見出し画像

最近読んだ本の話 vol.41

 「最近読んだ本の話」の第41弾です。一気に涼しくなりましたが、昨日の日中は暑かったです。朝晩はもうすっかり涼しくて秋らしくなってきましたね。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、燃え殻『夢に迷って、タクシーを呼んだ』

繰り返される緊急事態宣言、武士が見える女、趣味がフットサルの男、グレーな宿泊施設、退職代行サービス、青春の使い方、破られた学級新聞、タマゴサンドと牛乳、磯丸水産の夜、首都高速を走る車の音、渋谷円山町のワンルームマンション、叩かなくてもホコリの出る人生――すべて忘れてしまうから。
自身の日々の体験を基に、いつか忘れてしまう、でも心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、抒情的に、時にユーモラスに綴った、燃え殻による断片的回顧録・完結編。読み終わったときに、忘れていた自分の大事な記憶を思い出したり、鬱屈とした気持ちが少し楽になったり……コロナ禍の今、先の見えない毎日を過ごす私たちにそっと寄り添ってくれる一冊になっています。物語を彩る装画・挿画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家・長尾謙一郎氏が手掛けます。
                         -Amazonより引用-

 燃え殻さんのエッセイです。読んでいると自分のこともいろいろ思い出します。長尾謙一郎さんの絵が本の中の随所に描かれていてとてもいいです。手元に置いて時々読みたいような本です。本の最後の方で燃え殻さんの強い気持ちを知って、自分の内の内の方にぼわわっと炎が燃え上がったみたいな感じがしました。私も負けないで書く。


2、サリー・ルーニー『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』

フランシスは21歳、ダブリンの学生で詩人。彼女はいつも冷静な目で周囲を観察している。夜には、親友でかつてのガールフレンドのボビーと詩のパフォーマンスをする。ボビーは美しく、決然としていて、どこにいても注目の的だ。
 あるイベントで、二人はジャーナリストのメリッサと出会う。彼女たちの記事を書きたいというのだ。家に招かれ付いていくと、そこには彼女の夫で俳優のニックがいた。裕福なこの歳上の夫妻との交流を続けるうち、フランシスはニックに抗いようもなく惹かれている自分に気づく――。
 デビュー作にして世界を席巻した新世代作家の恋愛小説。Hulu/BBCドラマ化。                       -Amazonより引用-  

 新世代の恋愛小説ってどんな感じなんだろう?と思って読みました。主人公のフランシスは、大学生で詩人です。親友のボビーと詩のパフォーマンスをしています。ジャーナリストのメリッサと出会い、彼女の夫で俳優のニックにフランシスは惹かれていきます。外国人の人の気の利いた会話って難しいよなあ、と思います。冗談なのか冗談じゃないのかとか、たとえ英語が理解できても判断が難しそうです。
 相手に自分がどう見えているのか、どういう人間だと思われたいのか、フランシスはよく考えています。思ってもいないことを口に出して傷つけてしまったり、自分の気持ちを上手く相手に伝えられなくて仲違いしてしまったり、見当違いのことを思いこんでしまったり、色んなことがありますが、そういう込み入った複雑な感情を見事に描いていて、筆力がすごいです。


3、大江 健三郎『読む人間』

古今の世界の名作をいかに読むか、体験に即して明解な指針を示す講演集。『奇妙な仕事』に始まり『おかしな二人組』にいたるまでの創作のカギを明かし、未来へと託す。執筆活動50周年記念。      -Amazonより引用-

 大江健三郎さんが「読むこと」について書かれた本です。興味ある!と思い読みました。講演の記録です。大江さんの読書の仕方、九歳の頃に出会った本や高校生の時に買った本の話、原書の読み方など、盛りだくさんの内容でおもしろかったです。この本を読んで、これからも本を読み続けて、これが私の本棚だ、というような大切な本を集めていきたいと思いました。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。今週から日記の書き方を少し変えて、考えていることを多めに書いているのですが、本を読みながら考えていたりもするので、繋がってきているような気がします。最後までお読みくださってありがとうございました。

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,553件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?