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僕はキミのスマホ

買ったばかりのスマホから
小さな人が出てきた
自分そっくりだ
スマホの強化ガラスの上に堂々と立っている
堂々とした自分を見るのは初めてだった

スマホの自分は
「僕は君のスマホ」と喋った
気味が悪い
僕はスマホを自宅のベランダから外にぶん投げた
隣の空き地の草むらにスマホが落ちる
茂みから「いったあ〜」と聴こえる

その直後、激しい頭痛に襲われた
脳内で灯りがひとつずつ消えてゆくような
記憶が遠のいてゆくような感覚がする
「なんで僕はここにいるんだろう」
恐怖に心が支配されていく

茂みから再び声をかけられる
「昔の要らないデータは消す?」
僕は必死に叫んでいた
「待って」

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