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自己信頼・他者信頼

「人の悩みや不安の9割以上は人間関係の悩みである」
アドラーさんの言葉は、以前にもご紹介しました。

人間関係は面倒くさいモノです。
同時に、人が人として生きていく上では必要不可欠で、楽しいモノでもあります。
けど、その関係構築が難しくて常に悩みを抱え、生きづらい人がたくさんいます。

何故そうなってしまうのでしょう?
そこに「コミュニケーション」があるからです。

コミュ障なんて言葉を聞くようになってだいぶ経ちますが、人は誰でも大なり小なりコミュニケーションで失敗したことはあるはずです。
更に言うなら、日本人ってそもそもコミュニケーションが苦手、とも言えるでしょう。

良い人間関係を構築するために必要なコミュニケーションには3段階あると言われています。
これをクリア出来れば、正しいコミュニケーションが取れて良い人間関係が構築出来るというモノです。

その3段階とは「自己信頼→他者信頼→他者貢献」です。
この段階を踏んで行ければ良い人間関係が構築出来るわけですが、日本人はその大前提となっている第1段階の自己信頼が出来ていない方が多いため、コミュニケーションが苦手となっていると考えています。

以前にも書きましたが、今を生きている日本人全ての世代でほぼ共通して受けている躾があります。
それは「他人に迷惑をかけない」というモノです

友達を大切にしなさい、他人様に迷惑をかけないようにしなさいと、ほぼすべての世代で言われて来ているはずです。
もちろんそれは大切なのですが、同時にこれも伝える必要があると思ってください。(特に今、子育て真っ最中の方は実践して下さい)

「まず自分を大切に、自分に優しく出来るようになる」

これが欧米での躾と日本での躾の大きな違いとなっています。
自分を大切にするとは、そのままの自分で良い、そのままの自分を受け入れるということです。
出来ないことなどがあっても、それも今の自分として受け入れていく。
子供の頃ならそれを親がしてあげることで、自己信頼・自己肯定が出来る子供へと育って行きます。

何か出来ない事、苦手なことがあったとしてもそれを親が「何でそんなことも出来ないの」ではなく「これから出来るようになれば良い。一緒に頑張ろう」と言ってあげられたら、出来ない自分が居ても良いと思える子供になって、さらにそれが出来るように頑張れる子供にもなっていけます。

ですが日本ではとにかく「他人優先」というしつけのみに終始してしまうため、自分を後回しにする癖がついてしまう訳です。
その行き着く先が「アダルトチルドレン」ということになります。

アダルトチルドレンは自分を犠牲にしてでも他人を優先する、この3段階で言えばはじめの2段階をすっ飛ばしていきなり3段階目をしようとするため、人間関係が構築出来なくなっているわけです。

自己信頼が出来るようになることで「自分はそれで良い」と思えるようになり、2段階目である「あなたの言うこともそのまま受け入れられる」他者信頼が出来るようになって初めて、3段階目である「私はあなたのために○○をしてあげたい。それは私のためであり、それが私の喜びであって、あなたに何も報酬を求めない」他者貢献が出来るようになります。

ですが1段階目が出来ていないということは自分自身に考えに懐疑的であり、否定的であるため自分が相手にかける「コトバ」に対しても、懐疑的になってしまう。
すると相手から掛けられる言葉に対しても懐疑的、否定的に受け止めてしまうため「本当にそう思っている?」と相手を疑うことになっています。
これでは良い人間関係など築けないことが、容易にお分かりいただけると思います。

まず第1段階である「自己信頼」が出来るようになる、そんな子供を育てることを意識してみて下さい。

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