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わたしの体

体や身に付けるものに関する、
エッセイ?短い詩のようなもの達。
いくつか下書きしてたものがあるので、公開してみます。


 『わたしの手』

寝る前に、ひび割れてガサガサの手に大量のハンドクリームを塗りたくる。

大丈夫?と子どもの頃のように心配してクリームを塗ってくれる母親も、手を繋ぐ恋人もいないから、このガサガサは自分だけのもの。



 『爪』

ぱちん、ぱちん、と乾いた音がして整えられていく爪。
何か考え事がある時や、すかっとしない気分の時、爪を切ると心が落ち着いてくる。

ピンク色の中に白い部分が少し残る位の長さに切って眺める。
一週間もすれば元の長さに戻ってしまう。
生きている、私の手。




 『オレンジ色の靴下』

お洒落好きなあの人は、少し柄が付いていたり、洋服に合わせて色を選んだ靴下を褒めてくれた。
靴下を褒めてくれるなんて、なんて気が利く素敵な人なんだ!と当時は浮かれたものだったけれど、その熱も冷める日が来た。

この間、久しぶりに好きだったオレンジ色の靴下を履き
歯医者の椅子に座ろうと靴を脱いだら、知らない間に小さな穴が空いていた。

あぁ、もう捨てられる、と少しホッとした。




 『汚れた眼鏡』

眼鏡が汚れたから、お風呂で洗おうと思って浴室に持ち込んだ。

たぶんこの方法は正解ではない気がするが、ボディソープでごしごし洗う。

あなたはシャンプーで洗うって言ってたね。
ボディソープ派とシャンプー派で盛り上がったのも、いい思い出。

暮らしの中にいちいち思い出がありすぎて、最近やっと忘れられてきたよ。

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忘れられない恋物語

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