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心療内科?カウンセリング?

カウンセリング関連のサイトなどを観ていると「心療内科に行った方が良いのか?カウンセリングに行った方が良いのか?」という質問を見かけます。

これは現状、心療内科や精神科の初診予約が取り難いということがあったり、やはりまだまだどちらもハードルが高いと感じている方が多いことからこのような質問が出て来ていると考えています。

実際、私のところに来られる方でも「心療内科の初診予約を取ろうとしたんだけど3か月先と言われて…」と言われる方は結構多いんです。
それだけココロの病に罹っている方が増えている、という現状があることが分かります。

そこで最初の質問の答えですが、これは「両方とも必要」ということになります。
これはそれぞれの役割が違うから、両方とも必要ということです。

心療内科や精神科と他の診療科目、例えば外科や内科との大きな違いはその病気の大元にアプローチするかしないか、というところにあります。
外科であれば怪我をした個所を治療する、或いはガンやその他の病気でもその病巣を手術等によって取り除く、小さくするという治療がなされます。

同じように内科でも病気の元に効く薬を使ってその病気そのもの、ウィルスなどに直接アプローチして、治すことが可能です。

ですが心療内科や精神科で行われる治療は「対症療法」で、「不安で眠れない」というような方には薬によって睡眠が取りやすくなるようにする、或いは不安になりにくくするようにする、という治療を薬によって行いますが、その病気の元、例えばうつ病にしても適応障がいにしても、その病気の大元は「悩み」やその悩みを作り出す「ストレス」で、そこに直接アプローチ出来る薬は今のところありません。

病気の元が悩みやストレスであれば、その問題を改善するのは心理カウンセリングやセラピーということになる訳です。

その悩みが作られるのは主に人間関係によるものが多く、何故その人間関係に問題が出てくるかと言えば、その人の生き方(性格・個性・価値観)に問題があるためですが、そこを改善するために効く薬というモノはなく、カウンセリングやセラピーによってその人の生き方の問題について一緒に見つけ、向き合いながら改善していくことが必要になります。

それらをスムーズに行うため、投薬治療で少しでもココロを安定させることも大切になる訳です。
これらの理由から「心療内科・精神科」も「心理カウンセリング」も、ココロの病に関してはどちらも必要となります。

つまり、どちらか片方だけでは治療として片手落ちになっているだけでなく、問題の改善も遅れてしまい結果的につらい生き方を続けることで、余計にその病を重くしてしまうことにもつながってしまいます。

「心療内科に通っているんだけど、医師が悩みを聴いてくれない」と訴えられる方をたまに見かけますが、それはこの「役割の違い」によるもので初診ではある程度時間を取って話を聴いてくれる医師もいますが、2回目以降は通常の内科と同じように患者さんの状況や状態を確認しながら「薬の効き具合」や「その薬が合っているかどうか」を聴いて、その分量や時には薬を変えるといった「治療」がメインとなります。

この「役割の違い」をしっかりと理解して、病院とカウンセリングの両輪をうまく利用することで、ココロの病を乗り越え、ココロを回復させ問題を改善して、より良い生き方が出来るようになっていきましょう。

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