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『美しきシモネッタ展』in 丸紅ギャラリー 

東京・竹橋の丸紅ギャラリーで開催中の『美しきシモネッタ展』。
何かのついでに行けるだろうと思っていたら、閉会が迫ってきてしまい慌てることに。ようやく先週の金曜日に行ってきた。
開催は明日、1月31日(火)まで!

丸紅ギャラリーは初めてだったが、竹橋からすぐ。
ビルに入るとまずはでっかいシモネッタが出迎えてくれた。


3Fに上がると、極寒の平日の割には意外と混んでいる。
数少ないロッカーも満杯だったが、受付でコートを預かってくれた。
入館料の500円の支払いは、現金は不可で、カード(SUICAなどもOK)やスマホ決済になる。

初めのほうに、丸紅やギャラリーについての説明がいろいろ書いてあったが、スルーして、シモネッタ展示会場へ。

会場はほぼ一部屋分。
作品は、ボッティチェリの『美しきシモネッタ』一枚だけである。
作品は1点でも、時代背景などが分かる説明や、他の作品のパネル展示なども豊富で、予想よりも充実した展示内容だった。

①フィレンツェ、ボッティチェリ、シモネッタについての説明

当時のフィレンツェは、ルネサンス真っただ中の華やかな時代。

フィレンツェの「比類なき」美、シモネッタ
《美しきシモネッタ》を描いたルネサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェリは、イタリアのウフィツィ美術館にある《春》や《ヴィーナスの誕生》を描いた画家として有名です。
それらの絵にも描かれているシモネッタは、1453年にジェノヴァ共和国の富裕な商人の娘として生まれ、アメリゴ・ヴェスプッチの親戚であるヴェスプッチ家に嫁ぎ、フィレンツェに住みます。彼女は、その美しさから馬上槍試合の勝者に兜を渡す女神役に選出されるなど公的に知られる存在となり、時の人となりました。しかし、惜しいことに1476年、彼女は肺結核を患い帰らぬ人となりました。彼女は死後も、ボッティチェリをはじめ多くの画家や詩人たちによって描写され、その「比類なき」美は後世まで伝えられました。

サイトより

②シモネッタを描いた画家たち

ダヴィンチ<女性の頭部>
ボッティチェリ
ピエロ・デ・コジモ<シモネッタ・ヴェスヴィッチの肖像>
この辺はパネル展示。

シモネッタの肖像画について
現時点でシモネッタを描いたといわれるボッティチェリ作(工房作含む)の肖像画は、東京の丸紅株式会社が所蔵している作品のほかに、世界に5点ほどあります。フランクフルトとベルリン、ロンドンとオックスフォード、それにフィレンツェにあるものです。そのうち本展では、東京の絵とフランクフルトの絵、そしてオックスフォードの素描の3点をパネルによって比較しています。
なお、《美しきシモネッタ》というタイトルは日本の美術史家・矢代幸雄が著した大著『サンドロ・ボッティチェルリ』第2版(1929年刊行)の中の文章に準拠しています。

サイトより

③美しきシモネッタの来歴

この絵は1808年にイタリアのボローニャで再発見されて以来、フランス、イギリス、ドイツ、そしてまたイギリスへと延べ5か国を経由し、1969年に丸紅がイギリスから輸入して日本にやってきました。
ボッティチェリのすべての作品のうちで19世紀初めまで遡って来歴を辿れ、しかもその当時の銅版による復刻画が残っているのは非常に珍しいことです。本展では来歴に関わるそうした貴重な資料類も展示しています。

サイトより

この辺りは詳しく説明されている。
1809年、画商ル・ブラン(マリーアントワネットの肖像画を描いた、ビジェ・ル・ブランの夫)が購入。ただし、当時、ボッティチェリは忘れ去られていて、チマブエ作となっている。
1892年、イギリス、1914年ドイツへ。
1943年、ヒトラーが接収。
1966年、元の持ち主ノマ夫人に戻される。
1967年、サザビーズのオークションに出される。
1969年、丸紅が「アートギャラリー」開設のため購入

その後、真贋論争が起こるが、2015年に決着。

④作品展示

『美しきシモネッタ』by ボッティチェリ

絵葉書でも十分な美しさだが、実物はほんとに素晴らしい。
人物も装飾品も衣装も、細かいところまで隙がなく描かれている。

装飾品の種類(ルビー、エメラルドやサファイヤ、パール)や、横向きであることから、婚約や結婚を記念して描かれたものであることが分かる、という説明もあった。


⑤シモネッタをモデルにしたボッティチェリの名作

19世紀後半の美術評論家ジョン・ラスキンは、ボッティチェリの描いた絵のほとんどの女性は同じモデルを使用していると指摘しました。確かに、《プリマヴェーラ(春)》や《ヴィーナスの誕生》、《ヴィーナスとマルス》に描かれている女性たちの顔は、マンガのようにキャラクター化され、同一の女性を描いたのではないかと感じられます。丸紅所蔵の絵はシモネッタの生前に描かれた可能性がある唯一の肖像画ですが、その他の絵に登場するシモネッタはパターン化されているように思われます。丸紅の絵のシモネッタが身に着けているデザインの宝石ペンダントは、その他の絵の中のシモネッタにも再三登場しています。

サイトより

⑥シモネッタゆかりの地
ここでは写真の展示など。

シモネッタの生まれた場所については現存する記録資料がないため特定できていません。ジェノヴァ市内、同市の南にある港町ポルトヴェーネレ、そしてポルトヴェーネレの少し北にある町フェッツァノという3つの説があります。ちなみにポルトヴェーネレとは「ヴィーナスの港」という意味です。イタリアの伝説によると、波間の白い泡から生まれた愛と美の女神ヴィーナスは、ある春の日、大きな帆立貝に乗って、輝くような裸身を波の上に現わしました。この愛の美神が最初に漂着したと言われているのが、ポルトヴェーネレでした。同地域一帯は現在でもロマンティックな人々の隠れた観光スポットになっています。

サイトより

⑦影響を受けた画家、作家、音楽家など
過去の作家だけでなく、アンディウォホールなど現代作家も影響を受けている。


作品が1枚だけというので、20~30分で見られるかと思いきや(そのくらいで済ませることも可能)、久々にメモを取りたくなったり、何度も作品を繰り返し見たりして、50分ほど滞在することに。

同じ階のレストランは、まだ11時台というのに長蛇の列。
でも、もう少し雰囲気を味わいたい気がして列に並ぶ。

コラボメニューのジェノヴェーゼ

お魚だけでなく、海老やムール貝も乗っていて、満足。
お安くはないけど、チケットの半券を見せると10パーセント引きになった。

この展覧会を知ったのは、NOTEの記事がきっかけだった。
何人かの人が書いていらしたので全部は追えないけど、特に役に立った記事を紹介しておこう。

予習に。


復習に。


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