」(デルフトの街並みを描いた作品、「デルフト眺望」ではない方)、扉や子供たちは後からつけたした、とかいろいろ詳細説明があった。
・デッサンは一枚も残っていないので、作成の方法として、おそらく、まず大まかに下書き→上に塗り重ねていく→全体を見て手直しの順だったのではないか。
・フェルメールの本業は画商
*え?居酒屋兼宿屋じゃないの?と思って調べてみたら、店も画商も父の跡を継いだらしい。
・フェルメールはもともとプロテスタント。妻や妻の実家はカトリックで、住んでいる場所もカトリック信者がおおっかたので、フェルメールもカトリックに改宗した。
*「改宗しただろう」という話は聞いたことがあるが、決めつけていいのか?最近裏付ける資料とかが見つかったのだろうか?と思って調べたが、研究が進んでいることは確かだけど、決定的な証拠のようなものは出ていないよう。
・単なる風俗画ではなく、宗教画と思われるものも、解釈によってはあり。
たとえば、「真珠の首飾り」は、受胎告知をあらわしている!?
*初耳!と思ったが、以前読んだ本「フェルメール全点踏破の旅」(朽木ゆり子)にも、最近読んでいる別の本にもそんな話(まあ、そういう説もある、という感じだが)出ていた。全然覚えてないな。(笑)また読み返さないと。
この「アート・オン・スクリーン」のシリーズは、今までも何度か上映されていて、興味のあるものばかりだったが、いつも行けないうちに終わってしまった。
今回も危なかったが、前売りを買ってしまったのでねじ込んだ感じ(笑)
ともかく行かれてよかった!
ちなみに今までのシリーズは、こんな感じ。
AOSシリーズ1 (2018年公開)
「ミケランジェロ:愛と死」(MICHELANGELO)
「私は、クロード・モネ」(CLAUDE MONET)
「フィンセント・ファン・ゴッホ:新たなる視点」(VAN GOGH)
AOSシリーズ2 (2021年公開)
「天才画家ダ・ヴィンチのすべて」(LEONARD:THE WORK)
「ピカソがピカソになるまで」(YOUNG PICASSO)
「フリーダ・カーロに魅せられて」(FRIDA KAHRO)
AOSシリーズ3 (2023年公開)
「ルネサンスの巨匠 ラファエロのすべて」(RAPHAEL REVEALED)
「ピサロ ―印象派の父」(PISSARRO:FATHER OF IMPRESSNIONISM)
「ゴッホ『ひまわり』に隠された謎」(SUNFLOWERS)
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