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2019年10月の記事一覧

10/29 ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ『ニンジャスレイヤー 開戦前夜ネオサイタマ』を読んだ

面白かった。 ニンジャスレイヤーが……負けた……! 今巻は単独完結エピソード以外は苦い戦いが多めだ。スシ回だけが癒し。話題になっていたエピソードだけにとても面白かった。「なまじ普段はサツバツたる闇社会において発揮されるがゆえに闇の色に馴染んで見えたニンジャのニンジャ性は、明るい市民社会の中にあって一層どす黒く鮮烈な影を落とす!」はけだし名文だと思った。レッドハッグの初登場エピソードも読めた。ビジュアルなどからナンシーを武闘派に振ったようなクールビューティ系だと思っていたけど、

10/26 汀こるもの『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』を読んだ

面白かった。 ネット炎上を舞台にした事件小説。1年半前に出ていたものだが、扱われる炎上案件を見ながら脳裏には今現在現実上ネット上で起きている炎上案件ばかりが思い浮かぶ。1年半くらいじゃ人間は変わらないということかもだが、向こう10年は時代性を保ったまま読めるんじゃないかという気はする。現実を参照しながら読むのでスイスイ読めるし、もっとずっと読みたい!となってしまった。けど続編は出てないんだな。需要もネタも無限に出てきそうなのに。作者が消し炭になってしまうだろうか。

10/23 岩井勇気『僕の人生には事件が起きない』を読んだ

面白かった。 ラジオをふだんから聴いているので、文章もそのときの声と口調で脳内再生され、読むラジオとしてとても面白かった。実際ラジオで話していたことも載っており、それはそれであらためて文章で読むことの楽しさもあった。文章などほとんど書いてきてないとのことだが、それでこれだけ面白く書けるばかりか、話してる様さえ脳に浮かぶというのだからおそろしい。 タイトルの通り、書かれていることはほとんど傍目には大した出来事は起きていないことばかり。それでもこんなに面白いのは、そもそもこの世の

10/22 円居挽『キングレオの冒険』を読んだ

面白かった。 円居挽という作家さんのことは、最近はもっぱらツイッターなどでその発言を拝見していたりしてたけど、FGOのライターとして参加したあたりをきっかけに、オリジナルの作品も読んでみようと思い購入してみたわけだった。が、実はその名を目にした初めの時というのはもっとずっと前に遡る。いまはむかし、はるかはるかとおいところにかつて存在した『パンドラ』という文芸雑誌に、デビュー直後だか直前だかの読切が掲載されていて、それを読んでいたのだった。確かそれが後に『ルヴォワール』シリーズ

10/19 川上稔『境界線上のホライゾンⅩ〈上〉』を読んだ

面白かった。 明らかになる創世計画の実態。全ての関係が消える……えっ、そういう計画だったんだ?なんか地の文でさらっと説明されたが。いや、前巻で説明されてたかな。ちょっと思い出せない。まったく分厚い本とか大好きなのに、内容を覚えておける頭脳が無い。致命では? 十本槍の秘密も明らかに。未来の子かー。なんとなく予想してたような、いや思いもよらなかったような。その記憶さえあいまい(致命では?)。似てるっていうか対応したキャラ多いなとか思ってた気はする。 でも、確かに、そうか。福島や人

10/14 宇野朴人『七つの魔剣が支配するⅣ』を読んだ

面白かった。 進級し、授業がレベルアップし、個々人がレベルアップし、景色が拡がって闇が深まる2年生編。いろいろ驚きや発見はあれど、とりわけ、初めてナナオに完全敗北を与えたアシュベリー先輩の印象が色濃い。あんな、主人公に挫かれるために積み上げられたとしか思えなかった高慢ちきが、まさにその高みに相応しき激熱メチャカッコ絶技を繰り出してくると思わないじゃん。子機分離からの再合体超高高度直滑降突撃とか一瞬でイメージがハリポタからスパロボに変わらざるを得ない。これにはナナオ同様感服した

10/11 宗田理『ぼくらの秘密結社』を読んだ

面白かった。 女傑・城山ひかるを新たに仲間に加え、作りかけで会社が潰れたのでそのまま放置されていた廃ビルも手に入れ、要塞化して、外国人を密入国させる闇ビジネスを展開するヤクザを誘い込んで返り討ちにする。ぶっちゃけ廃ビルに目を着けた時点で既に勝ちパターンに入ったなという気はしていた。ぼくらに地の利を与えたらもう終いよ。敵ヤクザ組織も殺し屋雇っていたり、実際何人か始末してたりと物騒なんだけど、ぼくらのペースに持ち込まれあっさり敗北。ただし、ぼくらに潰せるのはせいぜいが殺し屋どもの

10/10 珪素『異修羅Ⅰ 新魔王戦争』を読んだ

面白かった。 なんかめっちゃヤバいヤツらがめっちゃ出てきてヤバい、みたいな評判を聞いて面白そうだったので買ってみた。なるほど評判に違わぬヤバさぶりと出てきぶり。何人かは“彼方”と呼ばれる、どうやらこの世界、地球とか戦車とか柳生とかがある”この世界”からやって来ているようなのだけど、こんなにヤバかっただろうかこっちの世界。”彼方”がほんとにこちらの世界なのか、”客人”たちは皆同じ”彼方”からやって来たのか、疑わしいところだけど、これから明らかになってくれると嬉しい。 詞術の設定