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刺繍を手放す
決めた。
刺繍の道具を手放す。
ここ何ヶ月か、ずっと迷っていた。
またやるかもしれないし……とか思って捨てずにいた。
道具があることで「また刺繍できるようにならなきゃなあ」と心の奥でずっと引っかかっていた。
ストレスになる物事はひとつずつ消していきたい。
ただでさえうつの症状で毎日しんどいのに、追加で変なストレスを抱えたくない。
というわけで、体調がまあまあな時に少しずつ片付けていこうと思う。
全く使ってない糸とかアクセサリーパーツはメルカリに出す。
メルカリに出せそうにないものは潔く捨ててしまおう。
私は刺繍をしていなくても、私なのだ。
良い意味でも悪い意味でも、私。
刺繍して褒められたり売れたりしてないと自分の価値はない、みたいな状態とはさよならしよう。
正直、刺繍をしなくなった私はもぬけの殻で、自分のことが嫌いだ。
でも、それでも、何かに頼って自己肯定感みたいなものを高めようとするのはやめたい。
だから、刺繍にしがみつくのをやめる。
刺繍をしてもしなくても自分を許せるようになれたら、きっと生きるのが楽になる。
いつかそうなれるように。
刺繍をすること自体は楽しい。
だからたまに手芸屋でキットを買って刺すかもしれない。
でももう今の私にはたくさんの色の糸は手に余る。
もしまた本当に刺繍がしたくなったら、買い直せばいいだけ。
手放して少し楽になろう。
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