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最近読んだ本の話 vol.104

 「最近読んだ本の話」の第104弾です。もう6月も終わりです。1年の半分があっという間に!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、窪 美澄『夜空に浮かぶ欠けた月たち』

東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。庭に季節のハーブが植えられているここは、精神科医の夫・旬とカウンセラーの妻・さおりが営む「椎木(しいのき)メンタルクリニック」。キラキラした同級生に馴染めず学校に行けなくなってしまった女子大生、忘れっぽくて約束や締め切りを守れず苦しむサラリーマン、いつも重たい恋愛しかできない女性会社員、不妊治療を経て授かった娘をかわいいと思えない母親……。夫妻はさまざまな悩みを持つ患者にそっと寄り添い、支えていく。だが、夫妻にもある悲しい過去があって……。

Amazonより引用

 1話目の主人公の澪は、大学に入学して東京へ来たが周りの同級生のキラキラ感に圧倒されて学校に行けなくなってしまいます。バイト先の喫茶店の店長・純さんにすすめられて「椎木メンタルクリニック」に行き、少しずつ元気を取り戻していきます。登場人物たちはそれぞれいろんな事情で「椎木メンタルクリニック」に行くのですが、このクリニックの先生とカウンセラーのご夫妻がめちゃめちゃ優しいです。自分たちにも深い悲しみがあって、そのことがきっかけでこの病院を作って、訪れる人たちに寄り添って支えています。こういう病院があったら助かる人がいっぱいいるやろうなあ、と思いました。登場人物たちの心の状態の描写を読んで、誰にでも起こりうることだとよくわかりました。

 

2椎名 誠『おなかがすいたハラペコだ。④月夜にはねるフライパン』

食がテーマのハラペコエッセイ! ワイルドな話や珍しい食文化、時には気安い自前料理などを縦横に語り尽くすシーナさん。そのシーナさんがコロナに感染! 気を失ったまま病室に運ばれ、3日ほど眠ったまま。さらに、退院してから1ヵ月以上も「ハラペコ感」が戻らない! そこで見つけた「おいしさ」を、今回は語ります。

Amazonより引用

 10代の頃に椎名誠さんのエッセイをよく読んでいました。楽しいおじさんだなあ、と思って読んでいましたが、今もやっぱり楽しかった!食にまつわるエッセイで、『おなかがすいたハラペコだ。』という連載の4冊目の本です。読んでいるとおいしそうでお腹が減ってきます。昔ほど食べられなくなってきたというお話を読んで、おいくつだったかな?と裏表紙を見て椎名さんがもうすぐ80歳だと知りました。軽やかな人は軽やかなままなのだ!私も70代80代になっても、こんな感じで何か書けていたら楽しいな、と思ったりしました。


3、中島 京子『小日向でお茶を』

人気直木賞作家 中島京子初・グルメ、旅、自身の身の回りや体調の変化などについて、ユーモラスに語ったエッセイ集。
雑誌「ゆうゆう」に5年にわたり、2018年から連載された「羊のところへはもどれない」に加筆し、時系列に1冊にまとめた。
執筆活動を続けるなか、著者自身が、50代になって変化した体調、かわらぬ旅やグルメへの好奇心、コロナ禍で変わった自宅での過ごし方、親との関係性など、小説では味わえない、作家の素顔が垣間見える本に。
中島ファンだけでなく、ゆらぎやすい40代以上の読者のこころを軽くしてくれる本。
タイトルの「小日向(こひなた)」は、この連載中に、著者が住んでいた自宅があった文京区の地名。
体やこころに不調があったとしても、「小さくとも、日向の明るいほうを向いて」生きるきっかけをくれる。

Amazonより引用

 中島京子さんのエッセイは読んだことがなくて、どんな風なのかドキドキしながら読みました。中島さんは東京の文京区に30年間暮らして、今は杉並区に住んでいるそうです。このエッセイは、文京区の小日向に住んでいた12年間の内のラスト4年間に書かれたものだそうです。外国に行って講演をしたり、おいしいものをたくさん食べておられます。前半は旅の話、後半は料理や体のメンテナンスの話が中心です。おいしそうなものがたくさん出てきて楽しいですが、中島さんの暮らし方を見て、私もちゃんと運動しよう、と思いました。


 毎日蒸し暑くなってきました。夏が近づいている!もう夏なのかな?本を読むには適していない季節がやってきてしまいました。ぼちぼち進んでいこう。最後までお読みくださってありがとうございました。


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