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最近読んだ本の話 vol.80

 「最近読んだ本の話」の第80弾です。朝晩が肌寒くなってきました。もうすぐ紅葉が見られるでしょうか。楽しみです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、加藤 シゲアキ『できることならスティードで』

大阪やパリ、スリランカ紀行から、学校に行く意味を考える「小学校」、故ジャニー喜多川氏への思いを綴った「浄土」まで、
広義の旅をテーマにした著者初のエッセイ集が待望の文庫化!
エッセイ15編、"旅する"掌編小説3編のほか、文庫版のために書き下ろしたあとがき(仮)も収録する。            -Amazonより引用-

 『オルタネート』を読んでますます加藤さんのことが気になっていたので、初のエッセイ集を読んでみました。単行本で出版されて、文庫が11月に発売されるそうです。加藤さんが考えていることが知りたくて、わくわくしながら読みました。読んで思ったのは、ナチュラルにカッコいい人だ、ということです。落語のお話を作るところもすごかったし、物語を作る力が卓越している感じがする。「地元」がなくて困っている話とか、私も同じ悩みがあったので「わたしもそうなの!」と言いたくなりました。そのことがそんなに嬉しいって、よっぽど好きなんだなあ、と思います。文庫が発売されたら買ってしょっちゅう読んだら、やりきれないと思う出来事も乗り越えられそうな気がします。


2、青羽 悠『青く滲んだ月の行方』

「ここからどうすればいい?」僕がこう思っている時、きみは。
若者の真実を描く感動共作!!
何かを「好き」と言える人を眩しく感じる隼人、
「女の子との遊びはクレーンゲームみたいなもの」と言ってみせる大地、
高校時代までは、周囲から認められて自信を持っていた和弘、
仲間が何に苦しんでいるのか分からず、寄り添えない自分に絶望するBーー
「なりたい自分」に向かってひとり藻掻く、"大人未満"の4人の物語。
『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる世界ーー
                         -Amazonより引用-

  真下みことさんの『茜さす日に嘘を隠して』を少し前に読んで、対になっているこちらの本も読みたくなって手に取りました。『茜さす日に嘘を隠して』に登場した男性たちが主人公です。女性側からの物語では明かされていなかった、男性の登場人物たちの考えていたことが明らかになっています。人の考えていることなんて聞いてみないとわからないよなあ、とつくづく思いました。物語の中に、主人公が「あの時が自分の分岐点だった」と考えている場面があって、私も何年か前の分岐点だったと思う出来事を思い出して、後から思ったらそうなんだけど、その時にはわからなかったりするんだよなあ、とこれからはもうちょっとわかるといいな、と思ったりしました。


3、河邉 徹『蛍と月の真ん中で』

息苦しい日常から逃げ出した僕が出会ったのは、亡き父の愛した景色と、君だった。
小さな地方都市で写真館を営んでいた父の影響で、カメラマンを目指すようになった匠海。父の死後、母との関係性が悪くなった匠海は、逃げるように東京の大学へ入学し、写真を学び始める。
しかし、待っていたのは、学費と生活費を稼ぐだけで精一杯の毎日。これを乗り越えれば、きっと夢に近づける――。そう信じ込み、なんとか自分を奮い立たせていた匠海だが、ある出来事をきっかけに、大学を休学することに決める。
実家にも帰れず、衝動的に向かった先は長野県・辰野町――かつて父が蛍の写真を撮影した場所だった。なんの計画もなく訪れた匠海を出迎えてくれたのは、父が愛した美しい景色。そして、それぞれの事情で辰野に移住してきた人や訳あって辰野を離れられない人との出会いが、彼の心を変えていく――。                      -Amazonより引用-

 私は蛍を実際に見たことがあったかな?と思い出してみて、小学生の頃に田んぼで見ただけかもしれない、と思い至りました。もったいないことです。たくさんの蛍がいるところを見てみたい!と、この物語を読んで思いました。
 主人公の匠海は、電車に乗って長野県・辰野町に降り立ちます。実家の玄関に飾ってあった父が撮った蛍の写真の撮影場所に行くのですが、そこには蛍はおらず、女の子がいて、お金もほとんど持たず泊まるところもない匠海に泊まれそうなところを紹介してくれます。知り合いが全くいなかった匠海は、そこからどんどん人と出会って自分が撮った写真を喜んでもらい、いろんな人と仲良くなっていきます。それぞれができることをやって助け合って楽しく生きられるのはいいよなあと思って、私も仕事があればどこか移住したい気持ちになりました。まずは旅行していろいろ見てみたいな。


 今週は「最近読んだ本の話」を書くことができました。落ち着いて本を読む時間がなかなか取れなくて、すき間時間に落ち着きなく読んでいます。寝る前に読む習慣ができればいいのかなあ。最後までお読みくださってありがとうございました。

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