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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.32「オレたちバブル入行組」

「半沢直樹を読みたい」
前回の「ロスジェネの逆襲」を読み終えたとき、思わず友人に僕からリクエストしてしまった。身体が勧善懲悪を求めている。こういう時は、エネルギーが高ぶっている時なので、アクセルをベタ踏みした方がいい。

TVドラマの最終回の視聴率が42.2%と驚異の数値を叩き出した本作。僕も当然、TVドラマから入ったクチではあるけれど、当時は小説などほとんど読まなかったので、やっぱり人生損していたなと、後悔の倍返しをくらっている。

渡真利は皮肉っぽくいう。「夢と思っていたものが、いつのまにか惨めな現実にすり替わる。そういう気持ち、お前にはわからんだろう」
「そんなことはないさ」
半沢は否定した。「夢を見続けるってのは、実はとてつもなく難しいことなんだよ。その難しさを知っている者だけが、夢を見続けることができる。そういうことなんじゃないのか」

夢を見るというのは、簡単だ。しかし、夢を見続けるというのは、とても難しい。夢というのは、長くみればみるほど、苦しくなるものであれば、いっそ見ない方が良い。きっとそんな結論に至って、多くの人は夢を諦めるのかもしれない。

それでも僕は思う。夢は見た方がいい。見続けた方がいい。絶対に叶うから、などというつもりもない。叶わない夢なら見ない方がいい、という人もいるけれど、それでも見続けた方がいいと僕は思う。なぜなら、夢に向かって努力をすることこそ、人生の醍醐味だからだ。夢に大きさなどない。何だっていい。変わってもいい。でも、何かに向かって努力をする。全力投球をする。それが人生の醍醐味だ。

逃げたくもなるし、苦しくもあるし、泣きたくもなるし、諦めたくもなる。夢を見続けるというのは、簡単なことじゃない。でも、簡単なことじゃないから、面白いのだ。ゲームだって、クリアしたら終わりだ。簡単にクリアしてしまったら、それこそ手ごたえがないし、やりがいも感じられない。クソゲーだ。人生を面白いものにするか、それともクソゲーにするかは、自分で難易度が決められる。「諦める」というイージーモードを選ぶもよし、「夢を見続ける」というハードモードも選ぶもよし。

僕はこれまでずっとイージーモードを選択していたけれど、せっかくの人生だから、思い切ってハードモードを選ぶことにしてみた。おかげで今日も、毎日更新をすると決めたこの感想文の更新が日付をまたいでしまった。

でも僕は思う。人生は面白い。

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