10/11 宗田理『ぼくらの秘密結社』を読んだ

面白かった。
女傑・城山ひかるを新たに仲間に加え、作りかけで会社が潰れたのでそのまま放置されていた廃ビルも手に入れ、要塞化して、外国人を密入国させる闇ビジネスを展開するヤクザを誘い込んで返り討ちにする。ぶっちゃけ廃ビルに目を着けた時点で既に勝ちパターンに入ったなという気はしていた。ぼくらに地の利を与えたらもう終いよ。敵ヤクザ組織も殺し屋雇っていたり、実際何人か始末してたりと物騒なんだけど、ぼくらのペースに持ち込まれあっさり敗北。ただし、ぼくらに潰せるのはせいぜいが殺し屋どもの親分までであり、その上でビジネスを取り仕切るような巨悪には届かず、というバランス調整のようなこともされている。
この頃のぼくらはある意味円熟期と言えなくもない。高校生になってできることがだいぶ増えてきて、安永や日比野や谷本など、専門に特化した子らはこの上なく心強い。
また、英治の両親が息子たちの活躍に協力的になるなどの変化もある。父親がサラリーマンをリストラになって家族経営の会社を立ち上げて、腕っぷし一つでやっていかなくちゃならなくなったからか。英治も両親に活動を報告したりなど、関係性は良好だ。受験まであと半年くらいの筈なんだけど、そう厳しく言ったりもしてないし。
あと、いつの間にか、英治たちが携帯を持っていた。いつの間に……。この頃(1994年)って一般的な高校生への携帯普及率ってどんなもんだったんだろ。でもイエ電を活用してるシーンや、携帯ではなくトランシーバーで連絡してるシーンなどもまだあり、ちょっとその辺はファジーな感じだ。
ラスト、とうとうひとみからの好意が伝えられ、関係が一歩進展するが、俺の記憶だと、確か次回の話で後輩から告白されてたんじゃなかったかな、英治。それはどうなっていったのかまでは忘れているので、楽しみにしておく。
ちなみに今回の相原カワイイポイントは、基本アイデアマンが英治、それを実行に持って行くのが相原という立ち位置の中で、珍しく相原が英治も思い寄らなかったアイデアを出し、それを英治に褒められて照れて微笑むところ。カワイイ。

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