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月曜モカ子の私的モチーフvol.258「冬の土用と戦争の気配」

朝。目が覚めるとおそらくだいたい7時くらいで、体の怠さと微熱は消えたようだった。(治りたいなら夜中に寝て朝起きてください)という見えない世界のメッセージに肉体は従い昨日も一昨日も夜の22時半には眠くなった。
そのままぐるっと眠って朝起きている。

(これ、困るんですよね……)
朝型は素晴らしいことだが体が朝寄りになると20時Openの自分のお店で、最もいいパフォーマンスが求められる時間帯に眠くなるということで、わたしはそれをいつでも回避したい。まあでも7時か。だったらこのまま起き続けて夕方に少し仮眠をとればいいのかもしれない。

これは日曜かな?の日の出。

2018年頃からだろうか。1月に健康でいられることが難しい体になってしまい、2020年からはダウンもしくは入院をしている。それでつまりは自分のお店を1月まともに営業したことがまだない。最近会ってないが時々このエッセイなんかにも登場するスピリMにも「あんたは冬はもう体がダメだから、冬にあれこれするのは諦めなさいね」と言われてる。
2020年肺炎入院、2021年コロナ休業の裏でダウン、2022年コロナ入院。
そういった意味では開業5年目の今年初めて、我が店イーディは1月の営業をまともに行っているのだった。

2020年から2022年の春先まで長い体調不良に悩まされた栞がようやく長いトンネルを抜け新しい自分の体を理解してゆき、一足早く5日から開けてくれた。わたしは彼女の誕生日の9日から合流したわけだけど、実家にいても熱を出したりしなかったので、今年は大丈夫かと思っていた。
人は学習をするもので「師走でも走らず」という目標で無理しすぎない12月を送ったおかげで年が明けてすぐにバタンキュ、ということは避けられた。


お誕生日にシャンパンをお客様から入れてもらえるほどに成長した栞。
朝早いイーディの2階はしんとして美しい。

2021年は入院こそしなかったが37度くらいの熱が1/19〜2/3くらいまで続いて、エッ、これってなんなんだろうかと考えたり調べていたらいわゆる「冬の土用」と丸かぶりだったことで、そこから陰陽五行をさらに意識して生活するようになった。そう考えるとそもそも2月にフィンランドへ行くなどというのは計画自体が無謀だったのかもしれないが計画を立てる時期はまだまだピンピンしている秋とかなのでどうしてもこういう無謀な計画を立ててしまう。ともあれきっと2月は草津がベストチョイスだったのだ。
(フィンランドが草津温泉になった経緯は最新がんこエッセイをご覧ください)

土用。いわゆる節分と言われる季節の変わり目が実は年に4回あって、平たくいうと春夏秋冬の合間合間に節分があり、節分は点、ポイントであるがその前の変わり目期間を「土用」と呼ぶのです。5月4日あたりに菖蒲湯に入ったりするのもこの土用と関係がある。

ところで今年は大きなダウンに陥らず謎の不眠 at 実家だけがキツイくらいで終わったと思っていたのだけど、実は先週の土曜に急に起き上がれなくなった。それは実家での自律神経ぐちゃぐちゃ生活から途端に「栞バースデー」で始まるイーディの営業に移行し、金曜は大事なおもてなしがあって、しかしそこに生理がぶつかって……とかがあったので、基本的にそこいらが原因だと思っていた。金曜の営業終わりに意識が朦朧としてきて深夜に眠ったが最後、土曜は一旦夕方に起きたけれど、もうベッドからでれなくなって、そのまま栞が頑張って一人で店を開けてくれてわたしはひたすらに眠って朝になり、つまりはほぼ24時間寝ていたのだけど、わたしはそれを睡眠負債と生理の失血による貧血のコンボによるものだと思っていた。

けれど日曜、予定通り軽く出かけて戻ってくるとどことなく節々が痛く、あんなに寝たはずなのに眠い。(あれ、これもしかして具合が悪いから強制終了の方の眠いやつじゃない?)そう思ってまたひたすら眠って昨日の月曜朝9時に起きたら発熱していた。おお。

先日、巳の日に弁天堂へ。巳の日には特別なお守りを売っていると初めて知りました。

風邪かな、胃腸炎かな、鼻や喉には来てないしコロナではなさそうで。
おかしいよね、数日前は「眠れない  スピリチュアル」で検索していた人間が「寝ても寝ても眠い スピリチュアル」で検索。笑。
しかしこれはメンタルよりも生理のホルモンに関係があるようで。
それで今年の「土用」を調べてみたら17日火、本日からだった。
すごい、わたしの肉体は言われなくても勝手に”土用”に前乗りしていたのだ。笑。ちょい早めに発熱して。

けれど人間というものは理由がわかるとスッキリしたりする。
なんだ土用か。だったら今から2月3日まではこんな感じに微熱が出たり出なかったりして肉体を調整してゆくのだな。

そして自分は2年ぶり?くらいに今月ファスティングをしようと日程など決めて準備していたのだけど、ファスティング中はお酒が飲めないから、店のイベントや誰かとの約束がない時期で、しかも生理が終わる時期にスタートするのがバイオリズム的にも良い。生理の時の血が足りない時に断食するのは肉体的にも精神的にもよくないからね。

そうなると今回生理終わりに土用に突入して土用とファスティングが丸かぶりなのであった。それってどうなんだろう、土用の時期に肉体にそういう負荷をかけて良いのかしら。そう思って調べると土用と新月の日はファスティングにぴったりの時節なのだそう。

