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2019年をチームでふりかえってみた

まえおき

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株式会社RiseUPでエンジニアをしている上園です。
この記事ではモアコンを開発しているプロダクトチーム(開発メンバー)で2019年のふりかえりを行ったので、その内容の公開と、年末に1年のふりかえりを行う良さをお伝えします。

TL;DR

・タイムスパンの長いふりかえりにはタイムラインがおすすめ
・年間のふりかえりではカイゼンよりも称賛にフォーカスする
・課題のピックアップより、仲間へ感謝を

選定したふりかえり手法

今回の1年のふりかえりでは洋さんのサポートで3つの手法を選択しました。

1. タイムライン
2. 5Finger
3. チームメンバーへ感謝のアウトプット

1. タイムライン

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タイムラインでは時系列に出来事をピックアップし、その出来事が起こったときに、自分がどのような感情を持って取り組んでいたかを共有するワークになります。

簡単にやり方を説明します。

・ふりかえりたい期間を時間軸で書き出す
・それぞれのタイミングで起こった話題に上げたい出来事を書き出していく
・メンバーごとに期間内で感情がどう変化していたかを線で書き出していく

2. 5Finger

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1〜5までの数字で今年一年に点数をつけて、共有しました。
何を基準にするかは各々に任せて、「せーの」で5本指を使って発表したあとに、"なぜ"その数字を出したのかは説明しました。

ちなみに普段のふりかえりでも 5Finger を行っているのですが、その際は 3 を抜いて、1・2・4・5 で評価する 4Finger にしています。理由としては日本人は人と異なる意見を発信することが苦手で、安牌に中間の 3 を出しがちなことから、自分の意思をはっきりさせるために 3 を除外しています。
今回は1年という長い期間だったため、普段とは異なり 5Finger で行ってみました。

3. メンバーへ感謝のアウトプット

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普段から親しい間柄の人に改まって感謝の気持ちを伝えるのは恥ずかしい気持ちもありますが、「年末」というタイミングの武器を使い、普段はなかなか声に出して伝えられないことを伝える機会を設けました。

自分から誰かに対しての感謝の気持ちや、伝えたいことをポストイットに書き出していき、ふりかえりを終える最後に共有し合いました。

2019年の出来事

詳細はギルドワークスさんのアドベントカレンダー23日目の記事"孫子とチームとアジャイルコーチ"に譲りますが、大きな出来事をピックアップしてみます。

・プロダクト単位の事業部へ組織再編を行いプロダクトチームを組成できた
ギルドワークスさんの取材を受けた
・DevLOVE関西にチームで登壇した
・Developers Summit 2019 KANSAI に登壇した
・認定スクラムデベロッパーを取得した
・社内で@t_wadaさんのTDD研修を受講した
・DDDでのリプレイスプロジェクトを立ち上げた

1年のふりかえり内容

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エモーショナルグラフからわかるように、同じ出来事を経験していても、人によって感じ方が違うことを改めて垣間見れました。

年始ではマイナススタートのメンバーもいましたが、年末では総じてプラスに転じられていたのはカイゼンが見られた成果ではないでしょうか。

その中でも、

・1年を通して新しいことに挑戦し続けられた
・DDD でのリプレイスプロジェクト開始

は満場一致でのプラスな意見でした。

一方で、

・目標管理に OKR が導入されたが納得感が低い
・ユーザ目線からの品質は変わっていない

という意見は来年にカイゼンしていきたい項目としてあげられました。

この1年チームで成長できたこと

モアコンチームは昨年冬に主要エンジニアが2名抜け、いっときはアウトプットが出せない状況にも陥りましたが、その後集まったメンバーで再編し、危機を脱することができました。

要因としては2つあります。

今年の6月にモブのスタイルを大きく変更しており、そこから安定的にインクリメントを生成することができるようになりました。

モブでの開発についてはこちらをご覧ください。

また同時期にプロダクション環境で唯一リリース権限を持っていたシニアエンジニアから、チームメンバー全員に権限譲渡を行い、誰でもいつでもリリースできる状態を作りました。(デプロイの自動化はまだかよ!)

そのためリリースアイテム数を年始と比較すると12月時点で3倍まで伸ばすことができました。

また設計指針にドメイン駆動設計を選択したことで、これまでの「俺の考える最強のクラス設計」というレガシーシステムへの片道切符を手放すことができ、メンバーの設計思想の拠り所ができたのは大きな進歩です。

現在は隔週で DDD の第一人者である増田さんにお越しいただき、2020年12月リリース目標に向けて Java でリプレイス開発を進めています。

PHP から Java を使い始めると型を利用した品質担保の虜になりますね。

現在チームとしてはこの4冊を必読書しており、チームの開発力向上に役立てています。

エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計
現場で役立つシステム設計の原則
リファクタリング
理論から学ぶデータベース実践入門

自分の成長

4月に認定スクラムデベロッパー(CSD)を取得したことが成長を大きく後押ししてくれました。

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それまでデザインパターンや TDD に興味はあり、技術書を読んで学習はしていたものの、個人開発で利用する程度で、モアコンのような大規模プロダクト & レガシーシステムでの適用方法までは理解できていませんでした。

CSD研修は5日間あり、研修期間はペアでがっつりコードを書き続ける内容でした。そこで TDD や デザインパターン を活用したリファクタリングを学び、構造からのみではなく、意図を反映してデザインパターンを選択していく方法を学ぶことができました。

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そこからビジネスロジックとコードを連動させて実装できるようになり、DDD も導入したことで、設計論への興味がより実務ベースで湧いてくるようになり、DDD が机上の空論ではないことを理解できるようになりました。

正直、エヴァンス本を初めて読んだときは、六法全書を初めて目にしたときの感覚に似ており、頭に浮かび上がってくる!と?が高速に交錯していたことは良い思い出です。

最後に

ふりかえりを実施し、メンバーへ感謝のアウトプットを行った際に、今年5月に入社してくれたメンバーから思わぬギフトがありました。

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To: ALL
受け入れてくれてありがとう

起業経験もあり、チームメンバーの中で最年長としての入社から、周囲の期待に対する大きなプレッシャーもあったと思います。

チーム開発がしたいと入社を決断してくださり、普段は毅然としたプロフェッショナルなエンジニアとして活躍してくださる彼からこんな言葉をいただけるなんて思っておらず、思わず涙が溢れそうになりました。

距離が近いがゆえに、色んなことが当たり前に感じるようになってしまい、感謝を伝える機会を見失ってしまうことってあると思います。

仕事だから当たり前
プロフェッショナルなら当たり前

当たり前だからこそ、改めて言葉にして伝えることに価値があると思います。

ぜひ年の瀬に大切な仲間に感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

来年の計画

そんなものは来年にやります。
今年はとても良い気持ちで仕事を納められました。

来年2020年は初 RSGT 参加!
会場でお会いできる方は、ぜひよろしくおねがいします!

みなさま、良いお年を。

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