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悩みは続くが、ときどき気づくいいとこも~夫婦


ここ数カ月、夫婦関係については本当に悶々とグルグルと悩み続けていた。仕事と毎日の生活と家事と子育てとで毎週あっという間に過ぎていき、夫との距離は縮まることもなく、用事以外の会話は弾まず、大抵の会話は子供たちに遮られ途中で消える。話し始めた途端に、相手の注意は散漫になり、会話以外のすべてのことに気が散らばる。聞こえているはずの話は何度も聞き返され、通じない。子供たちは成長しているのに、夫婦の会話は成立しない。何年たってもこのパターンから抜け出せず、淡々と時間は過ぎていった・・・。

私たち夫婦、このまま何もしないでいると、なんらかの形で家庭崩壊っていう方向に行ってるんではないか?このままこの夫と一緒にいて、歳を重ねて生きていきたいんだろうか?一度しかない人生を惰性でモヤモヤしながら過ごしていいんだろうか?そんなことばかりが頭に浮かんでくる。

この暗闇のトンネルから抜け出すきっかけになるのだったらと、試しに一度カウンセラーに話を聞いてもらいに行ったりもした。予約の日まで3週間待たされ、プロのカウンセラーに話を聞いてもらったら、きっと少しでも気持ちが楽になるだろう!と早く楽になりたい気持ちを堪えて、予約の日まであともう少しと頑張ってきた。だけど、待ちに待ったカウンセリングは、ちょっとがっかりな結果に・・・。

まず、夜7時の予約だったのだが、疲れを隠し切れない様子のカウンセラーが、気になって仕方ない。50代くらいのそれなりに経験もあるカウンセラーのようだけど、私情を見せまいとする姿勢の表れだろうか?彼女の感情を押し殺したような空っぽな眼差しに、どこか周波数がうまくかみ合わない違和感。自分の考えを伝えた後のリアクションにも、心理学者に観察されているかのようなある種の距離感。私は、自分の感じていることをできるだけ漏らさず伝えたいという思いで、質問されたこと1つ1つに頑張って答えたけれど、あまり受け止めてもらえた感じがしなかった。

最後に「誰にも読ませる必要はないけれど、夫宛に手紙を書いてみて」「それで数週間後にもう一度会いましょう」と薦められ、持ち時間終了になった。少しでも自分の気持ちをはっきりさせるきっかけを、会話の中で導き出してくれるものと期待していたので、なんともすっきりしない消化不良のような気分。このカウンセラーでは無理だ。そう確信した。カウンセリングは悪くないけれど、自分の納得のいくカウンセラーに出会えるかどうか、それまでにどれくらいの時間と費用を費やすのか、そう思ったらちょっと気が遠くなった。

数日後、半年ぶりにヘアカットに出かけたのだが、評判のよい日本人のスタイリストさんがいるサロンへ少し遠出して、髪を切って貰うことにした。その初対面のスタイリストさんと夫婦関係あれこれの話になり、彼女の別居6年、離婚が成立したのも数か月前、そして今は3人のお子さんを養育費を貰いながら前夫の協力のもと、シングルマザーとして生活している経験を聞かせてもらった。私の抱える不満や不安などもたくさん聞いてもらった。

彼女が、離婚して良かったと思っているし、よりを戻したいとは思わない。その一方で、離婚に至る前に、もう少し自分が頑張れたことがあった。もうちょっと頑張っておけば良かったかな、という後悔があるのだ。というすごく正直な気持ちをシェアしてくれて、なんとなく、ほんのちょっとの努力できっと夫婦関係うまくいくから、大丈夫だよ!って後押しされたような気がした。どちらかというと、このときの会話の方がすごく丁寧に気持ちに寄り添って話を聞いてもらえて、カウンセリングよりもずっと心が癒された。

その後も、私たちはやっぱりダメなんじゃないかと思っては、考え直してみたり、やっぱり家族仲良くやっていけるんじゃないかと希望を持ってみたり、上がったり下がったりを無限に繰り返しながら、毎日過ごしている。

そんな中で時々、そういえば夫のこういう所って助かるよね、ということに気づいたりする。それはとてもありがたいことなのに、当たり前みたいに気づかなくなってたなって思うこともある。だから、ここでそういうことを少しまとめてみようと思った。

