見出し画像

アトピー周辺知識12: 脚気

 このnoteはアトピー性皮膚炎についての記事のみを扱うはずであるのに、内臓と栄養素の話しかしていないな、と思い始めた昨今である(たまに経済や遺伝子の話もしていた)。

 ついでという訳ではないが今回は歴史の話を纏める、というより幾つかリンクしておく。またグルテンフリー・クッキングに凝りだして若干記事作成が面倒なので今回は低カロリーに。


 「新型栄養失調」などとあたかも最近になってから起き始めた事のように言われるものだが、実の所遠い昔から何百年も繰り返している事のようである(敢えて言い換えるなら「栄養偏重」とでも言おうか)。そしてアトピー(江戸時代においては「雁瘡(がんがさ)」)についても同様の様だ。…人は過ちを犯し剰え繰り返すものだが、組織においてはそうであって欲しくないものである。

 因みに日本人がビタミンを世界で初めて発見しかけていたという事には驚かされた(ただし発見者は医学者ではなく農学者である)。それが現状へと繋がるのは逆に悲しい事実でもあるが。

 …そして結局今回も栄養素の話であった。



https://64407620.at.webry.info/202007/article_3.html (江戸の”美味しい食”を考える-蕎麦)

 こちらも面白いので併せて載せておく。

 因みに日本における脚気は海外における壊血病の様な存在であったとも言える。脚気における蕎麦は壊血病に対するジャガイモの様なものだろうか(双方共に粗食とみなされていた点も共通する)。

 日本人が壊血病に余り縁が無かったのは単純に明治期まで鎖国政策により外洋航海をする機会が少なかったためと思われる(漬物等の野菜の長期保存手段の存在も少なからず影響したかもしれない)。明治期に入ってからは海外での壊血病対策が確立された後であった事もあり、それを導入するだけで問題無かった筈である。

 …海軍伝統のカレーライス(麦飯)とは将に脚気と壊血病の双方を予防する栄養失調対策の集大成とも言える料理であった訳である。
 戦争について「素人は戦略や戦術について語り、プロは戦場での兵站と持続可能性(= sustainability)について語る」とはよく言われるが、同じく国家事業である医療政策においてはどうなのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?