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最近読んだ本の話 vol.100

 「最近読んだ本の話」の第100弾です。2021年からはじめて100回目を迎えることができました。うれしいです!今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、穂村 弘『短歌ください 海の家でオセロ篇』

歌人・穂村弘が、読者の短歌を選んで講評。本の情報誌『ダ・ヴィンチ』の人気連載、書籍化第5弾。短歌を詠む人も、読む人も。言葉のワンダーの世界へいざなう、実践的短歌入門。

Amazonより引用

 私がこの本を読んでいる瞬間にも誰かが言葉を組み合わせたり削ったり並べ替えたりしながら短歌を作っているかもしれないなあ、と思うと救いのような気がしました。いつも面白い言葉の組み合わせを考えている人の存在を感じると、自分も楽しい気持ちになるというか。ハッとするような言葉があったり、わかるなあその気持ち、と思ったり、楽しく読みました。

 

2マイケル・バード、オーランド・バード『作家たちの手紙』

本書は、この500年の間に交わされた、作家や詩人の手紙をまとめた書簡集です。
下積み時代の苦労と野心、家族や愛の話、創作期の絶頂から人生の黄昏時に思うことまで……。
言葉を自在に操った作家たちが残した私信から、その濃密な人生模様を垣間見ることができます。
「大鴉」の修正を編集者に指示するポー、愛する人への手紙に詩を添えるゲーテ、ジャン・バルジャンのごとく「闇夜」を照らそうとしたユゴー。
その筆跡からは書き手の息遣いまでが伝わって、
彼らの「知られざる作品」を読んでいるような感覚を覚えるかもしれません。
手紙原文は、各言語に対応した11人の専門家が翻訳しました。
書かれた時代背景や、作家・詩人についての解説も合わせてお楽しみください。

Amazonより引用

 人の手紙が読めるってワクワクします。本当なら知ることができないはずのことを、有名な人の手紙は残っているから読めるんだなあ。自分が友人や恋人に送った手紙を、100年以上たってから世界中の人に読まれることになるとは本人は考えもしなかっただろうと思うと、気の毒な気もします。字も人それぞれ特徴があって見るだけでも楽しいです。手紙、最近書く機会がなかなかないなあ。


3、トマス・エスペダル『歩くこと、または飼いならされずに詩的な人生を生きる術』

「自分の人生を、主導権をもって歩き続けるとはどんなことか?」北欧における"世界文学の道先案内人"が「歩くこと」の本質に迫る。

Amazonより引用

 このタイトルを見たら読みたくてたまらなくなったのですが、そう感じるのは私だけでしょうか?面白そうって思いますよね!エッセイなのかなと思っていたのですが、小説でした。実験的な小説です。日記や紀行文、詩やエッセイが混在していて、自伝なのかフィクションなのかも曖昧な感じです。著者が歩きながら考えたり思い出したりしたことが書かれています。
 第1部と第2部があり、合わせて40項目あります。1つ目は「とある通りからはじめてはどうだろう?」で、著者とおぼしき人物の歩く道の情景と気分が描写されています。突然感じられた幸福感は歩くことが生み出したものではないか?とわかる場面です。確かに歩いている時はいろいろな考えが頭に次々に浮かんでくるなあ、と納得しながら読み進みました。著者は歩きながらメモを取って書くらしいです。そうしてこの本が出来上がったんだなあ。読んでいるとだんだん歩きたくなってきます。

 
 もう暑くなってきました。あんまり暑くなると本が読みづらくなるんじゃないかと心配です。春と秋がちょうどよさそう。最後までお読みくださってありがとうございました。

**おまけ**
「最近読んだ本の話」第1回目のnoteです。↓



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