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シナリオ・センター時代の宿題その3

テーマは再会。

タイトルと人物表がなかったので、中身だけです。。

① 路上(夕)
   オールバックのカツラを持って立っている高宮佐奈(23)。
   腰を抜かし、失禁してしまっている羽毛田羽巣男(42)

佐奈「あらぁ、オムツが必要じゃないの?」

② 河原(回想)
   河原で石を探している高宮佐奈(8)

佐奈「この石もアリだけど、やっぱりこっちかなぁ」
   佐奈は石を見比べている。
   佐奈に犬と散歩をしている戸田美雪(24)が近づいてくる。
美雪「ここで、何しているの?」
佐奈「うんとね、どの石がいいか探してるの」
   尖った石を佐奈が手に取ると、美雪の犬が吠え出す。
佐奈「そっか、お前はこれがいいんだ。じゃ
あ、この尖った石にしよっかな」
  笑顔で犬を撫でる佐奈。

③ マンション・高宮家前(夕)
   佐奈がスキップをしながら玄関の前までやってくる。
   首から提げている鍵でドアを開けようとすると、ドアは開かない。
   笑顔になる佐奈。
   もう一度鍵を回し玄関のドアを開ける。

佐奈「ただいま!」

④ マンション・高宮家の中(夕)
   佐奈がリビングの扉を開く。

佐奈「ママぁ、ただいま!」
  そこには羽毛田羽巣男(27)を含む4人の見知らぬ男と、高宮悦子(29)が男に押さえられている光景がある。
   その場にいる全員が佐奈のほうを見る。
   状況がつかめず呆然とする佐奈。

佐奈「ママ、何してるの?」
   悦子を押さえている男が唸り声を出す。
   咄嗟に佐奈はポケットから拳ほどの大きさの石を取り出すと、それを目の前にいる羽毛田に向かって投げつける。

   石は羽毛田の髪の生え際辺りにヒットする。うずくまる羽毛田。
悦子「佐奈、早く、早く逃げて! 早く!」
佐奈「で、でも」
悦子「いいから、早く!」
   悦子たちに背を向け、ランドセルを背負ったまま、外へ向かって走る佐奈。
羽毛田「くそっ!」
   羽毛田の隣の男が拳銃を取り出し、佐奈に向かって発砲。が、間一髪玄関のドアが閉まって佐奈には当たらない。

⑤ マンション・廊下(夕)
   必死で逃げる佐奈。
   佐奈がエレベーターに飛び乗った瞬間、銃声の音がマンションに響く。
⑥ マンション・エレベーター中(夕)
   銃声の音の恐怖のあまり、佐奈はズボンに染みを作ってしまう。

⑦マンション周辺(夕)
   泣きながら走っている佐奈。前からさっき会った美雪がやって来る。

美雪「あれ? また会ったね」
   泣いている佐奈を不思議そうに見る美雪。犬を撫でながらしゃがみ込む。
美雪「あらぁ、オムツが必要じゃないの?」
   笑顔で美雪は話しかけるが、佐奈が泣き止む気配はない。
美雪「泣いてたら、分からないでしょ」
   泣き止む佐奈。決心したような顔つきで美雪を見る。
佐奈「お姉ちゃん、一緒に来て!」
   美雪の手を握り、もと来た道を走り出す佐奈。つられて美雪と犬も走り出す。
美雪「どうしちゃったの、いったい?」
   無言で走り続ける佐奈。
   ×  ×  ×

⑧マンション前(夕)
   マンションの玄関前で、手をつないだまま立っている佐奈と美雪。

佐奈「ここ、住んでるマンションなの」
   抑揚のない声で話す佐奈。
   美雪は無言で佐奈の瞳を見つめている。
   一台の高級車が佐奈と美雪の前を通り過ぎる。車の後部座席には、ハゲ頭の羽毛田。
   車に向かって犬は吠えるが、佐奈と美雪は気づかずにマンションの中に入っていく。

⑨高宮家、ドアの前(夕)
   鍵がかかっていないことが分かると、勢いよく入っていく佐奈。
   後に続いて入っていく美雪と犬。
⑩高宮家、リビング(夕)
   一点を見つめたまま呆然と立っている佐奈。
   リビングに入った瞬間、声を失う美雪。

美雪「ここで、待ってて。すぐに警察呼んでくるから!」
  犬と佐奈を残し玄関に走っていく美雪。
  佐奈の前方には、口から血を流して横たわっている悦子とオールバックのカツラが落ちている。

⑪高宮家、リビング(夜)
   部屋中を捜査員たちが念入りに調べている。
某ホテルの喫茶店
   対面で座っている巻々。反対側に座っている相手は、オールバックの髪型でサングラスをしている。

巻々「で、それは本当なんですか?」
   頷くオールバック。
巻々「でも、証拠がないと」
   カバンから一通の封筒を取り出すオールバック。巻々の前にそれを差し出す。
巻々「ここに証拠が……?」
   頷くオールバック。
巻々「では、確かに」
   巻々は封筒を受け取ると、すぐにそれをカバンの中にしまう。

⑧羽毛田の車中(夕)
   走り出した羽毛田の車の前に、オールバックでサングラス、スーツを着こなした人物が立ちはだかる。

運転手「あ、あれはぁ、タ、タモ……、いや」
   急ブレーキを踏む運転手。
   後部座席の羽毛田は思わず運転席に頭をぶつける。

羽毛田「おい! しっかりしろよ!」
   怒って後部座席から外へ出る羽毛田。

⑨路上(夕)
   羽毛田の前方に先の人物が立っている。

人物「髪切った?」
   その人物は笑いながら、サングラスを投げ捨て、オールバックの髪を脱ぎ捨て、それを手に持つ。カツラの中からはキレイな長髪が現れる。それは高宮佐奈(23)が変装していた姿だった。
羽毛田「お、女?」
   突然の出来事に狼狽している羽毛田。
佐奈「やっと会えたわね」
羽毛田「だ、誰だ?」
   腰を抜かして座り込む羽毛田。
佐奈「そんなに驚かなくてもいいでしょ? お久しぶりね、これ憶えているかしら?」
   佐奈はカツラをコンッと叩く。
佐奈「これ、あなたが私の家に15年前に置いてったカツラよ。見覚えあるでしょ?」
   羽毛田は開いた口が塞がらない。
佐奈「あなた、人生何もかも嘘で塗り固めて何とも思わないの?」
   羽毛田の下半身に染みが出来ている。

                                                                                                end

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