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最近読んだ本の話 vol.113

 「最近読んだ本の話」の第113弾です。9月も終わりに近づいて、ようやく今日は涼しくなりました。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、森谷 明子『星合う夜の失せもの探し: 秋葉図書館の四季』

れんげ野原の中にある秋葉図書館には名探偵ばりの司書がいる。曾祖母の残した開かずの文箱、失踪したブックカフェの猫、図書館開設準備中に発覚した旧家の秘密……。そんな謎を抱える利用者を、誰もが知る古典や名作や、知る人ぞ知る本をそっと差し出して、解決までやさしく導きます。
「どこにいたの?」をテーマに描く、六篇の謎。ほんわか図書館ミステリのちょっぴり番外編。

Amazonより引用

 秋葉図書館の周辺で起こる謎を司書さんたちが解決するミステリです。いろいろ本が出てきて楽しいです。「どこにいたの?」がテーマになっているそうで、読んだ後にそのことを知って、確かに全篇そうだなあと納得しました。こんな図書館近くにあったらいいなあ!


2、夢野 寧子『ジューンドロップ』

わたしたちには家族をめぐる秘密がある
母の不妊治療の失敗、凶暴な白い光と共に襲ってくる片頭痛。
しずくとタマキは、持て余した心を抱えて
縛られ地蔵に会いに行く――。
傷つき、傷つけ、思いあう。痛切な家族の愛のかたち。
「ふと脳裏に、幼い未発達の実が木から落下する光景が過りました。
どうして自分は彼らと同じ道をたどらなかったんだろう」
第66回群像新人文学賞受賞作!

Amazonより引用

 主人公のしずくの語りで物語は語られますが、読み始めてすぐに、私にはしずくが話しているのを聴いているような感覚があって、こういう声で抑揚でスピードでというイメージがはっきり浮かびました。 
 しずくとタマキは縛られ地蔵の前で出会います。違う高校に通う2人は待ち合わせて度々一緒に縛られ地蔵に会いに行ったりします。なぜ2人が縛られ地蔵に会いに行くのか、しずくが心の中で話しかける「あなた」とは誰なんだろうか、疑問に思いながら読み進むと、だんだん謎が解けていきます。
 この物語を描けるのはすごいなあ!最後の場面、泣きそうになりました。


3、川上未映子 、村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―』

ようこそ、村上さんの井戸へ――川上未映子はそう語り始める。少年期の記憶、意識と無意識、「地下二階」に降りること、フェミニズム、世界的名声、比喩や文体、日々の創作の秘密、そして死後のこと……。初期エッセイから最新長編まで、すべての作品と資料を精読し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。十代から村上文学の愛読者だった作家の計13時間に及ぶ、比類なき超ロングインタビュー!

Amazonより引用

 このインタビューはすごいです!川上未映子さんの村上文学の深度がすごすぎる。私が今までに村上さんの著作を読んで知り得ていたことをはるかに上回る情報量で、そうだったのかそういう考えだったのか、とわかってうれしかったです。それにしても川上さんはすごいです。村上さんの語る言葉を聞いて、それはこういうことですか?という返しが素晴らしすぎます。はあ、読めてよかった!


 真夏のような暑さが続いていましたが、ようやく涼しくなってきて、読書に集中できる季節がやってきました。でも出かけるにもちょうどいい気候なので、誘惑が多すぎるような…。最後までお読みくださってありがとうございました。

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