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最近読んだ本の話 vol.119

 「最近読んだ本の話」の第119弾です。寒くなってきました。あっという間に秋が終わってもう冬?今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、沢木 耕太郎『夢の町本通り:ブック・エッセイ』

ずっと当たり前のように本を読んできた。そう、旅に出るように――。

三島由紀夫、モハメッド・アリ、向田邦子、山本周五郎……。未知の人物との遭遇が、心躍らせる物語への熱中が、いつだって私を豊かにしてくれた。幼少期から現在に至るまで、無数の本との出会いを綴る豊潤な36編。『深夜特急』の直前、26歳の時に書いた単行本未収録のエッセイ「書店という街よ、どこへ?」も初収録!

Amazonより引用

 沢木さんが30年あまりの間に書かれた本にまつわるエッセイが集められた本です。読んでいると、30年くらい前に書かれたエッセイも最近書かれたエッセイも間違いなく沢木さんで、思考することは年月が経ってもそう変わらないのだと感じました。私もきっと考えることはそう変わらなくて、たとえ肉体は衰えていったとしても、精神はいつまでも変わらないような気がします。沢木さんが考えていることが、私が普段考えていることとすごく近くて面白いです。
 過去に何度か友人や知人から沢木さんの『深夜特急』を読むことを薦められて、読もうとして読めなかったのですが、この本は読むことができました。『深夜特急』も読めるかもしれない!
 沢木さんは大阪の天神橋筋商店街が気になっていて、大阪に泊まって古書店や喫茶店や居酒屋に行かれたそうです。その時に「可もなく不可もない」店にばかり当たってしまったそうで、読みながら次は「美味しい店」に当たってほしい!と思いました。
 紹介されている本をどれも読みたくなってしまいます。本を紹介する本をよく読むのですが、この本は読みたくなる率がかなり高いです。沢木さんの文章が素晴らしいからなんだろうなあ。


2、アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。

Amazonより引用

 主人公のジョーンの性格が母に似すぎていて怖かったです。本を読んでいてこんな怖さを感じたのは初めてかもしれません。ジョーンの夫、娘、息子たちの態度がまるで私の家族そのもののよう。いや、父は娘をかばったりはしないから違うな、などと自分の家族と照らし合わせて確認するという怖ろしいことを繰り返しながら読み終えました。
 ジョーンがやっと気づいたと思ったらこんな結末とは・・息が詰まりそうになりました。あとがきを読んでわかったのは、ジョーンと似た人が自分の家族にいる人は恐怖を感じるらしいです。ジョーンみたいな人と関わりを持たずに成長した人は特に何も感じないとか。それを聞いたらますます怖くなった!


3、ジェーン・スー『ひとまず上出来』

重ねる歳はあるけれど、明けない夜はないはずだ。
CREA連載「●●と▲▲と私」に加え、SNSで話題沸騰の推しエッセイ「ラブレター・フロム・ヘル、或いは天国で寝言。」、
楽しいお買い物についての書きおろしも収録。
いまの自分の「ちょうどいい」を見つけよう、最新エッセイ集!
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化粧が写真に写らない/なぜ私のパンツは外に干せないのか/「疲れてる?」って聞かないで/ていねいな暮らしオブセッション2021/「四十代になれば仕事も落ち着く」は幻想です/「愛される」は愛したあとについてくる、らしいよ/#今日の鍛錬/私はちょっと怒っているんですよ/「おかしい」言うことの難しさよ /やりたいか、やりたくないかの二択です/中年の楽しいお買い物/ラブレター・フロム・ヘル、或いは天国で寝言。…ほか50エッセイ収録!

Amazonより引用

 読みながら、そうそう!と思ったり、私はそんなことはないなと思ったり、勇気づけられたりしながら楽しく読みました。読んでいると著者のジェーン・スーさんに話しかけたくなります。私の話も聞いて!という気持ちになるから不思議だ。めちゃめちゃ親しくて何でも話せて、人生を一緒に生きてる!みたいな友達がいるのはやっぱり憧れるなあ。


 もうあと1か月で2023年が終わるなんて!大掃除を11月中に前倒しでできないまま寒くなってしまった。来週こそは!最後までお読みくださってありがとうございました。

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