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最近読んだ本の話 vol.93

 「最近読んだ本の話」の第93弾です。もう3月です。春が近づいています。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、斎藤 倫『ポエトリー・ドッグス』

「このバーでは、詩を、お出ししているのです」
今夜も、いぬのマスターのおまかせで。詩人・斉藤倫がおくる、詩といまを生きる本。

「詩っていうのは、おもい出させようと、してくれてるのかもね。このじぶんだけが、じぶんじゃなかったかもしれないことを。このせかいだけが、せかいじゃなかったかもしれないことを」

T・S・エリオット 吉岡 実 ガートルード・スタイン アメリカ・インディアンの口承詩 萩原朔太郎 ボードレール 杉本真維子 宮沢賢治 石原吉郎 ウォレス・スティーヴンズ 石牟礼道子 アルチュール・ランボー ……ほか全31篇の詩をめぐる物語

Amazonより引用

 主人公が訪れたバーのバーテンダーが犬なんです。カクテルと一緒におすすめの詩を出してくれます。文中にたくさんの詩が登場しますが、その詩について主人公が考えをめぐらせて、犬のマスターと話します。悲しみにくれていた主人公が最後には元気を取り戻すところがいいです。

 

2清水 義範『世界文学必勝法』

世界文学の名作50篇を解説。これ1冊がコンパクトな文学全集に。巻末に+50篇を挙げ、全100篇を網羅。

Amazonより引用

 2008年に出版された本です。受験生が読むんだろうか?と思いながらも、読んでみました。軽いタッチで世界文学を語ってみよう、という狙いで書かれたそうです。物語のあらすじが紹介されているので、タイトルは知っているけど読んだことがない作品がどんな話なのか、おおまかにわかります。巻末にはさらに50冊紹介されています。全部で100冊紹介されている中に、私が読んだことのある本ってまだまだ少ないなあ。


3、鈴木 敏夫『読書道楽』

「読む。生きるために、読む。」
スタジオジブリのプロデューサーによる、半自伝的読書録。
「プロデューサー・鈴木敏夫、そして人間・鈴木敏夫はどのようにしてつくられたのか――。その知性と創造力の秘密は、厖大な読書のなかに隠されています。いっしょにこの豊かな本の森(迷路?)を散策するような気分で読んでいただければ幸いです。」
インタビュアー 柳橋閑(「この本の成り立ち」より)

Amazonより引用

 スタジオジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんが、これまでにどんな本を読んできたのか?『鈴木敏夫とジブリ展』のために行われたインタビューをもとに作られた本だそうです。戦後どういう漫画が日本で生まれてきたのか、鈴木さんが子どもの頃に読んでいた漫画や本の話、中高生の頃に読んでいた本、大人になってから読んだ本など、たくさん紹介されていて読みごたえがあります。鈴木さんたちの世代の方やその後に続く方々が作った作品を、観たり読んだりしてきたましたが、どういう時代を経て今に続いているのか知ることができました。


 あっという間に3月になりました。毎日が慌ただしく過ぎていきますが、読みたい本を選んでいる時間と、本を読みながらこれは!と思う言葉に出会える瞬間が楽しいです。最後までお読みくださってありがとうございました。

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