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六送会について思う事徒然(娘の気持ちとコロナ禍での学校について思う事)

小6の娘が「六送会に出たくない。休みたい」と言ってきた話。

今回は、「どうして娘が六送会を休みたいと思うようになったのか」と、「コロナ禍って子供の学校教育に物凄く影響しているんだな」と改めて思ったという記事を書いていきます。

前回は、「出たくない。休む」と言っていた娘が、担任の先生のフォローもあって「行く」と気持ちが変わり、「信頼できる先生の存在って大事だな」と思ったという記事を書きましたので、ご興味がある方は読んでみて頂けたら嬉しいです。

コロナ禍の学校生活

娘はコロナ禍での3年間「集まるな」「静かにしろ」と散々言われてきました。このご時世ですし、それは、どの地域のお子さん達も同じだと思います。

娘は、この3年間で3年生から6年生になりました。9歳から12歳までの学校生活。この3年間での学校生活の「当たり前」は「集まるな」「静かにしろ」なのです。

給食は「黙食」
運動会も種目を減らし午前中で終了。親も自分の子供の学年の種目だけ見てすぐに帰るように言われていました。
マラソン大会も学年ごとに日にちを分けて行われ、親が応援しに行くことは中止になりました。

再開された授業参観も、学年ごとに日にちを変えて行われ、
出席番号の前半の子の保護者は○時間目、後半の子の保護者は○時間目、というように大人数にならないように配慮されていました。

常にマスクを着用し、体育の時だけ「外していいよ」と言われるけれど、実際に外している子は少ないそうです。

地域によって多少違うかもしれないけれど、少なくとも私が住んでいる地域の公立小学校では、上記の対応がこの数年間の「学校生活での当たり前」でした。

学校での「当たり前」の変化

子供たちは、そういう学校生活を送ってきたわけなんですが、今回の「卒業生を送る会」は、体育館で、全校児童が集まって行われたそうです。

担任の先生と話の中で
「今の6年生って、体育館で六送会をやるのが2年生のとき以来なんですよ」
との言葉があり、私もハッとしました。

今の6年生が、体育館に全校児童が集まって大きな催し物をやった経験は、2年生の六送会が最後だった事。
3年生の時の六送会は一斉休校のために直前で中止になった事。
1年生と2年生の時の六送会の記憶なんてうろ覚えで、ほとんど無いという事。

4年生、5年生の時の六送会は、あらかじめ各学年の演目をビデオ撮影して、各教室でその映像を見る形式で行なった事。

つまり、先生達や保護者達にとって「少しずつ元に戻った」「マスクはしてたとしても、やっと体育館で全校児童が集まって六送会が出来る」
と感じていたとしても
子供達にとっては「初めての六送会というイベント」だと言っても過言ではなかったのです。

娘の気持ちを想像して言語化してみる

娘の心は、言ってみればパニック状態だったのかもしれません。

今まで、集まる事を禁止され大きな声も出すなと言われてきたのに。

娘の気持ちを想像して言語化しますと大体こんな感じでしょうか。

今年は急に「体育館に全校児童が集まってイベントをやる」と言われた。
何百人もの前に立つのか!!凄く緊張する。

演目は合唱。
先生には大きな声で歌えと言われる。
今まで大きな声を出すなと言われてきたのに。しかも、マスクで声がこもるから、更に大きな声を出すように先生に言われる。

合唱だから一人でステージに立つわけじゃないけど、たくさんの人の前で歌えるか緊張する。怖い。

頑張って大きな声を出しているつもりだけれど、練習で
「声が小さいぞ」
「それでも最高学年か!!」
と檄を飛ばす先生がいて、何だかそれも怖い。
何百人もの前に出るのなんて ほとんど初めてでドキドキしてるのに「それでも最高学年か!!」って言われても困る。

何だか、言われていることがもう分からない。何で怒られながら練習して歌わないといけないのかな。

もう六送会なんか出たくない。
学校行きたくない。
休みたい。

そういう感じでしょうか。

子供の3年間は大きい

9歳から12歳まで。
子どもの3年間は大きい。
コロナ前の「元の生活」の「元」なんて、うろ覚えなんですよね。

「集まらない」が「普通」だったのに。
「大きな声を出さない」が「普通」だったのに。

大人は勝手にルールを決めて、ルールを変えて、その変化に子供の気持ちがついていずに、ちょっとでもモタついたら「ルールに従わない」「ワガママだ」と怒る。

これは、休みたくなる子がいても無理はない事なのではないでしょうか。

娘の担任の先生は
「初めて挑戦する事で見通しが立たないのは、大人でも不安になりますから」と言って、本番がどういう流れで進んでいくかを娘に細かく説明してくれました。

1年生と2年生の時の曖昧な記憶での六送会はノーカウント。
今年が、娘や6年生達にとって、初めての、全校児童で集まる六送会。先生もそういう風に捉えてくれたのだと思います。

「気合い」で片付けていい事じゃない

今回の出来事は
「たるんでる」とか「気合いが足りない」とか「ワガママだ」とか、そういう事じゃないな、と改めて思いました。

担任の先生が、娘の心に寄り添ってくれる人で、ホントに良かった。
「ぴょん子ちゃんみたいに思っている子は、たぶん他にもいると思います」と言ってくれた事。私も、娘だけじゃなくて、程度の差はあるかとは思いますが、混乱している子供達はたくさんいるのではないかと思いました。

3年間、大人の指示に従って、コロナを蔓延させないように頑張ってきた子供達が
変化に戸惑い、混乱の中にいることを
「気合が足りない」とか「たるんでる」で片付けて良いはずがないと思います。

子供達には「いっぱい頑張ったね」と拍手を送りたい。

変化に心がついていけず、混乱している子供達がいたら、
「たるんでる」じゃなくて
「いっぱい頑張ってくれてありがとう」と、思いっきりハグして寄り添ってあげる大人が、いっぱいいて欲しい。

こういう先生が、こういう大人が、世の中にたくさん居てくれますように。

きっと、戸惑いの中にいるのは、うちの子だけじゃないはずだから。

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