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普通の銀行員が、フリーライターになって初めて自分の人生を歩んだ

こんにちは、フリーライターの比嘉桃子です。

私はフリーライターという仕事が気に入っています。
だからこうして「“フリーライターの”比嘉桃子です」と書くたびに、ニヤニヤしちゃう。
ああ、私フリーライターなんだよな、と噛み締めるように書き始めています。

そんな私ですが、新卒で入った会社は某大手銀行
超がつくほどお堅い会社で一般職の事務員をしていました。

「週5日我慢すれば楽しい土日が待っている」
「仕事なんて、どうせ何してもつまんないでしょ?」
「早く結婚して仕事辞めて、専業主婦になりたい」

つい7年ほど前までは、そう考えていた私。

それがどうしてこうなったのか。
今日はそんなお話をしてみようかなと思います。

大手に入って、結婚して、辞めたい

大学4年生の頃、私の頭の中にはこれしかありませんでした。
みんなが知っている企業に入って、それなりに仕事したら数年で結婚して、専業主婦ライフを満喫したい。
私を新卒で採用してくれた人事が見たらきっと怒られちゃうなあ。
もし読んでいたら、ごめんなさい。心から。

そうして私は最初の関門である「大手に入って」をクリア。
某大手銀行にて、事務員として働き始めます。

最初は仕事を覚えること自体が楽しくて、モチベーションは高い方だったと思います。
たまに開催される表彰式で褒められたり、半期に1度のボーナスをもらったりすることでなんとかそのモチベーションを崩さずに過ごしていました。

ただ、2年目のある日、ふと気づくんです。
「あ、私、飽き性だったわ」

そう、私は極度の飽き性。
2年目には仕事の内容に飽きて、モチベーションが欠如していました。
もちろん給料をもらっている以上最低限仕事はしたい。
けれど、それ以上に頑張りたいとは思えなくなっていたんです。

気づいたら私の楽しみはアフター5(死語?)と週末のみ。
仕事はつまらないものだと割り切って、業後の飲み会や週末着る服の買い物に勤しんでいました。

たぶん、悪くない生活だったと思う。
でも、“悪くない”だけ。良くはない。

そんな時に出会ったのが、ライターという職業でした。

止まらないライターへの憧れ

ある日、友人が「副業でライターを始めた」と話してくれました。

副業? ライター? 何言ってんの?

と驚きつつも、この時からすでに心臓はバックバク。
副業の話もライターの話も刺激的で、私の頭の中にいた「大手に入って、結婚して、辞めたい」という言葉はすっかり隅に追いやられていました。

「ライターって職業、楽しそうすぎない?」

副業というキーワードにも惹かれたけれど、なんにせよ私は銀行員。
バレないやり方もあったのかもしれませんが、小心者の私にはその選択肢はありませんでした。

そうなると、ライターをやるための道は一つ。
仕事を辞めるしかないわけです。

銀行員でいればきっと安定した暮らしは送れる。
…でも、銀行の仕事は正直楽しくない。飽き性の私には合ってない。

仕事が楽しくなくてもそれなりに楽しく生きていける。
…でも、仕事に捧げる時間って大きいよね。

そのうち結婚するだろうし、子供できたら辞めちゃえばいいか。
…でも、本当に私はそんな人生を歩みたいんだっけ。

今のままでも別にいいじゃん。
…でも、でも。

そうして私は、銀行員生活を手放すことにしました。

絶対に逃せない正社員ライター求人

どうしても仕事をしながら転職活動という気になれなかった私は、何も考えないまま銀行を退職。
辞めてから焦って職探しを始めたものの、ライターの募集ってものすごく少ないんですよ。
転職エージェントさんからも「ライターは諦めて事務職で新しい人生を歩みませんか」なんて言われる始末。
事務職に転職するなら、辞めてなかったよ〜〜〜〜〜〜!!!!!!

時折そうして叫びながらも、根気よくいろんな求人サイトを漁る毎日。
そうして見つけたのが、転職先となるIT企業の求人でした。
しかも、私が最も興味を持っていた女性向けメディアの正社員ライター!
人生賭けるつもりで面接に向かい、採用を掴み取ったわけです。

あれ、私が向いてないのって銀行員じゃなかったの?

さて、そうして始まった正社員ライター生活。
細かいことは省きますが、約5年ほどでピリオドを迎えることになります。

正社員時代は、さまざまなジャンルの記事を書かせてもらいました。
未経験の私にもどんどん挑戦させてくれる職場で、メディアの立ち上げとか、SEOとか、YouTubeとか。
本当にいろんなジャンルに携われた数年でした。感謝しかない。

感謝しかない、のだけれど。
結局私は毎日を楽しみきれていませんでした。

仕事はそれなりに楽しい。
…でも、嫌な仕事もあるよね。

定時に帰れるホワイトな会社だし。
…でも、私が時間を自由に使えるのは土日だけ。

恵まれてる方だと思うんだけどね。
…でも、ベストじゃない。

あの頃と同じように、「でも」を繰り返す毎日。
そうして気づいたのは、私が向いていなかったのは銀行員ではなく、“正社員”という生き方だということ。

気づいてしまったからには止まれない私。
ついには正社員ライターという立場も手放します。

やっと自分の人生が自分のものになった

正社員を辞めてから、すぐにフリーになることを決断できたわけではありません。
なかなか決断できず、数ヶ月は失業手当をもらいながら転職活動を実施。
決断したのは、失業手当が支給される最終日でした。
「決断した」なんて言い方、ずるいな。
失業手当が切れたことで「吹っ切れた」という言い方が正しいかもしれません。

フリーになってからはがむしゃらに仕事を探す毎日。
クラウドソーシングサービスを使って応募しまくり、知り合いに声をかけまくり、しばらくは泥臭い営業をしていました。

その甲斐あって、すぐに仕事はいっぱいいっぱいに。
今では抱え切れないほどのお仕事をいただき、お断りすることすら出てきました。
ありがたや、ありがたや。

働き方は180度変わって、安定もなければボーナスもない。
けれど、これでもかというくらい自由です。

自分の仕事は、自分で決める。
だからこそ、飽きることなく毎日が刺激的。

働く時間も、働く場所も、自分で決める。
誰に縛られるわけでもなく、平日も休日も関係なし。

自分の人生を自分でコントロールできるようになって初めて、私の中にあったモヤモヤが晴れたような気がします。
「これが私の働き方だ」と心から思えるようになりました。

なりたい自分には、いつでもなれる

なんだか急に自己啓発本みたいなことを言ってしまったのでちょっと恥ずかしいのですが…
これは、私の持論。
「なりたい自分には、いつでもなれる」

自分の人生に違和感を覚えたら、それはチャンス。
伸びしろがあるということだと思うんです。

私はもともと超安定思考だったけれど、それはきっとそう思い込もうとしていただけ。
特別な職業には就けない、安定しない働き方なんてできないと、自分を過小評価していただけ。
本当になりたい自分は、もっと違うところにあったんです。

そう気づくのに、私は丸7年かかりました。
でも、気づけて本当によかった。

同じように違和感を抱えながら生きている人の、何かを変えるきっかけになったら嬉しいです。

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