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デ・キリコ展 in 東京都美術館

もうだいぶ日にちが立ってしまったが、先月、東京都美術館で開催中の「デ・キリコ」展に行ってきた。

8月29日(木)まで。
*休室:月曜日
※ただし、8月12日(月・休)は開室
*巡回情報:神戸市立博物館 9月14日(土)~12月8日(日)

知名度や人気度を考えると、大混雑にはならない展覧会だとは思うが、「土曜・日曜・祝日及び8月20日(火)以降は日時指定予約制(当日空きがあれば入場可)」となっているので、そのころに行かれる方は事前のチェックをした方がいいかもしれない。

急に出かけたので、サイトもあまりよく見ていなかったが、たまたま前日に、録画しておいたTV番組「今、この謎に出会う。巨匠デ・キリコの魅惑 世界を虜にした天才画家の大回顧展へ」で、山田五郎さんの解説を聞いていたのでとてもよく分かった。
会場の解説も詳しいが、作品数も多く、必ずしも時系列に並んでいないので、それだけですべて理解しようとすると難しいかもしれない。

イタリア人の両親のもとギリシャで生を受けたジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。
1910年頃から、簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法、脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常を表した絵画を描き始めます。
後に「形而上絵画」と名付けた1910年代の作品は、サルバドール・ダリルネ・マグリットといったシュルレアリスムの画家をはじめ、数多くの芸術家に衝撃を与えました。
1919年以降は伝統的な絵画技法に興味を抱くようになり、古典絵画の様式へと回帰していきます。それと同時に以前の形而上絵画の題材を取り上げた作品も頻繁に制作するなど、90歳で亡くなるまで創作を続けました。

サイトより


館内は撮影不可だったので、当日は落ち着いて鑑賞できて、充実感があった。
が、一方で時間がたってしまうと記憶があいまいになって、記事を書くのに難儀している。サイトやメモなどを参考になんとか思い出してみる。
なお、作品はすべてネットから。

全体構成
LBF SECTION1、SECTION2(1~2),TOPIC1,ビデオ1
1F SECTION2(3)、TOPIC2,SECTION3,ビデオ2、年表
2F SECTION4,TOPIC3,SECTION5
*ビデオ1:ミラノ、フィレンツェ、トリノ、フェラーラ
*ビデオ2:ローマ

SECTION 1 自画像・肖像

《17世紀の衣装をまとった公園での自画像》1959年

森村泰昌さんかと思ったわ~。

SECTION 2 形而上絵画

デ・キリコは1910年代に、簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法や脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常や、神秘、謎を表した絵画を描き始めます。
ニーチェの哲学に影響を受けたその作品群は、後に自ら「形而上絵画」と名付け、シュルレアリストなど多くの芸術家に衝撃をあたえました。

サイトより

1.イタリア広場

1910年にフィレンツェに移ったデ・キリコは、ある日、見慣れたはずの街の広場が、初めて見る景色であるかのような感覚に襲われます。これが形而上絵画誕生の「啓示」となりました。

サイトより


《バラ色の塔のあるイタリア広場》1934年頃


2.形而上的室内

《福音書的な静物Ⅰ》1916年

不思議な作品だけど、クッキー(?)が気に入った。

《「ダヴィデ」の手がある形而上的室内》1968年


3.マヌカン

デ・キリコは「形而上絵画」において、マヌカン(マネキン)をモティーフとして取り入れました。これにより、古典絵画において重要なモティーフであった人物像を、他のモティーフと同じモノとして扱うことが可能となりました。マヌカンはしばしば、謎めいたミューズたち、予言者や占い師、哲学者、はたまた自画像など、様々な役割を演じています。

サイトより

キリコと言えば、この卵のような頭部を思い出す。

《予言者》1914-15年
《南の歌》1930年頃


SECTION 3 1920年代の展開 

1920年代、デ・キリコは従来のマヌカンに加え、新たな主題にも取り組みます。その新しい主題のひとつが「室内風景と谷間の家具」です。これらの作品では、海や神殿、山々など、本来は外にあるはずのものが天井の低い部屋の中にあり、逆に屋内にあるべき家具が外に置かれており、ちぐはぐで不穏なイメージを作り出しています。

サイトより
《谷間の家具》1927年

外に家具なんて、異様にも思えるが、実は、キリコが生まれたギリシャでは、地震が起きると家具を外に出したそうで、実際に目にした光景からヒントを得ているとか。

SECTION 4 伝統的な絵画への回帰:「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ

デ・キリコは1920年ごろから、ティツィアーノラファエロデューラーといったルネサンス期の作品に、次いで1940年代にルーベンスヴァトーなどバロック期の作品に傾倒し、西洋絵画の伝統へと回帰していきます。
過去の偉大な巨匠たちの傑作から、その表現や主題、技法を研究し、その成果に基づいた作品を描くようになります。

サイトより
《風景の中で水浴する女たちと赤い布》1945年

古典絵画に影響を受けた、というイメージはあるものの、独特の世界観は健在。

ルノワールに影響を受けた<横たわって水浴する女>という作品もあって、載せたかったのだが、ネットでは探せなかった。残念!


SECTION 5 新形而上絵画

1978年に亡くなるまでの10年余りの時期に、デ・キリコは、あらためて形而上絵画に取り組みます。それらは「新形而上絵画」と呼ばれ、若い頃に描いた広場やマヌカン、そして挿絵の仕事で描いた太陽と月といった要素を画面上で総合し、過去の作品を再解釈した新しい境地に到達しています。

サイトより
《オデュッセウスの帰還》1968年

この作品の中には、家具とか、過去の作品とかが含まれていて、さらに船に乗って新しい世界に漕ぎ出そうとしているとか。(だからドアも開いている)。1968年の作品と言うから、キリコ、なんと80才!

何度も出てくる「形而上絵画」という言葉、ちゃんと説明した方がいいのか、といろいろ調べてはみたが、どうもしっくりとくる説明がない。
「キリコのような少し不思議な絵画」が形而上的絵画だよ~というのが一番ふさわしいかもしれない。

さて、鑑賞を終えて、どなたかが記事に書いていらしたこと「東京都美術館は、形而上学的美術館」を体験することになる。

なるほど、椅子の色が1脚ずつ違っていたり、柱がローマ風だったり♪


コラボメニューに惹かれ、1Fのカフェ「アート」に入ってみた。

どの辺がコラボなのかよくわからなかったが、おいしかった♬

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