『火の鳥宇宙・生命編』(手塚治虫)読書感想

★感想

今回の『火の鳥』は、人型の火の鳥が出てくるちょっとした近未来の話なのである。
前半の「宇宙編」では、「望郷編」に登場した牧村が突如、ミイラになるという話なのである。
いかにも、世にも奇妙な物語のようなストーリーだった。
牧村の性格上は、傲慢であって、他の宇宙人を殺害してしまうような最低な人間である。
だから、火の鳥が怒って、牧村を罰として赤ちゃんに若返て、赤ちゃんから大人へ、大人から赤ちゃんへと繰り返しのループの罪を与え、罪のある惑星のところ(植物と動物を逆転するような場所?)に行かされたんだ。
猿田博士?がナナを愛していたのに対し、ナナは罪が多い牧村を愛しているので、ナナは地球に戻れずに草みたいになっていたのが衝撃的だった。
猿田の周りの宇宙飛行士が犠牲となる。

後半の「生命編」では、いかにも現実にもありそうな近未来の話であり、クローンやサイボーグ(トランスヒューマニズムというロボットと人間との混合=のちのロビタに繋がる傾向がある)が出てくる話である。
人間のクローンを作っていくと、どうなっていくのか。
そこでまた、宇宙から帰ってきた猿田博士?やまた違った品種の人型火の鳥?(マヤ文明人♂+火の鳥♀の混血)が登場する。
つまり、生き物の命は粗末してはならないということが今回のテーマである。

★オススメだと思うところ

手塚治虫の漫画が読みたい方、火の鳥のシリーズが読みたい方、近未来系の舞台とした作品が好みの方

★まとめ

今回も色んな所で考えさせられる場面もあるけれども、近未来系SFのシリアスな部分も含まれているので、今の時代で生きている上で一番重要なところは、あくまでもフィクションの世界だけれども、こういった未来が実現してしまうかもしれないことを頭に入れておいたら方がいいのであろう。

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