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じいちゃんとの別れから立ち直った話


「本って何のために読むの?」
小学校の実習に行ったとき、子どもにそう聞かれました。
私は昔から本を読むことが好きだったからそんなの正直考えたことはなかった…かも。
子どもに言われて「確かになんでだろうな~」と思い、ちょっと考えてみました。

1つは国語の力がつくからかなぁと。
高校の時、国語の先生が、学生に本を読むよう言ったら現代文の平均点が著しく上がったと嬉しそうにお話されていたのを思い出します。

2つ目は人の気持ちが分かるようになるからかなぁと。現実では人の気持ちは目には見えませんが、本だと主人公の気持ちが細かく描写されています。自分が体験したことがなくても、主人公の心情を読んでいくと、「こういう気持ちになるんだな」と知ることができます。この積み重ねで、実生活でも相手の気持ちを推測できる力が自然とついていくのではないかなと思います(自論ですが)。

3つ目は新しい考え方を得られるからだと思います。自分はAと考えていても、Bと考える人の意見を知ることができるのは本のメリットだと思います。
そして、私は今回、この3つ目の、物語から新しい考え方を学んだお話を書いていこうと思います。
前置きが長くなってしまいました。ここからが本題です。

「じいちゃんとの別れから立ち直った話」

私が大学生の時、私が大好きだったおじいちゃんが他界しました。
とても突然のことで、非常にショックでした。
初めて身近な人が亡くなり、受け入れられませんでした。何日も涙が止まらない日々が続きました。

そんな時、私が読んだのは有川ひろさんの「旅猫リポート」です。
あらすじとしては、主人公の悟が飼い猫のナナを連れて旅をするお話です。(雑すぎる(笑))

※ここから「旅猫リポート」のネタバレを含みます!!知りたくない人は読んでから見に来てください!



主人公の悟は病気を患っていて、最後には亡くなってしまいます。悟は自分が死ぬ前にナナに新しい飼い主を見つけるため、旅をしていました。
しかし最後、ナナは新しい飼い主のところへは行かず、悟との別れを決めます。
最後の別れの時、ナナはこういいます。
「サトルの猫になれるなんて、僕は世界中で一番幸せな猫だったんだよ。だから、サトルが僕を飼えなくなっても、僕は何も失わないんだ。」
「僕より早く死んでしまうとしても、それでもサトルに出会わないより出会ったほうが僕は幸せだったんだ。」
この後、サトルと見た景色、思い出を語り、
「こんな幸せなことって他にあるかい?」
と話すのです。

まーじで、ここは何回読んでも涙涙!!!!
有川ひろさん天才過ぎて脱帽です本当…!!
私の文章能力じゃ伝わらないのが悔しい…!(えっ)

けほん。

私は祖父が亡くなったとき、正直
『こんなに悲しいならもっと早く別れていた方が楽だったのに。』
『祖父との思い出がたくさんあるから悲しいんだ、もっと好きじゃなかったらよかったのに。』
と思ってしまっていました。

でも、この場面を読んで、うまくは言えないのですが…
『おじいちゃんが亡くなって悲しいけれど、おじいちゃんとの思い出があってよかったなぁ。私は世界一幸せだよ。』って心から思うことができました。
『おじいちゃんが死んだからって自分は何も失っていないんだなぁ。』って。『むしろ、おじいちゃんがいたから今までこんなに幸せに暮らせていて、今の自分があって、沢山の経験ができてたんだな』って。
まさに『私より早く死んでしまうとしても、それでもおじいちゃんに出会わないより出会ったほうが私は幸せだったんだ』
ってそう思うことができました。
おじいちゃんとの大切な思い出を胸に、頑張っていこうと思えました。

私にとって「旅猫リポート」はかけがえのない本です。有川ひろさんには感謝してもしきれません。

同時に、本のパワーも感じました。
喪失感でいっぱいだった私の心を、温かく優しく包み込んでくれました。

だから私は言います。
本読もう!!!!!!(浅っ)

また、余談ですが、当時見た映画「君は月夜に光り輝く」にも、とても救われました。
永野芽衣さんが演じる発光病を患った渡良瀬まみずと、北村匠海さん演じる岡田卓哉とのお話なのですが、
最後亡くなる前にまみずが、
「卓哉君の心の中にいる私に、私が見れなかった景色を見せてほしい。」
って言うんですよね…(すごい曖昧ですが(笑))
この言葉も、私にはすごく救いになりました。
『私の中にいるおじいちゃんに、私がこれから見るいろんな景色を見せたい。』
『頑張って生きなきゃ。』
って思えることができました。

このように、本を読んで、映画を見て、新しい考え方を得ることができた経験はあなたも沢山あるのではないでしょうか。一つ違う視点を知るたびに、人生は豊かになると思います。本は人生の肥やしですね(ドヤ)。

というわけで、今日はこの辺で。
最後まで読んでくださってありがとうございました!

もちゃ


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