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朝ドラと女性の離職の背景のこと

仕事や研究では、転勤帯同や育児・介護等で離職歴がある方の再就職にかかわっています。そうお話すると、最近、よく言われるようになったことの一つが「離職する人は、本当に存在しているのか?」ということです。つまり、介護や育児などの事情があっても、企業では両立支援制度や休業制度が整っているため、周囲では離職する事例が少ないということなのです。

これらの状況の変化には、法律の変遷が大きく影響しています。
男性中心だったビジネスの世界に、女性も働く機会を得るようになった均等法の時代があり、介護や育児などの事情があっても両立できるように環境整備が進んだ時代があり…と変遷があります。それらに、経済状況や性別役割への認識なども絡み合って就業継続するのか離職するのかの意思決定に影響しているのです。つまり、働きたくても継続が難しい環境もあったということです。

参考:スマート総研 「もっと知りたい! Pickup スマートワーク用語
第1回 男女雇用機会均等法

最近、1996年を舞台にしたドラマの再放送を見て、参考になった場面場ありました。若手社員たちが男女ともにスーツで出勤し、やる気も見えるのだけれど、女性社員の仕事の大半は書類のコピーや来客応対だったという場面です。学生時代までは同等だったのに、社会人になったら男性と比べて大きなハンデがある。そのまま数年続いたとしたら、どのような気持ちになるでしょうか。
実際には、成長の機会を求めて外資系企業などに転職する、公平な場を求めて公務員を目指す、ライフイベントの機会で区切りをつけて退職する等が見られた時代です。

参考:松嶋菜々子さん主演のドラマ「ひまわり

法改正の変遷と、働く環境の変化についても見直してみると参考になりますね。

介護や育児、転勤帯同、体調不良等で離職歴があるのは、性別問わず幅広い年代の方にいらっしゃいます。今後も、働きたい人がいつからでも復職できる社会づくりに今後も力を注いでいきます。