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最近のこと③「ハムスター」
明らかにおかしい。時間の流れ方、水あめのようにトロリとして、何も流れないの。
私だけじゃない、友人も、大好きなアーティストさんも、同じこと言ってる。
さあてどうしたものかと思い夜道を歩くと
カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ
小さな音がしてくる。もう一度耳を澄ませて。
カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ
聞き覚えのある音。昔、部屋でハムスターを飼ってたから私はすぐ分か
去年のメモ(アザラシの話)
小さい頃、私の友達がアザラシに連れていかれちゃった。
私はアザラシが憎い。憎いけれども、今はその憎らしくてたまらないアザラシに攫われたい気分だったのだ。
それはどうしてかというと、細々としたあれこれがあって、あわよくば、昔連れていかれたお友達に会いたいのだ。
そんなこんなで冷たい海に来た。
やってきたのはアザラシではなく、セルキーだった。
あの時、友達を連れていったのはあなた?
「違う、そうで
夢魔女さん、夢魔女さん
さらってくれないかしら。今日、この日、このときこの瞬間。
ふわっと香る、柑橘味で。
うちの近所のマロマロの木に、とても小さな朱色の実がなりました。
ですから今夜、それをちょいともぎ取って、煮詰めて、ジャムにしたやつを
あなたと囲む、お夜食として食べる予定であります。それだけのためにわざわざ胃を空っぽにしているのです。
ぼさっとしてると、隙間を狙って鈍色バクが私の胃を巣食うから。
だから、早くや
星の砂を片手に 【前編】
あるところに、奈帆(なほ)という少女がいた。
奈帆は生まれつき、髪の毛の色が青かった。その青色というのもただ青いのではなくて、海のような色をした美しい髪なのだ。
頭のテッペンは深海のようなコンコンとした深い青、髪の真ん中は青と水色のグラデーションが綺麗で、毛先は南国の海のような、明るいターコイズブルー。
くせっ毛で元々ウェーブ髪なのも相まって、奈帆の髪の毛はまさしく「波」だったのだ。
(い
スパイテディ【ぷち長話】
テディベアの首についてるリボンには、とある秘密があるってご存知?
これはもしかするとのお話なんだけど、テディベアってのは、サンタさんのスパイじゃないのかって、そういうお話。
某名探偵の蝶ネクタイが機械仕掛けなのだから、テディベアのリボンに何かしらの仕掛けがあってもよかろうよ。
でも、子供たちは鋭い。
カチンコチンのプラスチックのリボンじゃなく、クタクタの可愛い色した生地のおリボンで秘密を隠さな