食べない、ということは逆に負担がかからない、ということで、節目の前の体のリセットに土用のファスティングはとても良いとのことだった。

元旦はこのように形が崩れず美しかった西浅草ママの京雑煮を、
冷凍して解凍したら野菜がぐずぐずになりました。
しかしこれがファスティングの準備食にとても良い✨

なんと。
2021年から意識している陰陽五行に体の方がアジャストしてきたのか、なんか知らないが適当に組んだファスティングスケジュールは今回ゴールデンスケジュールだったようだ。あとはこれを適切に遂行するのみ。


なんというか、わたしは昭和初期研究をしてきた人間として、今時代はとても厳しい局面に差し掛かってきていると思っていて。特に報道やメディアのプロパガンダが戦前と似てきたように感じている。
夏にあれだけうるさく医療ひっ迫などを報道していたメディアも今は抑えているけれど、常連の先生の救急はパンクしたとのことだった。
強い陰謀論とかを語るつもりはなくて、今はもう経済を優先して脱コロナしていかないといけないから、withとかより脱!みたいな感じで、ごめんなさいね医療現場のみなさま、でも国はこういう方向へ行くんです。みたいなことなんだと理解している。同時にそういうことするんなら去年の7月からやってほしかった感は飲食店経営者としては、ある。あの凄まじい煽り報道で、こちらは毎月50万とかの単位で売り上げを失った。

で、何が言いたいかというと、自分はどんどんディフェンシブでドメスティックな気分になってきている、と言いたい。

ベスフレが開業したカフェ。ベスフレカフェとかじゃない名前を考えたらと言ったらこれ。
四季折々にスターが変わっていく献立のお店にするんだって。素晴らしい。

自分はかつてスターを志した人間だが、今「売れる」とか「有名になる」とか「成功」とか「著名性」とかいうことよりも強く関心があり強くこだわりがあることは「明日も健やかに生きている」ということだ。

この「健やかに」が肝で、正直それがどんどん困難な時代になっていくと思う。かつておばあちゃんたちは十代だったのに焼けた死体の脇を歩いて帰ったんだからな。94歳のおばあちゃんが「最近のことは全部忘れていくのに」といつも語るのは大阪に大きな空襲があった時のこと。
「局長さんが優しくて」国鉄に勤めていた16歳のおばあちゃんを可愛がってくれた当時の局長さんがその後日本の総理大臣になる佐藤栄作さんだったことはいつもちょっぴり自慢話で、でもそれよりも大きな話は、大阪から滋賀まで死体の脇を歩いて帰ったエピソード。
「局長さんが(脇を見ないように)まっすぐ前だけ見て歩きやって言わはって」目を覆いながら歩いて帰った。
おばあちゃんの最新トピックはいつだってこの日の空襲の話。
言っておくがおばあちゃんは全くボケていないし頭脳明晰です。つまりたくさんの経験を経てなお、彼女の頭に思い出される最新のショッキングな出来事は80年以上更新されなかった、ということなのだと感じてる。

防衛費を増加し緊張感が高まり、台湾がやってきたその日、この昔話は急に輪郭を携えてわたしの前に立ちはだかり、全ては対岸の火事ではなくなるだろう。同時にメディアやSNSは玉石混合、何が真実かなんて正直誰もわからないので、自身の思想を押し付けたり相手を「間違ってる」などと糾弾したり、そういう不毛なことをしたくもない。

だからこそ「健やかに日々を生きる」こと以上に素晴らしい目標がわたしには見つからない。
時代は変わったのだ、何が今年トレンド?何が売れてる?とかいう感じではない時代に、刻々と突入している。

こちらは甥っ子「ほへ」君が開業したラーメン屋。

そう思った時、その健やかさに「肉体はどれくらい寄与するのか」を考えた場合、これってすごく大きいことだなと思った。わたしはこれまで思想派というか想いが先走って肉体を置き去りにするような生き方をしてきて、
肉体の声を聞かずに走るがゆえにダウンを繰り返してきたけど、
今年もっともっと、体の声を聞いて、健康に、丈夫に、かつ、
美しくなりたい。

多様性が叫ばれて美醜に関しても発言が難しくなってきたけれど、どうも自分は何か自身の魂の叫びに対して口に蓋をしているような感じがあった。
わたしは綺麗になりたい。綺麗でいたい。
なぜならそれに始まった人生だから。小さい頃割と美人と言われて「女優とか向くんじゃないか」と言われた。中学になると同級生がわたしの足を「綺麗」だと羨ましがってくれた。それで本格的に美醜で測られる芸能の世界を志して、どこへ行ってもブスデブと言われるようになり、それは水商売に入っても続いた。そのうち精神的にも成熟してきて本当の人の美とはinternal(内にあるもの)なものだときづき、美醜にあまりこだわらなくなり、逆に美醜に執着している人を怖いと思うようになった。

でもさ、普通に綺麗でいようとすることって何も悪くないよね。
美しい女主人でお客様を迎えようとすることはさ。

今年の年賀状です!皆にようやく届いたと思うので公開!

それで、いつかどこかで投げ出したかもなと思っている、美に対しての努力を今年コツコツしてみようと思いました。
なんせ「根津の路地を照らす」が今年の抱負だからね笑。
そう、ディフェンシヴでドメスティックに。

それでまずはファスティングをするのです。
冬の土用と戦争の気配。

辯才天さまの後ろすがた。
弁天様でいただいたお言葉(おみくじ)

この言葉を胸に半径3メートルの暮らしを大切にしていこうと思っています。その暮らしの中に「月モカ」はあります。
みなさま今年もよろしくお願いいたします。

              月モカvol.258「冬の土用と戦争の気配」


(↑レディオイーディNezuU🌈より新年のご挨拶)

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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。
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