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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.91「生きる技法」

「これからの時代をどう生きるべきか」という本がやたらと多くなってきたように感じるのは、僕だけだろうか? 最近、本屋さんに行くと、「生き方」を説いた本だらけだ。それが余計に生き方を迷わせているとしたら、これはもう生き方パラドックスでしかない。

 東大教授の著者が、自らの人生を通して見つけた自立するための方法を書かれている。先ほど「最近の本は……」と書いたけれど、この本は2011年に書かれた本だったので、早くも一つ勘違いからスタートした次第です、はい。

自立とは、多くの人に依存することである
多くの人は「自立するということは、誰にも頼らないことだ」と誤解しています。私自身、長らくそう思い込んでいました。
しかし近年、それが間違いであったことが、明らかにされました。この原理を発見されたのは、中村尚司さんという経済学者です。この方は、小学生のころからずっと「自立とは何か」と考え続け、六十年間考えて、ようやく
自立とは依存することだ
という驚くべき答に到達されたのです。
(中略)
この原理をもう少し説明しましょう。中村さんはこの命題を言い換えて、
自立とは、依存する相手が増えることである
と言っておられます。この表現は少し不正確に思いますので、
依存する相手が増えるとき、人はより自立する
と修正したいと思います。
もしあなたが、人に助けてもらうことはいけないことであり、自分でなんとかしなきゃと思って抱えこんでしまう人であるなら、その考えこそが、あなたを人に従属させている原因だとご理解ください。もちろん、なんでもかんでも頼ろうとして、人が助けてくれないと当たり散らすような人は未熟なだけです。
しかし、自分が困っているときに、助けを求めることができないこともまた、未熟さの反映なのです。ですからこの場合、
助けて下さい、と言えたとき、あなたは自立している
ということになります。

自立するためには、人に依存する。一見矛盾しているように聞こえるが、恐らくそれは「依存」という言葉が持つイメージから来るものだと思われる。ここでいう筆者の「依存」は、「頼る」という意味で使っているのだろうと推測する。それであっても、誰にも頼らずに生きていくことは人間は不可能であるし、そもそも人間は繋がりの中で生かされている動物であると今のところの僕の仮説から考えると、生命すべては他者に依存しあって生きていると言える。

言葉の定義は数あれど、自立とはすなわち他者を頼れること。
困っているときに、助けて下さいと言えること。

これを自立と呼ぶことにし、ここを目指していこうと思った。

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