見出し画像

読書 母という呪縛、娘という牢獄 感想

2018年に「医学部9浪」を強いられた娘が母を殺害し遺体をバラバラにして遺棄した事件の経緯を詳細につづったノンフィクション。

懲役10年。
教育虐待があった。

懲役20年の求刑に対しはじめ15年の判決が出るも控訴し、殺害の事実を認め教育虐待の事実に同情を認めて最後懲役10年に決まるこの事実。

確かに教育虐待はあったのだろう、母親が自分の人生を子供を使って思い通りの人生に塗り替えようとしたのだろう、狂った母をどうにも出来なかった、私か母のどちらかが死ななければ終わらないと娘に思わせたのだろう。
そぅなんだろう。
でも、娘も母の行動に自分への愛情が無いとは思っていないし、母からの価値観を否定もしていない。
同情はする、でも、求刑に対し半分の判決、模範囚として仮釈放もあるのかと思うと、一昔前なら尊属殺人罪。しかも、バラバラにしてるわ、最初の裁判中は否認もしてるし、なんとも言えない気持ちになった。

令和3年の警察白書では、殺人事件のうち被害者が被疑者の親族である割合は47.1%、これに対して友人・知人は13.8%、面識なしは12.1%とされていますから、やはり格段に高い数字だと思われる。殺人事件の件数は年々減っているのに対し、親族殺人の件数だけが変わらず、結果として高止まりしている。

日本は、介護でも教育でも、家庭内で解決させようと頑張る傾向が強く、昔と違って、家庭はどんどん小さくなっている現代では、家庭こそが牢獄になっていく事に繋がる危機があるのかと思った。

家庭がホッと出来る場所であり続ける事が難しくなっていくなんて…。

#読書 #読書感想 #母という呪縛娘という牢獄 #ノンフィクション #事件 #教育虐待 #母娘 #親殺し #講談社 #齋藤彩  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?