自分の型に私をはめようとしないこと

例えば、妻というものにはこうあって欲しいとか、家事をこういう風にして欲しいとか、洗濯ものをこう畳んで欲しいとか、料理の味付けをこうしてくれとか、そういうことを全然言ってこない。言ってこないからどう思ってるのか知らんけど(笑)。
家でもいつも化粧してきれいでいる努力をしろとも言わないし、もっと痩せろとか一度も言われたことはない。夫がどんな女性がタイプなのかも一度も聞いたことがないから、全然知らない。
とにかく何か要求された記憶がほとんどない。

お金のことを一切任せてくれて信頼しきってくれている

お金の管理が全くダメだと自分で自覚している夫は、家計管理を一切私に任せてくれている。それだけではなく、本当になんにもうるさく聞いていたりしない。
本当にすごいなって思うのは、ボーナスとか臨時収入があったときも、必ず毎回自己申告してくる。例えば、私が夫に言わなければバレないような臨時収入が合ったら、言わないで自分専用の銀行口座へ入れておくかも。実際、私は自分の親からお金を貰ったときなんかは、夫には言わずに自分の口座にしまっている。夫はその点、お金についてとてもクリーンである。知り合いの手伝いに出かけてもらったお小遣いなんかも自己申告してくる。夫のこういうところは本当にすごいと思う。

私がやりたいことを好きなようにさせてくれる

私がやりたいことは、だいたい好きにさせてくれる。私がやりたいと言って夫にダメ出しされたことは今のところ記憶にはない。本当は、私が好きでやっている趣味に夫が興味を示して一緒にやってくれたら一番理想的だけれど、今のところ何一つ一緒にやろうとはしてくれない。その代わり、私がマウンテンバイクに乗りに行き、ときには夫と子供を置いて、友達と1泊でバイクパークへ遊びに行くと言っても、渋い顔もせずに送り出してくれる。どう思っているかはわからないが、時には今日は男性ライダーと私で乗ってくるね、と言っても嫌な顔しないのは、良いことなのかどうかは謎だが・・・。

キャンプ嫌いの夫と文句が多い子供たちは一緒に来たがらないので、そのうちキャンプも一人で行くつもり。ゆくゆくは道具をそろえて、一人もしくは女友達でも見つけてバックパッキングで3泊くらいハイキングの旅に出かけたいと思っている。
明らかに危険とかでない限り、夫は私がやりたいことを制限しないし、夫と子供たちを置いていくことにも協力的である。それはとてもありがたい。

一度も私を捨てようとしたことがない

これはなんて言っていいかわからないけど、一度もそういう素振りを見せたり口に出してきたことがない。浮気性とかではないのは、夫婦をやっていく上では最低限の必要事項だけど、優しく女性の扱いになれているタイプではないし、怪しい素振りも一切ない。そういうひとこそ、浮気はしないが相手が見つかったら本気になって去っていくという可能性もあるけど。まあ、浮わつくタイプじゃないのはありがたい。

ケンカもほとんどしたことないからいつも私が一方的に攻撃してるみたいになってて、夫はすぐに逃げようとするというパターンだけど、言い合いになった勢いとかで別れるという言葉が夫の口からでたことはない。私は、夫が退職して事業を始めたいと言って聞かなかったとき、二人の意見が決定的に分かれてしまい、別々の道を進むという選択肢を口にしたことがある。


まとめ

最近は離婚経験のある人が珍しくなく、何人か友人と集まったら、離婚経験者の方が多かったりというのもざらで、結婚したからと言って一生添い遂げるのが美徳だった時代は過去となった。個人の幸福を追求したら、夫婦という形が幸せとは限らない時代になったのだろう。

私はこれからも夫と自分と子供たちと、どうやって一番良い形を作っていこうか悩みながら過ごしていくのかな。ただ、離婚して前夫と1週間ずつ交代で子供と過ごしている友人など見ていくなかで、今こうして夫と自分と子供2人と4人家族で仲良く過ごせる時間があることは、当たり前じゃないことだし、とても素晴らしいことなんだと思う。なんだかんだ言いながら、家族旅行できたり、クリスマスや誕生日を家族で祝えたり、そういう時間を持てるのは、私と夫が夫婦としてやっているからであって、これは失ってしまったら取り戻せないものだと思っている。だから、私は1日1日、その時その時に、一番良いと思える選択をして、夫に優しくできるように、ありがとうと言えるように、大丈夫?と言ってあげられるように、正しい選択をして、進んでいくしかないんだよな。

その時その時の選択を一歩ずつ進んでいって、いつの間にか、振り返ったらそんなときがあったんだねって、あのときはこうだったけど、こんな風に道を進んで来たんだなって振り返ることができるようになるから。



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